おじが死んだ。 先日まで元気だったらしいのに。 その知らせを受けて、嫌な記憶が蘇った。 小学生の頃、両親が共働きで忙しかったので私はよく祖母の家に預けられていた。 優しい祖母と母の弟の二人暮らしだった。 おじの事は、お兄ちゃんと呼んで慕っていた。 両親に代わって色々な所に連れてってくれたり、色々な物を買ってくれた。 祖母や両親は休みのたび私と出かける彼をみて、そんな事を続けていると彼女が出来なくなるよと心配していた。 背が高く、イケメンなおじだが、一度も彼女を連れて来たことは無かったし、そんな話も聞かなかった。 小学4年生になったある日、珍しくおじは不在だった。家事をしている祖母の目を盗みおじの部屋に入ってみた。 少し散らかった机の上に、色々な女子小学生のアニメ絵が描かれたゲームパッケージがあった。 違和感を覚え、すぐにその場を去ったが、おじは私の子育てのために勉強しているのだと思った。