サウジアラビアで雇用主の女性を殺害したインドネシア人家政婦に斬首刑が執行された問題が、インドネシア国内で波紋を広げている。背景には雇用主の暴行や賃金不払いがあるとみられ、全国主要都市で24日まで連日、抗議デモが続き、政府は、8月からのサウジへの労働者派遣停止を発表した。家政婦の遺族が、過酷な虐待の実態を証言した。【ブカシ(インドネシア西ジャワ州)で佐藤賢二郎】 「母は寛大で強い人でした」。今月18日に処刑された家政婦ルヤティさん(54)の長女エエンさん(36)は、自宅で重い口を開いた。母のサウジへの出稼ぎは3度目で、08年6月に出発。契約期間は1年半、賃金は国内の家政婦の倍額に相当する月約178万ルピア(約1万7000円)だった。 サウジからは月に1度だけ電話があった。「雇用主の妻が怒りっぽく、まともに賃金をくれないとこぼす以外に弱音は吐かなかった」と話す。過去、別の雇用主の元では仕送りは
草原の中に原発が立つドイツ南部ビブリス。原発と共存してきた住民は「原発も町の風景」と語る=篠田航一撮影 【ビブリス(ドイツ南西部)篠田航一】福島第1原発の事故を受け、ドイツのメルケル政権の連立与党は先日、国内全17基の原発を2022年までに廃止することを決めた。今後は風力や太陽光発電など再生可能エネルギーを拡充し、発電量の2割を占める原子力の消滅分を補う方針だ。だが、事故から3カ月弱での原発閉鎖決定は主要国では突出した反応で、原発を抱える町の住民や電力不足を懸念する産業界からは不安の声も上がっている。 「日本を恨んでいる。フクシマのせいで、ドイツも原発をやめてしまう。だから俺は、原発で働くことができない」。国内17基中、最古のビブリスA原発(稼働開始1974年)を抱えるビブリスの住民、ミュラーさん(47)は涙をこぼしながら語った。ドイツ各地の原発で原子炉の清掃作業員をしていたが、人員整理で
【北京・工藤哲】10年9月に尖閣諸島沖で日本の海上保安庁巡視船に衝突した中国漁船を競売にかけ、レストランにする話を北京のオークション会社が漁船の※其雄(せん・きゆう)船長(42)に持ちかけている。船長の話として24日付香港紙「明報」が報じた。 会社は「佳士凱国際オークション会社」。船長によると、2カ月以上前に「漁船を売ってほしい。(競売を)1000万~1500万元(約1億9000万円)から始める。1億元(約12億6000万円)でも売れる」と持ちかける手紙を受け取った。漁船が売れたら、「中日世代友好船レストラン」に改造する構想を提示してきたという。 また、「釈放を勝ち取った船長」として、落札者が出す広告に年100万元(約1260万円)の報酬で協力するよう求められたが、船長は「政府に迷惑をかけられない」と応じなかった。オークション会社の社長は毎日新聞の取材に「話は進めている最中だが、競売時期は
大津波がきっかけで起こる原発の炉心損傷を、経済産業省所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が07年度から報告書の中で想定し、公表していたことが14日分かった。東京電力福島第1原発の炉心損傷事故について、国や東電は「想定外の大津波が原因」と主張しているが、公的研究機関が進めていた研究成果が公表されているだけに、想定外と主張する釈明の是非が問われる。【河内敏康、日野行介】 津波による影響を評価するよう義務付けた国の新耐震指針が06年9月に策定された。これを受け、同機構は07年度から、福島第1原発のような沸騰水型や、加圧水型といった原発のタイプごとに機器が津波を受けるケースなどを想定した解析を始めた。 07年度の報告書は、非常用ディーゼル発電機や冷却用の海水ポンプが津波で損傷した場合、「電源喪失から炉心損傷に至る可能性がある」と指摘した。解析は年々詳細になり、09年度の報告書(昨年12月公表)
東電は原発の「安全神話」が崩れていく現実を直視できず、初動の対応を誤った。官邸は政治主導にこだわりながら東電や保安院との緊密な連携を図れず、結束して危機に立ち向かえなかった。それは「想定外」という言葉でけっして片づけられるものではない。続きを読む
