『ゴリラーマン』の時代 ヤンマガで『ゴリラーマン40』の連載が始まっている。それで久しぶりに『ゴリラーマン』を読み直してみたら、やはり面白かった……と思いつつ、あの時代の感覚を共有していないと、今の読者には伝わりづらいかもな、と思うところもあったので、『ゴリラーマン』を成立させていた時代背景みたいなものを書いてみたい。 『ゴリラーマン』は、とにかく絶妙なさじ加減のマンガだった。 ヤンキーマンガであるけど、ケンカがメインというよりは「かったるい学校生活を過ごす高校生」という感じのマンガで、青春マンガの要素もあるんだけど、「燃えさかる青春」ということでもなく、どことなくドライなところがあった。なおかつ、妙にオタクっぽいところもある。間口が狭いんだか広いんだか、よくわからないけど面白いという、他にないタイプのマンガだった。 (以下、カッコ書きしてあるのが作品としての『ゴリラーマン』、カッコ書きが
20年ほど前に性についての倫理を主題にした論集に「セックスワーク」についての寄稿を求められた。まったく不得手な論件だったけれども、苦心して書いた。なんという本だったか忘れてしまった。たしか岩波書店から出た論集だと思うけれども、もう手元にない。 考えていることは昔と変わらない。今はもうこんなにきつい書き方はしないと思うけれど。 はじめに 最初に正直に申し上げるが、私自身は、セックスワークについて専門的に考究したこともないし、ぜひとも具申したいような個人的意見があるわけでもない。ときどき、それに関する文章を読むが、数頁(場合によっては数行)読んだだけで気持ちが沈んできて、本を閉じてしまう。困ったものではあるが、私を蝕むこの疲労感は、必ずしも個人的なものとは思われない。 私の見るところ、この問題については、どなたの言っていることにも「一理」ある。ただし、「一理しかない」。異論と折り合い、より広範
『林檎でダイエット』 子供のころから漫画漬けで今に至る私ですが、姉と妹がいたことが少女漫画に抵抗なく育った大きな要因だったと思います。 大きな目の中に星空が描かれ、舞台は主に外国で女の子の夢にあふれた作品が多い時代から触れてきました。 昭和30年代から40年代前半の雑誌には、赤塚不二夫さんや横山光輝さんなどの男性作家も多く描かれてます。 やがて24年組と呼ばれる漫画家さんたちが次々と名作を発表し、少女漫画という世界が確立されていきます。 ずっと少年漫画を読む傍らでその発展を見てきましたよ。 とはいえ主に妹が貸本屋さんから借りてくるのを読むだけで、大きく入れ込んだわけではありません。 竹宮恵子さんの『風と木の詩』は新連載から雑誌で読んでましたが、寄宿舎での少年愛の世界を理解するのは難しかったですね。 『ガラスの仮面』も新連載から読んでました。こちらは中学生男子にも入りやすい世界でなかなかに熱
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 少女漫画。それは多くの女性が出会い、ふれあい、どっぷりと浸かり、あるいは反発し、断絶を感じてきた、不思議な文化です。自分の物語を見つけられた人も居場所がなかった人もいますが、人生のどこかで一度はすれ違うものではないかと思います。 今回ねとらぼGirlSideでは、連載企画『少女漫画を語ろう』を立ち上げました。少女漫画について語る言葉が、この世にはまだ少なすぎるように思われたからです。さまざまな人たちに、自分の人生と交差した少女漫画、そして少女漫画と交差した自分の人生について、漫画と文章で語っていただきます。 初回は1995年生まれの漫画家・SONOさんの少女漫画語りをお送りします。 書いた人:SONO 1995年生まれ。漫画家。 キリスト教、歴史を題材にした漫画を執筆している。著作に『教派擬人化漫画 ピューリたん』(キリスト新聞社)
This webpage was generated by the domain owner using Sedo Domain Parking. Disclaimer: Sedo maintains no relationship with third party advertisers. Reference to any specific service or trade mark is not controlled by Sedo nor does it constitute or imply its association, endorsement or recommendation.
