「従来の反米親中政策は、次期政権が改める」――。韓国の知識人が口々に言い始めた。だが、大統領が代わったぐらいで韓国の外交が変わるのだろうか。 中道、右派が圧す大統領選 12月19日投開票の韓国の大統領選挙で有力候補は3人。どの世論調査でも似た数字が出るが、支持率の高い順で言えば、1位が中道の李明博氏(支持率=40%前後)、2位が右派の李会昌氏(20%前後)、3位が左派の鄭東泳氏(15%前後)――だ。 韓国人が「外交姿勢が変わる」とする理由は、盧武鉉大統領の反米親中政策を基本的に継ぐとされる鄭東泳氏を、米中双方に等しくいい顔をしそうな李明博氏と、親米を打ち出す右派の李会昌氏が支持率で圧しているからだ。 だが、本当に「新政権の韓国が反米親中を止める」かは疑わしい。韓国の「反米親中政策」は盧武鉉大統領の個性によるものと見なされがちだが、それだけではない。地政学的、あるいは歴史的な要因に