ブックマーク / dokusho-note.hatenablog.com (27)

  • ミネット・ウォルターズ『カメレオンの影』(成川裕子訳)オンライン読書会報告&心理サスペンスのブックガイド - 快適読書生活  

    さて、9月26日(土)に第1回オンライン読書会を開催しました。課題書は、今年の4月に出版された、ミネット・ウォルターズの新作『カメレオンの影』です。 カメレオンの影 (創元推理文庫) 作者:ミネット・ウォルターズ 発売日: 2020/04/10 メディア: Kindle版 ミネット・ウォルターズについては前回も少し紹介したように、1992年に『氷の家』でデビューし、第2作目の『女彫刻師』では、母親と妹を殺して切り刻んだ殺人犯と疑われるオリーヴを描いて話題を呼び、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞長篇賞などを受賞した。以降の作品もCWAゴールド・ダガー賞に輝くなどの高い評価を得て、〈現代英国ミステリの女王〉と呼ばれている。 2007年にイギリスで出版された『カメレオンの影』は、2006年9月29日付の新聞記事からはじまる。 元国防省所属の文官だった男が南ロンドンの自宅で殺されている

    ミネット・ウォルターズ『カメレオンの影』(成川裕子訳)オンライン読書会報告&心理サスペンスのブックガイド - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2020/10/04
    すばらしいリストですね。どれもこれも読んでみたくなる。秋の夜長のためにご紹介くださったのですね😉👍
  • パンデミックの真相を探るリアルなディストピア小説 The Waiting Rooms (Eve Smith) - 快適読書生活  

    Amazonで評価が高かったので気になった、小説“The Waiting Rooms”を読みました。作者Eve Smithのデビュー作であり、まだ翻訳は出ていません。まずは、どういう物語か説明すると―― The Waiting Rooms 作者:Smith, Eve 発売日: 2020/10/01 メディア: ペーパーバック この小説はKate, Lily, Maryの三人の女性の視点から交互に語られていく。 まずはイギリスを舞台にしたKateの章からはじまる。Kateは人々を死へ誘う仕事をしている。というと衝撃的だが、殺し屋などではなく、看護師として合法的に働いている。それにはこんな背景がある。 20年前、抗生物質が効かなくなる “Crisis(危機)”が発生し、悪性の結核のパンデミックによって、世界中で多くの人命が失われた。Crisis以降、人類にとって感染症が最大の脅威となった。新型

    パンデミックの真相を探るリアルなディストピア小説 The Waiting Rooms (Eve Smith) - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2020/09/16
    ご紹介ありがとうございます😊おもしろそうですね。というか怖い未来 いや現実を覗き見するのかな。
  • 勝手に考えた「コロナブルーを乗り越える本」『東京日記』(内田百閒)『だいたい四国八十八ヶ所』(宮田珠己)『雨天炎天』(村上春樹) - 快適読書生活  

    「コロナブルーを乗り越える」という集英社インターナショナルのサイトで、さまざまな作家や翻訳家の方たちが、「こんな時代だからこそ読みたい」を紹介していて、これがかなり読みごたえがある。 www.shueisha-int.co.jp 紹介されているがどれもおもしろそうなので、紹介文を読んでいるうちに、そういえば同じ作者のあのもこんなときにいいかも、いや、紹介者自身のもいま読みなおすとまた新たな感想を抱けるかも……と、あれこれ思いがわきあがってきたので、ここで(某首相のように)勝手に便乗することにしました。 まずこのサイトで、「いま読まないと!」と思ったのは、宮田珠己さん推薦の内田百閒『東京焼盡』。 「当時すでに五十六歳だった百閒の飄々と生きるしたたかな姿に、生きてりゃいいんだ生きてりゃ、と背中をどやされたような気がする」という書の魅力については、サイトを見てもらうとして、とりあえず

    勝手に考えた「コロナブルーを乗り越える本」『東京日記』(内田百閒)『だいたい四国八十八ヶ所』(宮田珠己)『雨天炎天』(村上春樹) - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2020/04/27
    内田百閒、恥ずかしながらまだ読んだことがない💦ぜひ入手して読んでみたいです。
  • それがフィリップ・マーロウという人間だ 『さよなら、愛しい人』(レイモンド・チャンドラー 著 村上春樹 訳) - 快適読書生活  

