洞察力は仕事の役に立つ。 私のかつての上司は極めて洞察力に優れた人物で、少しの会話から相手の状況や思考を読み取り、先回りしていた。 「いつかは彼のようになれるだろうか」 そう思ったが「洞察力」の本質をつかむことは難しい。本質がわからなければ身につけることもできないし、訓練をすることもできない。 常に「洞察力とは何か。」は疑問だった。 もうすこし深く考えてみよう。 まず件の洞察力にあふれた上司が優れていたのは、お客さんの話を聴くとすぐに 「以前にも、同じような課題を抱えていたお客さんがいた」 と、理解していたことだ。したがって、先に何が起きるか、お客さんが何を考えているか推測できる。コンサルティングの際にお客さんから 「何故それがわかったんですか」 とよく驚かれていた。これは仕事をする上で、大変なアドバンテージだった。 作家であり、外交官だった佐藤優は、「似ている事物を結びつけて考えること」