10歳だった。 その時ぼくは、まだ「ソビエト連邦」だったモスクワにいた。 そこで見たのは、「国」というものが劇的に変化する瞬間だった―― 外務省が公開した6000ページにのぼる外交文書。外交官たちの生々しい報告が、私をあの時代に連れ戻した。そして私は、何が起きていたのかを初めて実感した。 (政治部・渡辺信) その書き出しは、文学的だった。 『BUKSOVAT(空転する)。2年1か月のモスクワ在勤を終え帰国する日、空港の暗い待合室で搭乗を待ちながら、ふと、この単語が頭に浮かんだ。ゴルバチョフの始めたペレストロイカを、ひと言で総括するとすれば、まさに「空回りしている」というのが適当ではなかろうか』 1987年11月の「ソ連在勤を終えて」という報告書の冒頭だ。書いたのは、モスクワの日本大使館の政務班長だった角崎利夫氏。これまで私が読んできた硬い外交文書とは異なる表現で、1985年に書記長に就任し
IT業界に飛び込むのなら基礎が大事という記憶 IT業界にいるのにITのことを知ろうとしない人って結構いるんです。基本的なことは3年ぐらい勉強すればわかってしまうと思うのですが、その3年をいつまで経っても避け続け四十代になる人はかなりの人数いるのではないかな・・と思うことがあります。 私は四十代になって、机に本を開いて勉強する、ということはないのですが、二十代のころ、特に大学を卒業して5年位はすごく本を読んでいた記憶があります。 AIなど数学を駆使する分野はともかく、IT業界に従事する一般的な知識であればそんなイメージで対応すればいいと思います。二十代にたくさん勉強して、あとは現場で応用を習得していくのが良いと思います。 基礎をきちんとおぼえたから現場でロジカルに考えられる人。何となく現場で方法を身に着けるも基礎がないのでなぜそうなっているのかを知識として蓄えられない人。その差を抱えたまま1
「若年性認知症」とは、65歳未満で発症する認知症を言います。若年性と高齢者での認知症の病理的な違いはなく、もちろんアルツハイマー型だけではありません。ここでは若年性認知症の主な症状や初期症状、またその原因について詳しく紹介します。 若年性認知症とは 高齢でなくとも認知症になる? 患者数や男女比は? 原因は高齢者と違う? 若年性認知症の原因となる病気とは? 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症 若年性認知症の症状 中核症状 行動・心理症状(BPSD) 若年性認知症は早期発見・早期治療が重要 診断までに時間がかかる場合も 早期発見と早期治療の重要性 若年性認知症になったらまずすべきことは? 家族の介護力チェック 地域包括センターの利用 免許の返納 若年性認知症の方への対応 告知時には家族がサポートを 無理強いはしない 本人の話を否定しない ケアや介護の工夫 生活習慣を見直して再発防止 適度な
明石順平著「人間使い捨て国家」は刺激的なタイトルだが、内容はそれ以上に刺激的である。そして、ブラック企業を容認する国家を糾弾する内容を想像していると(僕はそういう内容と想像していた)、いい意味で裏切られる。なぜなら現在の日本社会全般の問題に切り込んでいるからだ。ブラック企業問題に関心がない人に読んでもらいたい。そういう意味で、今、読んでおくべき本なのだ。 人間使い捨て国家 (角川新書) 作者:明石 順平 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/12/07 メディア: 新書 ざっくりとした内容は、2000年から現在まで約20年間の労働環境にメスを入れながら、今の日本社会の問題点をあぶり出すと共にこれからの日本がどうあるべきかの提言である。ブラック企業と対峙している著者なら、ルポ風にブラックな現場に近いルポも書けたはずだ。そのほうが劇的で告発の色合いは濃くなる。だが本書はあえ
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 「冷蔵庫に洗濯機入れておいて」とぶっ飛んだ言い間違いをしたり、娘に貴族の親子ごっこを仕掛けたり……漫画家の並庭マチコ(@manga_m)さんが個性的なお母さんを描いた実録漫画『プリンセスお母さん』が11月29日に発売されます(税込1155円)。 姫と呼び、姫と呼ばれるステキな職場 並庭さんがTwitterに投稿し、人気を博しているお母さんの実録漫画が書籍化されました。ステキなホテルに行くと「私の城へようこそ」、出掛けようとする娘に「民の様子をご覧になるの?」と貴族ごっこを仕掛け、パート先の人には「姫」と呼ばれているお母さん(関連記事)。 ポール・マッカートニーと結婚するために英語ぺらぺらになり、ライブではポールと「ソウルトークができる(関連記事)というお母さんの強烈なキャラはTwitterで「好き」「こんなお母さんが欲しい」と人気に
せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。http://seidansha.com ニュース3面鏡 インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。 バックナンバー一覧 SNSを駆使して過激発言を連発するトランプ大統領がなぜ大衆を引きつけるのか。ヒトラーについて現代人は学ぶ必要がある Photo:AFP/JIJI 前東京都知事の舛添要一氏が『ヒトラーの正体』 (小学館新書)を出版した。自身の経験も織り交ぜながら、明快な文章で独裁者ヒトラーの実像に迫る入門書だ。長年にわたりヒトラーを研究し続けてきた舛添要一氏に、なぜヒトラーについて知ら
星野は母親の日本人との再婚がきっかけで4歳のときに来日。それ以来、人生の大半を日本で過ごしてきた。 自身の体験をもとに、日本人が無意識のうちに黒人に対して抱いている偏見や先入観をあぶり出していく彼の漫画は、SNSで公開されて間もなく大反響を巻き起こし、異例の速さで出版へとこぎつけた。異色の漫画が誕生した経緯と、日本人の「不思議」について、星野に聞いてみた。 なかなかチャンスがないなかで ――この作品を描こうと思ったきっかけは? 最初は単純に「みんなが知らない世界があるんだよ」っていうのを伝えたかっただけなんです。「黒人ってこうだと思ってるでしょ? 実はこうなんだよ」みたいなのを描きたかった。自分自身も本を読んだりして新しい情報を入れるのが好きなので、それが面白いんじゃないかなと思ったんですよね。 もともとはテレビでそういうことをやりたかったんです。外国人のタレントが出る番組って結構あるじゃ
誰かに何かを伝えるときに「絵が描けたらいいなぁ」と思うことがあります。特にものごとを説明するとき! すっきりとした図が添えられたら、分かりやすさ倍増では……と思っていた私の目の前に、こちらの同人誌が飛び込んできました。『テクニカルイラストを描く』。表紙には、ノートPCの絵が。これです、これこれ。これって描けるようになるものなんですか? 今回紹介する同人誌 『テクニカルイラストを描く』A5 32ページ 表紙カラー・本文モノクロ 作者:ぬっきぃ 一目でノートPCと分かるイラスト。こういうのを求めていたんです 取り扱い説明書の図は「テクニカルイラスト」というジャンルなのですか! そもそも、こういう「取り扱い説明書に載っているような絵」に専用の名称があることを、考えたこともなかったんです。こういうジャンルがあって、それは「テクニカルイラスト」と呼ぶんですね。ああ、もうこれだけでかなりすっきりした気
2017年9月、糖尿病患者さんのための新しい血糖測定器 ”Freestyle Libre”、通称「リブレ」が日本でも保険適応となった。 「リブレ」は従来の常識をくつがえし、血液を採ることなく手軽に血糖測定ができる夢のようなデバイスだ。頻回の測定が気軽にできるだけでなく、測っていない時間の血糖もメモリに記録し、あとからグラフで振り返ることができる。患者さんにとって点の情報でしかなかった血糖値は、線の情報として「見える化」された。 この「見える化」、単に便利なだけでなく、それ自体に治療的な効果があることもわかってきた。値がよく見えることは、よく管理することにつながるということだ。 とはいえ、見えすぎることもまた問題をはらんでいる。自分の意思などおかまいなしに暴れる血糖値を目の当たりにし、恐怖を覚える患者さんは少なくない。それは他ならぬ自分の身体すら、制御できない恐怖である。 そう、この血糖値と
人はひとりでは生きていけない――。昭和の流行歌やアニメ映画の挿入歌は、時代を先取りしていたのかもしれない。孤独を重大な健康リスクととらえ、その対策を社会的課題とする考え方が欧米などで広まりつつある。日本では孤独をポジティブにとらえる向きもあり、特に中高年男性の孤立化が指摘されている。その原因や問題点について、コミュニケーション戦略が専門で欧米の事情に詳しい岡本純子氏が解説する。 この記事を読む方の多くが、健康で長生きするためにいろいろと気を使っているのではないだろうか。食べ過ぎないようにする、運動をする、お酒を控える……。しかし実は、たばこより、肥満より、飲酒より、大気汚染より、食品添加物より、健康を蝕(むしば)んで寿命を縮めるものがある。それは「孤独」だ。 「えっ!」と驚く人が多いかもしれない。昨今の日本は「孤独のすすめ」「孤独のグルメ」「ソロ活」「ぼっち」など、孤独をポジティブにとらえ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く