    It wasn’t any of my business.  So I pushed them open and looked in. 私には何の関わり合いもないことだ。なのに私はその扉を押し開け、中をのぞき込んだ。そういう性分なのだ。 レイモンド・チャンドラーによるフィリップ・マーロウシリーズの二作目、『さよなら、愛しい人』を再読した。 さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:レイモンド チャンドラー 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011/06/05 メディア: 文庫 以前『ロング・グッドバイ』からの流れでこの作品も読んだものの、そのときは、なんか似たような展開やな……そもそも、いったいなぜにマーロウは、テリーやマロイみたいな、どこからどう見てもやっかいな連中にわざわざ関わるのか? と疑問を感じたり、うさんくさい人物が入れかわり立ちかわり登場する筋を追うのに精一

    それがフィリップ・マーロウという人間だ 『さよなら、愛しい人』(レイモンド・チャンドラー 著 村上春樹 訳) - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2020/02/25
    ああ、本棚から取り出してすぐにでも読みたくなる💕抗えない魅力がありますねチャンドラー😍
  • 2020年1月26日「はじめての海外文学 in 大阪」(梅田蔦屋書店)レポート - 快適読書生活  

    さて、1月26日に梅田蔦屋書店で行われた「はじめての海外文学」に参加しました。 翻訳者の方たちが全力でオススメの海外文学を紹介する、この「はじめての海外文学」。東京では去年の10月に開催される予定でしたが、大型台風の襲来によって中止となり、今回大阪でそのリベンジをすべく、熱気ムンムンのなか開催されました。 トップバッターは越前敏弥さん。オススメは『完訳 オズのふしぎな国』。『オズの魔法使い』を読んだ人は多いかと思いますが、その続編まで読んだ人は少ないのではないでしょうか? そもそも、続編があること(もしくは訳されていること)すら知らない人が多いような気もする。 完訳 オズのふしぎな国 《オズの魔法使いシリーズ2》 作者:ライマン・フランク・ボーム 出版社/メーカー: 復刊ドットコム 発売日: 2011/10/15 メディア: 単行 と言いつつ、私も読んでいないのだけれど、この二作目では

    2020年1月26日「はじめての海外文学 in 大阪」(梅田蔦屋書店)レポート - 快適読書生活  
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    cenecio 2020/02/03
    これはまた力作のエントリ😱💮本選びの参考にさせていただきますね🌟
  • 『青鞜』の女たちを描いた青春群像劇 二兎社『私たちは何も知らない』(作:永井愛) - 快適読書生活  

    二兎社の舞台『私たちは何も知らない』(作:永井愛)を見てきました。 nitosha.net この劇は『青鞜』に関わった女たちを描いていて、平塚明(らいてう)が姉の友達であった保持研らと『青鞜』を立ちあげ、その編集部に絵を勉強している尾竹紅吉がやって来る場面からはじまる。らいてうは少年のような紅吉に心魅かれ、紅吉は憧れのらいてうに可愛がられて有頂天になり、ふたりは夢のような日々を送る。 しかし、『青鞜』の型破りな女たちが謳う「新しい女」像に世間は石を投げ(比喩ではない)、『青鞜』は存続の危機に瀕する。苦悩するらいてうは、心優しい若い男との逢瀬に安らぎを求めるようになる。 一方、四面楚歌に陥った『青鞜』の編集部に、強いられた結婚から逃げ出してきた17歳の少女があらわれる。学生時代の恩師のもとに身を寄せていると語るその少女は、伊藤野枝と名乗る。 さらに、岩野泡鳴と危うい結婚生活を送る岩野清や、ア

    『青鞜』の女たちを描いた青春群像劇 二兎社『私たちは何も知らない』(作:永井愛) - 快適読書生活  
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    cenecio 2020/01/25
  • 2019年11月10日 柴田元幸さん講座「J・D・サリンジャーの声を聞く」 ホールデンからハック、そしてシルヴィア・プラスなど - 快適読書生活  

    If you really want to hear about it, the first thing you’ll probably want to know is where I was born, and what my lousy childhood was like, and how my parents were occupied and all before they had me, and all that David Copperfield kind of crap, but I don’t fee like going into it. もし君がほんとに僕の話を聞きたいんだったら、まず知りたがるのはたぶん、僕がどこで生まれたかとか、子供のころのしょうもない話とか、僕が生まれる前に両親は何をやってたかとかなんとか、そういうデイヴィッド・コッパフィールドっぽい寝言だろうと

