テレビは本当に怖いメディアである。テレビの番組にコメント役としてかかわり始めて、つくづくそう感じる。 例えば昨秋の自民党総裁選。一部の識者は候補者5人が連日のようにテレビ出演しているのを指して「テレビは政治利用されている」と例によって批判したが、違うと思う。総裁選がいかに茶番か、テレビはそれをそのまま映し出したのだ。総裁選を失敗させたのはテレビだったと言ってもいいほどだ。 麻生内閣のいきなりの行きづまりは「メディアに出てさえいれば盛り上がる」と錯覚したことに始まる。「ナントカ劇場」の時代を経て国民の政治を見る目は一段と肥えてきたことに、自民党は気づかなかったのだ。 今年は自公政権の継続か、交代かを有権者が選ぶ年だ。パフォーマンスや演出ではなくて、この国をどうしていくのか、どの政党が一番まじめに、誠実に政策を訴えていくかが選挙結果を左右する予感がする。 民放テレビも最近は報道など硬派の番組を