人類が初めてパンを作ったのは7000年くらい前だと言われている。そして初めてパンを私が作ったのは40年くらい前。小学六年生か五年生。学研の教育雑誌「科学」の付録にパンを作るキットが付いていた。「科学」はこの春に終了したが昨年までパン作りのキットは継続していた。あれで初めてパンを作った子供も多いんじゃないか。 私のキットに小麦粉が付いていたか覚えていない。科学少年だった私は顕微鏡も持っていたので発酵する酵母の状態を調べたことは覚えている。確か丸い発泡スチロールの簡易な容器だったと思うが、その中で元気な酵母の力で小麦粉は膨らんでいった。さてと、ここでオーブンなんてものはない。 雑誌「科学」もそこは承知の上。昭和な時代である。蒸せ、と。なるほど。さつまいもをふかす要領で蒸した。パンは、できたと言っていいのだろうか。餡の入っていない饅頭はできた。後に中国の花巻(参照)というものを知るようになるが、