原発事故の報道に強烈な居心地の悪さを感じている。その理由を突き詰めていくと、メディアが安易に使う「想定を超えた」という言葉のせいだと思い至る。眼前で今起きている事態は本当に想定外だったのか。 《最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないというが、1605年東海・南海巨大津波地震のような断層運動が併発すれば、それを越える大津波もありうる》 《外部電源が止まり、ディーゼル発電機が動かず、バッテリーも機能しないというような事態がおこりかねない》 《炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格納容器や原子炉建屋が破壊される》 《4基すべてが同時に事故をおこすこともありうるし(中略)、爆発事故が使用済み燃料貯蔵プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出放射能がいっそう莫大(ばくだい)になるという推測もある》 すべて岩波書店の雑
【北京・鈴木玲子、成沢健一、上海・米村耕一】中国の政治改革を求める「中国ジャスミン革命」集会の開催が6日も呼びかけられ、当局は北京や上海など各都市で大量の警官を動員して厳戒態勢を敷いた。毎週日曜日の集会呼びかけは、これで3回目。今回は国会にあたる第11期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が北京で開催中で、当局は封じ込めを徹底した。上海では現場周辺にいた日本メディア8社が警察署に連行され、事情聴取を受けるなど海外メディアに対する厳しい取材規制が目立った。 対象は中国本土の38都市に及び、北京や上海など100カ所以上の大学にも民主化の行動を起こすようインターネット上で呼びかけられていた。 北京では繁華街の王府井や西単など少なくとも10カ所が集合地点に指定された。新たに指定された西単では、当局が広場一帯に金属製フェンスを設置して封鎖した。通り一帯に警察車両が配備され、制服警官が外国人に相次いで
◇民主化へ市民社会育成支援を--英王立統合防衛安保研究所、バラク・シーナー氏 日本では戦後、「民主化の奇跡」が起きたが、その土壌として以前から自由主義の啓発が行われていた。しかし、中東には民主化の土台となるべき市民社会がない。米欧諸国がエジプトなどで今焦点を当てるべきは、選挙を急ぐことではなく、民主化への移行に向けて市民社会の育成を支援することだ。 米欧諸国は、中東で野党勢力への支援を縮小し、リベラルな市民の声を育ててこなかった。民主化促進を唱えるのは安上がりだが、市民社会を育てるには人的投資を含めて長い時間と多大な努力が必要だからだ。 市民社会不在の中で選挙を行えば、人々は部族、民族、宗教などの分断線に沿って投票するだろう。イラク戦争後に行われた議会選挙の結果がそうだった。 米欧諸国は、中東の諸問題の根源はイスラエル・パレスチナ紛争にあると言い立ててきたがナンセンスだ。中東の問題は、宗教
紙紮のスマートフォンを手にする小艶さん。ノートパソコンと家は故人への贈り物の必需品となっている=台北市内の紙紮店「skea」で、大谷麻由美撮影 台湾人はあの世の存在を信じている。だから、故人はあの世でも衣食住が必要になる。葬式や墓参りで、紙製のお金や日用品などを焼いて故人に贈るのだ。この贈り物を「紙紮(しさつ)」と呼ぶ。 紙紮は約2000年の歴史を持つ中華文化だ。昔はお金や衣服、お守り札など簡単なものだけだった。最近は本物志向が強まり、本物を写真で撮ったり印刷して、張りぼてを作り始めた。 「更に進化した紙紮を」と、小艶さん(31)は07年から紙紮店「skea」をオープン。建築模型のような精巧な家、本物そっくりの立体的なスマートフォンやノートパソコン、さらに食べ物や化粧品、つけ爪、船、金庫と何でも扱う。どれも、おしゃれでかわいい完全手作りだ。 小艶さんは「古風な紙紮は怖い感じで、格好悪かった
[ロンドン 22日 ロイター] かつて英国人がテークアウトする料理といえば「フィッシュ・アンド・チップス」が定番だったが、今では世界中のさまざまな料理も人気となり、そのせいで注文時に「言い間違い」が多くなっているという。 配達サービスを行う「JustEat.co.uk」が今月受けた顧客8783人からの注文では、言い間違いのトップだったのは日本の「カツカレー」。電話で注文する際、「キャット・スープ・カレー」と言ってしまうケースが多いという。 「言い間違い」のトップ10は以下の通り。 1.キャット・スープ・カレー(カツカレー)・・・Cat Soup Curry (Katsu curry) 2.カンフーチキン(カンパオチキン)・・・Kung Fu Chicken (Gung Po Chicken) 3.1トンスープ(ワンタンスープ)・・・One tonne soup (Won Ton Soup)