    2019年11月10日 柴田元幸さん講座「J・D・サリンジャーの声を聞く」 ホールデンからハック、そしてシルヴィア・プラスなど - 快適読書生活  
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    cenecio 2019/11/11
    サリンジャーいいですね。NineStories読みたくなるなりました。生きづらさ、若者文化がなかったから、というのは目を開かれます。
  • 「私自身」であるために戦った女たち 『女たちのテロル』(ブレイディみかこ 著) - 快適読書生活  

    「僕はつまらんものです。僕はただ、死にきれずに生きているようなものです」 朴は岩のようにひんやりした、しかし厚みのある声で言った。 私たちは同類だと文子は思った。 死にきれなかった犬が二匹。我ら、犬ころズ。相手に不足はない。 こうして二人のアナキストの、短い、命をかけた闘争の道行きがはじまったのである。 いまからおよそ百年前の二十世紀初頭に、日、イギリス、アイルランドで命をかけて闘った三人の女たちがいた。 ブレイディみかこ『女たちのテロル』は、日のアナキスト金子文子、イギリスのサフラジェット(女性参政権運動家)エミリー・デイヴィソン、イギリスの圧政下にあったアイルランドの独立を求めて闘った凄腕スナイパー、マーガレット・スキニダーの生涯を辿ったである。 女たちのテロル 作者: ブレイディみかこ 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/05/31 メディア: 単行(ソフトカバ

    「私自身」であるために戦った女たち 『女たちのテロル』(ブレイディみかこ 著) - 快適読書生活  
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    cenecio 2019/10/11
    ブレイディみかこさんの本はどれも気になりますね。『女たちの~』もおもしろそう。図書館から借りて読んでみます。
  • 「いま翻訳者たちが薦める一冊 憎しみの時代を超える言葉の力」フェアより 『夜と霧 新版』(ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子 訳) - 快適読書生活  

    さて、プロフィールでもちらりと書いているとおり、ミステリーにとくに詳しいわけでも何でもないのに、僭越ながら大阪翻訳ミステリー読書会の世話人をしているのですが、9月開催の読書会の課題に『ローズ・アンダーファイア』(エリザベス・ウェイン著 吉澤康子訳)を選びました。 ローズ・アンダーファイア (創元推理文庫) 作者: エリザベス・ウェイン,吉澤康子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/08/30 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 第二次世界大戦まっただなかの1944年、英国補助航空部隊に勤務するアメリカ人女性飛行士のローズは激しい空襲から命からがら逃れ、得体の知れないドイツ人との戦いに恐怖を感じていた。 しかし、連合国軍が解放したパリに入り、フランス国歌を歌いながらエッフェル塔を飛行機で旋回し、未来への希望を感じる。ボーイフレンドのニックとの結婚も近い。 ところが

    「いま翻訳者たちが薦める一冊 憎しみの時代を超える言葉の力」フェアより 『夜と霧 新版』(ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子 訳) - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2019/07/14
    『夜と霧』は私の人生の10冊に入ります。ほかには『わがユダヤ・ドイツ・ポーランド――マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝』などがあります。
  • 来たるべき新世界へ――女と女の物語~百合(かもしれない)ブックガイド - 快適読書生活  

    先日『元年春之祭』を課題にして翻訳ミステリー読書会を開催し、そのレポートがこちらのサイトに掲載されました。 元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ) 作者: 陸秋槎,稲村文吾 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/09/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 『元年春之祭』は、歴史ミステリーであり、いま注目のアジアミステリーでもあり、”読者への挑戦状”が登場する格ミステリーでもあり、ふたりの少女の成長を描いた青春小説でもあり、そして “百合” ミステリーという裏の顔(?)もあります。 百合の面白さは「人間関係」の面白さだと思います。学園のような、閉じられた狭い世界の中だからこそ、互いに対して過剰になってしまう感情のぶつかり合いに惹かれます。 歴史上、“女性の世界”は、“男性の世界”に比べて、常に狭い中に閉じ込められてきましたよね。端的に言えば「家」ですが。

    cenecio
    cenecio 2019/04/07
    見事な品揃えです。
  • 生身の人間たちによる公民権運動の記録 『March』(ジョン・ルイス、アンドリュー・アイディン 作 ネイト・パウエル 画 押野素子 訳) - 快適読書生活  

