東京都の築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)で、主要な建物下が空洞になっていたことが発覚し、「豊洲市場は安全」と強調してきた都の説明が揺らいでいる。外部有識者による専門家会議は敷地全体で盛り土をするよう提言したが、都は建物下で行わず、ホームページ(HP)などでは提言通り実行したとする図面を載せ続けた。豊洲移転を承認した都議会にも「都にだまされた」との憤りが広がる。 「(土壌汚染対策に)都民のお金858億円を投じてきたのに一体何だったのか」。小池百合子都知事は12日午前、都の十数人の局長級幹部らを集めて疑問を投げかけた。「いつ、どこで、誰が、何を決めたのか確認する必要がある。緊張感と責任感を持って当たってほしい」と主要な建物下に盛り土がされなかった経緯の調査を指示した。これまでの都の説明が虚偽だったと言える事態で、幹部らは一様に緊張した表情を浮かべた。