東京都は、収集車8~9台分の不燃ゴミを圧縮して、大型コンテナ車に積み替え、最終処分場に運びだす中継所を杉並区井草につくりました。これは、「都内各地から搬出される不燃ゴミをそのまま最終処分場に運ぶことにより起こる排ガスや交通渋滞を減らす」という目的によるものです。 操業開始は1996年4月ですが、試運転開始の3月から、中継所周辺に住む人々や動物に健康被害があらわれ、施設周囲の植物にもさまざまな病態があらわれました。原因もわからず、治療法もわからず、他に例をみない被害の複雑さ・過酷さから、いつか『杉並病』といわれるようになりました。「化学物質過敏症」の一種とみる人もいますが、症状はこれを越えた多様なものです。 東京都は当初硫化水素による一過性の被害としましたが、住民らは、施設から排出される化学物質による大気汚染が原因と主張してきました。東京都、杉並区による環境点検調査によれば、この施設および周