    先週末、スーパーで買ったお好み焼きと焼きそばのセットをべたところ、焼きそばの油が合わなかったのか(もしくは単にべ過ぎたのか)、あたりになって寝込んでしまいました。 読書会の告知文書きにも、日翻訳大賞の投票にも後れを取ってしまいましたが、とりあえず、BOOKMARK最新号にも紹介されているこちらのをご紹介。 MARCH 1 非暴力の闘い 作者: ジョン・ルイス,アンドリュー・アイディン,ネイト・パウエル,押野素子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/03/28 メディア: 単行 この商品を含むブログ (1件) を見る この『March』は、アメリカの公民権運動の闘士、ジョン・ルイス議員の半生を描いたグラフィックノベルである。 第一巻の冒頭は、アラバマ州セルマのエドモンド・ベタス橋で黒人のデモ隊が警官隊と衝突するところからはじまる。 「やってやれ!」「ニガ―ども」と、

    生身の人間たちによる公民権運動の記録 『March』(ジョン・ルイス、アンドリュー・アイディン 作 ネイト・パウエル 画 押野素子 訳) - 快適読書生活  
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    cenecio 2019/01/26
    短編「さなぎ」もおもしろそうですね。
  • 最近読んだ本(2019年1月)『作者を出せ!』(デイヴィッド・ロッジ 高儀進訳)『「女子」という呪い』(雨宮処凛)『ポップスで精神医学』 - 快適読書生活  

    さて、最近読んだをさくっと数点紹介したいと思います。 (いや、ここ最近、1つのトピックで長々書いてしまいがちなので、そんなに長く書いたら、もともとその話題に興味あるひと以外誰も読まないぞー!というのは承知しているので、今年は短い紹介記事もアップしたいと思います) まずは、デイヴッド・ロッジ『作者を出せ!』。以前紹介した、デイヴッド・ロッジによる『絶倫の人』は、H・G・ウェルズの生涯を描いていたが、このでは『絶倫の人』ではウェルズの年長の友人であったヘンリー・ジェイムズが主人公になっている。 作者を出せ! 作者: デイヴィッド・ロッジ,高儀進 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2004/11/25 メディア: 単行 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (11件) を見る しかし、『タイムマシン』で大成功をおさめ、がいながら次から次へと恋愛沙汰を巻き起こしたウェル

    最近読んだ本(2019年1月)『作者を出せ!』(デイヴィッド・ロッジ 高儀進訳)『「女子」という呪い』(雨宮処凛)『ポップスで精神医学』 - 快適読書生活  
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    cenecio 2019/01/12
    拙ブログで言及させていただきたいくらいの内容(本の紹介)ですが、いかんせん自分が読んでいないもので…(💦)。ロッジは『小説の技巧』しか読んだことがないです。あれはおもしろかった!
  • 女がパンクでなぜ悪い? スリッツ『ヒア・トゥ・ビー・ハード』/ヴィヴ・アルバータイン『Clothes, Clothes, Clothes. Music, Music, Music. Boys, Boys, Boys.』 - 快適読書生活  

    さて、2019年真っ先にしたことは(1月2日ですが)、女だけのパンクバンド、スリッツのドキュメンタリー映画『ヒア・トゥ・ビー・ハード』の鑑賞でした。 theslits-l7.com スリッツは1976年に結成され、81年に解散したバンドで、もちろん私はリアルタイムでは知らないのだけど、岡崎京子がマンガの中やあちこちで「スリッツ大好き」と書いていたので、以前から気になっていた。 そして、たまたま映画の公開前に、スリッツのギタリストであるヴィヴ・アルバータインの自伝『Clothes, Clothes, Clothes. Music, Music, Music. Boys, Boys, Boys.』を読んで、彼女たちの生きざま(って、大袈裟な物言いなので、極力使わないようにしているのですが)に、いっそう魅きつけられた。 Clothes, Clothes, Clothes. Music, Musi

    女がパンクでなぜ悪い? スリッツ『ヒア・トゥ・ビー・ハード』/ヴィヴ・アルバータイン『Clothes, Clothes, Clothes. Music, Music, Music. Boys, Boys, Boys.』 - 快適読書生活  
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    cenecio 2019/01/06
    スリッツって全然知らなかったんですが、お話聞くと、時代を超えた普遍性がありますね。パワーや真っすぐさが眩いな!その後の波瀾万丈の物語も面白そうですね。
  • ディケンズとクリスマス 『Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男』と『クリスマス・キャロル』(池央耿 訳) - 快適読書生活  

