「円の支配者」を読んだのですね。 あの本は、経済書の形式をかりた小説です。日本人は、「外国人」エコノミストが日本について本を書くと、とてもありがたがる傾向がありますが、あの作者は、外国人といっても日本在住でほとんど日本でしか知られていない人です。あの本の内容は、日銀が大蔵省(現財務省)支配から逃れるため日本経済をわざと混乱させたというSF小説という位置づけで、大半の経済学者からは黙殺されています。 バブルの原因は色々なものの複合結果でしょうが、基本はアメリカ経済の弱体化です。日本などが貿易黒字で得た資金は、アメリカに投資という形で還流し世界のマネーは循環していました。しかし、70年代後半から国際競争力を失ったアメリカ経済は投資先として不適格となり、世界的に資金が行き場を失ったのです。巨額のオイルマネーなどが新たな投資先を求めるなか、プラザ合意をきっかけに円の価値が急上昇しました。円の極端な