エジプト:現内閣で暫定政権…軍が声明、正常化急ぐ (1時03分) 前原外相:エリツィン氏の墓参り (0時58分) パレスチナ:9月までに議長選、評議会選…自治政府 (0時35分) ムバラク前大統領:5兆8400億円の資産を凍結…スイス (23時44分) 中国:鉄道相を収賄疑いで近く解任 (23時28分) パキスタン:ムシャラフ氏に逮捕状…元首相暗殺めぐり (23時08分) ムバラク政権崩壊:在日エジプト人も歓喜の声 (21時39分) エジプト:メディアが姿勢一転…政権崩壊を歓迎 (21時35分) ムバラク政権崩壊:中国、波及警戒…ネットの政府批判削除 (21時33分) ムバラク政権崩壊:北朝鮮は伝えず (21時31分) アルジェリア:首都で2000人デモ イエメンでも (21時29分) ムバラク政権崩壊:日本は不安定化を警戒 (20時28分) ムバラク政権崩壊:米も
【バンコク西尾英之】タイとカンボジアが領有を争う国境のヒンズー教寺院「プレアビヒア」周辺で6日夕、両国軍が交戦した。死傷者の有無は不明。寺院周辺での両国軍の交戦は4日から3日連続で、両国が5日に合意した停戦は1日で破られた。両国軍は互いに「相手側が先に攻撃を仕掛けたため反撃した」と主張している。 同寺周辺では、寺院が世界遺産に指定された08年から緊張が高まり、断続的に小規模な戦闘が続いてきた。4日からの戦闘ではタイの農民1人を含む少なくとも4人が死亡し、タイの学校が砲撃で破壊されるなど地元住民を巻き込んで過去最悪規模に発展している。
フランス高級ワインの価格が沸騰している。最大の要因は、あり余るチャイナマネーだ。ある評論家が「世界は気が狂ったのか」と嘆いた狂乱ぶりを体感すべく、ロンドンの競売会社「サザビーズ」のワインオークションをのぞいた。どのワインも落札価格が上がること、上がること。 同社の香港オークションでは昨秋、1本のワインに史上最高値の23万米ドル(約1900万円)の値がついた。銘柄は、中国人富裕層が別格扱いする名産地ボルドーの「シャトー・ラフィット1869年」。予想高値のなんと約30倍で、グラスにすれば1杯約400万円にもなる。サザビーズで30年間ワインを手掛けるステファン・モウルド部長は、3者の争いとなった落札の模様をロンドンからテレビ画面で見ながら、「何が起きているのかよく理解できなかった」という。それほどの衝撃度だった。 モウルドさんに「笑いが止まらないのでは」と聞くと、「ケタ外れの現象です」と笑った。
村上春樹氏の小説「1Q84」▽黒柳徹子氏の小説「窓ぎわのトットちゃん」▽山本千尋氏のダイエット本「巻くだけダイエット」▽佐々木洋子氏の絵本シリーズ「くまくんのあかちゃんえほん」▽稲盛和夫氏が人生論をつづった「生き方」……。実はこれ、中国ネット通販最大手「当当網」で、昨年の全書籍売り上げトップ100位までに入った日本の翻訳書籍の数々。 昨年秋の中国漁船衝突事件に端を発し、中国各地で反日デモが起こるなど日中関係は悪化した。中国紙「環球時報」のウェブサイト「環球網」が行った世論調査では、96%が「対日印象が悪くなった」と答えた。 しかし、実際は「日本嫌い」ばかりではない。中国人の価値観は多様化し、「日本を知りたい」というニーズは若者を中心に高い。東野圭吾氏の推理小説は翻訳されるたびにヒットを飛ばし、大手書店には日本文学コーナーがあるほど実は日本ブームなのだ。上海では昨年夏に日本の人気ショップばか
世界最大級のトカゲ、コモドオオトカゲが唯一生息するインドネシア東部のコモド国立公園で、人間や家畜がオオトカゲに襲われる事件が続発している。政府が「人間との共存」をうたう生息地で何が起きているのか。現地に入った。【リンチャ村、コモド村(インドネシア・東ヌサトゥンガラ州)で佐藤賢二郎】 「コモド(オオトカゲのインドネシア語名)が歩いた跡です」。人口約900人のリンチャ村。ムフタル村長(45)は小学校横の砂の上に残る曲線を指さし、「いつ子供が襲われるか心配だ」と語った。約30メートル先の斜面にはオオトカゲの巣穴があった。リンチャ島と近くの小島ではこの2年間で計4人が襲われ、1人が死亡している。 村の古老、サマイラさん(76)によると、オオトカゲが村に出没し、人間や家畜を襲うようになった契機は90年。「オオトカゲの主食である野生のシカやイノシシなどが減少するから」と、政府が住民の狩猟を全面禁止した
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