    さて、きょうはクリスマス・イヴ。 ここ数年は気でその存在を忘れてしまいがちなクリスマスですが、実は19世紀においても、すでに廃れつつある行事になりかけていたらしい。 という事実を、先日映画『メリークリスマス ロンドンに奇跡を起こした男』を見て知った。想像していたよりずっと、ディケンズの生涯やヴィクトリア朝の世相に肉迫した映画で、かなり見応えがあって楽しめた。 merrychristmas-movie.jp 『オリヴァー・トゥイスト』などで一躍人気作家になったディケンズだが、ここ数年はヒット作に恵まれず、その一方、子どもは次から次へと生まれ、生活が苦しくなりつつあった。 アメリカでの講演旅行は好評だったが、アメリカでは海賊版が横行していて、いくらが売れても自分の懐にはまともに入ってこず、頭が痛い。(ここも史実に忠実) そこで、クリスマスをテーマにしたを作ろうと思い立つが、周囲からはクリ

    ディケンズとクリスマス 『Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男』と『クリスマス・キャロル』(池央耿 訳) - 快適読書生活  
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    cenecio 2018/12/24
    ホリエモン、そうだったんですね。笑えます^^ディケンズは『オリバー・ツイスト』しか読んだことがないです。お話してくださると『クリスマスキャロル』おもしろそう!と思いました。
  • ひとりでも多くのひとに知ってもらいたい『THE LAST GIRL――イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』(ナディア・ムラド 著 吉井智津 訳) - 快適読書生活  

    ナディアは、ISISによって連れ去られ、フェイスブック上に開設された市場で、ときにはたったの20ドル程度で売買された数千人のヤズィディ教徒のひとりだった。ナディアの母親は、80人の高齢女性たちとともに処刑され、目印ひとつない墓穴に埋められた。彼女の兄たちのうち6人は、数百人の男性たちと一緒に、一日のうちに殺された。 ――アマル・クルーニーの序文より さて、今週はノーベル賞ウィーク。前回もちらっと書きましたが、今年のノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさんの『THE LAST GIRL――イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』を読みました。 THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語― 作者: ナディア・ムラド,吉井智津 出版社/メーカー: 東洋館出版社 発売日: 2018/11/30 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る それにしても、自分が何も

    ひとりでも多くのひとに知ってもらいたい『THE LAST GIRL――イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』(ナディア・ムラド 著 吉井智津 訳) - 快適読書生活  
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    cenecio 2018/12/15
  • 消えることのない光を求めて 『ヨーロッパ・コーリング』『いまモリッシーを聴くということ』(ブレイディみかこ) - 快適読書生活  

    さて、前回の『アメリカ死にかけ物語』で、「ヨーロッパも同じか、あるいはもっと深刻」と書いたけれど、そのヨーロッパを詳細に伝えているのが、ブレイディみかこの『ヨーロッパ・コーリング』だ。 ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポート 作者: ブレイディみかこ 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/06/23 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (21件) を見る このには、2014年から2015年のイギリスで起きつつあることが綴られているが、おどろくほどいまの日とシンクロしている。 コラムのタイトルを挙げただけでも、それがうかがえる。「こどもの貧困とスーパープア」、「格差社会であることが国にもたらすコスト」、「アンチ・ホームレス建築の非人道性」、「地べたから見たグローバリズム」…… イギリスでも日と同様に(というか、イギリスの方が先んじ

    消えることのない光を求めて 『ヨーロッパ・コーリング』『いまモリッシーを聴くということ』(ブレイディみかこ) - 快適読書生活  
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    cenecio 2018/12/03
  • 11/25 『アメリカ死にかけ物語』トークライブ リン・ディン&岸政彦@スタンダードブックストア心斎橋 - 快適読書生活  

    アメリカ死にかけ物語』発売記念として行われた、リン・ディンさんと岸政彦さんのトークライブに行ってきました。 前作の『血液と石鹸』を読んだきっかけは、柴田元幸さんが訳しているからという単純なものだったけれど、ベトナムからアメリカに移民したバックグラウンドも影響しているであろう寄る辺のない無国籍な世界、ときに悪夢のように不穏でありながら、シュールでユーモラスな詩のような物語にひきつけられた。 戦争こそ唯一物のゲーム、唯一プレーするに値するゲームと確信して、彼は傭兵たることに身を献げ、1971年のインド=パキスタン戦争に参加して指を一失い、第四次中東戦争で右足を失い、フォークランド紛争で顔の右半分を失い、湾岸戦争で顔の左半分を失い、1995年のシエラネオネ内戦でもう1指を失った。 ◆ 彼女は突然、夫の誕生日も、子供たちの名前も、夫の顔も、夫を裏切ったことがあるかどうかも、そもそも自分が結

