お互いに決してチャンスは多くなかったが、その少ないチャンスをセルビアは確実にものにした。これが欧州の強豪との差なのだろう。 セルビア第2の都市ノビ・サドの夜空に、虚しくホイッスルの音が鳴り響いた。世界との距離が一向に縮まっていかない。そんな警鐘を鳴らしているような、耳に痛い音だった。 11日に行われた日本代表vs.セルビア代表の一戦。 結果は0-2。 W杯まであと8カ月に迫った今、「途中経過」を評価していい時期ではもはやなくなっている。W杯最終予選の敗退が決まったセルビアはFIFAランクで日本より1つ下の43位であり、ザックジャパンはいくらアウェーだろうが、スタンコビッチの引退試合だろうが、W杯本大会の上位進出を目論むのならば最低でも五分以上の試合展開に持っていかなければならない相手であった。 だが結局はやられた、結局は点を奪えなかった。そこに「惜しい」という言葉を持ち込みたくない。「惜し