東京電力は5日、福島第1原発で試運転をしていた「多核種除去設備(ALPS)」の汚染水処理を停止したと発表した。試運転中と別系統の処理再開に向け、計画的に止めた。8日に処理を再開する見通し。 この設備はA~Cの3系統あり、C系統のみ試運転をしていた。東電は、今月下旬をめどに処理開始を目指すA系統の準備作業の一環として、吸着剤を交換する。この際、排出される廃液の処理をC系統で行うため、計画的に汚染水の処理を停止した。 ALPSは、汚染水からストロンチウムなど62種類の放射性物質を取り除くことができる。東電や政府は、増え続ける汚染水対策の柱の一つとして本格稼働を目指すが、9月末に試運転を始めたC系統では作業ミスやシステム設定の問題による停止が続いている。4日にも約12時間停止し試運転を再開したばかり。