    11/25 『アメリカ死にかけ物語』トークライブ リン・ディン&岸政彦@スタンダードブックストア心斎橋 - 快適読書生活  
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    cenecio 2018/11/27
    これおもしろそう!河出の翻訳部フォローしてるので前々から気になっていました。トークライブ楽しみましたね!レポートをありがとうございます✨
  • 10/21 岸本佐知子&津村記久子トークショーと『あなたを選んでくれるもの』(ミランダ・ジュライ 著 岸本佐知子 訳) - 快適読書生活  

    先週の日曜、スタンダードブックストア心斎橋で行われた、翻訳家の岸佐知子さんと作家の津村記久子さんのトークショーに参加してきました。 おもな内容は、ミランダ・ジュライの新作『最初の悪い男』にまつわるもので、まだ読んでいないため(この日に買いました)、トークの詳細については感想を書けないけれど(でも、かなりぶっ飛んだ小説であるらしく、期待が最高潮に高まった)、トークショー自体は津村さんのキャラもあって、めちゃめちゃ笑えるものになった。 津村さんのは以前『ダメをみがく “女子"の呪いを解く方法』を読み、おもしろかったけれどダウナーなひとなのかと思っていたが、まったくそうではなく、テンポよくテンションの高い大阪弁トークにひきこまれた。 ダメをみがく“女子"の呪いを解く方法 “女子"の呪いを解く方法 (集英社文庫) 作者: 津村記久子,深澤真紀 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/0

    10/21 岸本佐知子&津村記久子トークショーと『あなたを選んでくれるもの』(ミランダ・ジュライ 著 岸本佐知子 訳) - 快適読書生活  
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    cenecio 2018/10/28
    すばらしいレポートです。すぐにでも読みたくなりました✨
  • 灼熱の8月6日に読むべき1冊 『猫のゆりかご』(カート・ヴォネガット・ジュニア 著 伊藤典夫 訳)(with 村上RADIO) - 快適読書生活  

    今よりずっと若かったころ、わたしは『世界が終末をむかえた日』と題されることになるの資料を集めはじめた。 それは、事実に基づいたになるはずだった。 それは、日の広島に最初の原子爆弾が投下された日、アメリカの重要人物たちがどんなことをしていたかを記録したになるはずだった。 それは、キリスト教の立場をとったになるはずだった。そのことわたしはキリスト教徒だったのだ。 いまわたしはボコノン教徒である。 いつもいつも思うけれど、ほんとうに人間はたいていのことに慣れてしまう。ここ最近は、予想最高気温が35度以下なら、「あ、今日はちょっと涼しいかな」などと思う始末。36度くらいではまあ平常運転で、38度を超えそうになってようやく、さすがに暑いな……とヘロってくるのは私だけではないでしょう。 さて、そんな酷暑の日々には、世界中を♪毎日 吹雪 吹雪 氷の世界~(古いですかね)にする『のゆりかご』を

    灼熱の8月6日に読むべき1冊 『猫のゆりかご』(カート・ヴォネガット・ジュニア 著 伊藤典夫 訳)(with 村上RADIO) - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2018/08/08
    https://variety.com/2018/tv/news/slaughterhouse-five-series-epix-1202896698/スローターハウス5がTVシリーズ化。見たいね~!
  • 「強きを助け、弱きをくじく」はギャグになっているのか? 『タクシー運転手 約束は海を越えて』 - 快適読書生活  

    前回に続き、すっかりアジアづいている今日この頃。寒い日にはサムゲタンがべたくなり、暑い日には韓国冷麺がべたくなる自分には、やはりヴィクトリア朝ではなくアジアの方が似合うのでしょう…… というわけで、映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観ました。 klockworx-asia.com 舞台は1980年の韓国。ソウルのタクシー運転手マンソクは、男手ひとつで11歳の娘を育てている。娘のために毎日せっせとオンボロタクシーに乗っているが、政情が不安定で景気が悪いため、いっこうに暮らしは楽にならず、家賃も滞納している。民主化を求めてデモをする学生を見て、いい気なもんだとつぶやくマンソク。 そんなある日、マンソクは外国人の客を見つけ、こりゃ金になる!と思って、なかば強引に自分のタクシーに乗せる。運転手だけあって英語は得意だ。といっても、完全なカタコト英語だが。当時は一般人はもちろん、大学生でも

    「強きを助け、弱きをくじく」はギャグになっているのか? 『タクシー運転手 約束は海を越えて』 - 快適読書生活  
    cenecio
    cenecio 2018/05/21