タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (40)

  • 好きなマンガを好きなだけ語り合うオフ会レポート(37作品を紹介)

    はじめに 好きなを持ち寄って、まったり熱く語り合う読書会、それがスゴオフ。 に限らず、映画音楽ゲームや動画、なんでもあり。なぜ好きか、どう好きか、その作品が自分をどんな風に変えたのか、気のすむまで語り尽くす。 この読書会の素晴らしいところは、「それが好きならコレなんてどう?」と自分の推しから皆のお薦めが、芋づる式に出てくるところ。まさに、わたしが知らないスゴを皆でお薦めしあう会なのだ。 今回のテーマは「マンガ」、何回読んでも爆笑してしまう作品や、ヘコんだときに癒してくれる短編集、価値観の原点となったマスターピースなど、様々な作品が集まった。いわゆるコミックに限らず、アニメーションや物語詩など、王道から知る人ぞ知るやつ、直球変化球取り揃えて、キリがないほど集まった。 ▼気になるマンガに手が伸びる ▼懐かしいものから未知の作品まで ▼マンガが縁で「読み友」が増える まず私ことD

    好きなマンガを好きなだけ語り合うオフ会レポート(37作品を紹介)
    chiqashi
    chiqashi 2024/05/17
  • 『ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本』が電子書籍で読めます

    知的冒険の書として『ゲーデル、エッシャー、バッハ』というがある。タイトルが長いので、頭文字をとってGEBとしよう。 GEBは、ダグラス・ホフスタッターという天才が、知を徹底的に遊んだスゴだ。不完全性定理のゲーデル、騙し絵のエッシャー、音楽の父バッハの世界を、「自己言及」のメタファーで縫い合わせ、数学、アート、音楽、禅、人工知能、認知科学、言語学、分子生物学を横断しつつ、科学と哲学と芸術のエンターテイメントに昇華させている。 知的興奮に満ち溢れた一冊であり、わたしも大いにお薦めしているのだが、一言で言うと、こいつは鈍器である。700頁を超える大著であり、だいたい1kgで、サイズ的には大きめのレンガといったところか。GEBで殴り続けると人は死ぬ。 この厚いGEBを緩く読もうという読書会があり(ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ、略してゆるげぶ)、ゆるーくやっている。ゆるーくやっている割に

    『ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本』が電子書籍で読めます
    chiqashi
    chiqashi 2017/11/09
    買った。
  • 『時間SFの文法』決定論/時間線の分岐/因果ループ

    面白くて危険な書。 「時間SF」とは、特殊な時間世界を設定した上で、時間旅行のような特殊な経験を描いた作品を指す。タイムトラベルとかループものといえばピンとくるだろう。 著者は、古今東西の小説映画、アニメにおける時間SFを読み解きながら、基的なアイディアや物語パターンを整理する。その上で、現代の時代感覚と照応するアイロニーやニヒリズムをあぶりだす。様々な定義や区分けを行っているが、代表的なものを書き出してみた。 タイム・トラヴェル型(意図した時間に計画的にジャンプ)タイム・スリップ型(否応なしに強いられた時間移動)シャッフル型(ジャンプ先がランダム)歴史改変型歴史不変型並行世界型生き直しパターン再生パターン反復世界型逆行もの(時を遡上する)異時間通信もの(メッセージが時を超える)偶然世界型(些事の積み上げの中に分水嶺が潜む)改良偽装型自己増殖型時の果てを望む(時間の外へ) ハインライン

    『時間SFの文法』決定論/時間線の分岐/因果ループ
    chiqashi
    chiqashi 2016/02/09
  • 身体のリバースエンジニアリング『人体 600万年史』

    完成品を分解したり観察することによって、動作原理や設計・仕様を調査することをリバースエンジニアリングという。これを「人体」に適用したのが書になる。 しかし人体は「完成品」ではないし、設計図からデザインされたものですらない。その時々の環境に応じて「生きる」「殖える」ことを目的とし、変化を重ねてきた。人の身体には、パリンプセストの羊皮紙のように何度も消しては書かれてきた跡が見えるという。「私たちの身体には物語がある」と断言する著者は、そうした人体と環境の変化を、ときには精緻に、ときにはドラマティックに明らかにしてくれる。 非常に面白いのは、「人の身体はなぜこのようになっているのか」というアプローチから迫ってゆくうち、「人は何のために生きるのか?」への回答がなされていること。人類の祖先との身体構造の違い―――長い脚、高い鼻、大きな頭といったパーツから始まって、なぜべ物を喉に詰まらせるのか(気

    身体のリバースエンジニアリング『人体 600万年史』
    chiqashi
    chiqashi 2016/01/19
  • 『見えない巨人 微生物』はスゴ本

    読めば世界を見る目が変わる、一冊で一変するスゴ。 タイトルの「見えない巨人」は絶妙のセンス。肉眼では見えない微生物を、「巨人」と形容するのは変だな? と手に取ったのが運の尽き。「発酵」「病気」「環境」の三つの分野から一気に読ませる面白さと、自分の目を疑う知見にワクワクさせられる。読了したら、きっとタイトルを二度見する。そして大きく納得する。微生物は、生物のなかで最古・最多・最多種で、最速で進化しつづけ、地球生命圏を支え・利用するだけでなく、地球という惑星そのものと共生する、「超個体」の生物だということが、分かる。 ミクロからマクロまで、自由に視点を動かしながら、地球草創期から未来まで、歴史を自在に駆け巡り、マリアナ海溝から宇宙空間を縦横無尽に行き来する。酒やパンといった身近なものから、宇宙からコレラを監視する技術、耐性菌のメカニズムを借用した最先端の遺伝子工学など、興味深い斬り口がたくさ

    『見えない巨人 微生物』はスゴ本
    chiqashi
    chiqashi 2015/12/21
  • 読んで悶えろ『東雲侑子は短編小説をあいしている』

    ラノベを読むのは、存在しなかった青春を味わうため。 「いいおもい」なんて、なかった。劣等感と自己嫌悪に苛まれ、屈した日々が終わることを、ひたすら望んでいた。苦くて痛々しいわたしの恋を、甘くてしょっぱい味付けで上書き保存するために、恋物語を読むのだ(妄想だって経験だ)。 そういう意味で、東雲侑子の三部作は素晴らしい。 無気力で無関心な主人公は、まんま「わたし」だし、いつも独りでを読んでる彼女は、あのとき好きだった“誰か”になる。照れ屋で臆病な二人の、不器用で未熟な恋に、好きなだけ投影できる。ラノベの体裁をしてラノベらしからぬリアルな設定と、文芸の王道を往く技巧的な構成に、完全に撃たれる。のめり込んで舌を巻いてキュンとなる。 彼女がある秘密(それも、現実にありそうな秘密)を抱えてて、偶然に知ってしまった主人公とのバーターから成る仮面恋愛にハラハラさせられる。どっこいわたしは(もちろん皆さん

    読んで悶えろ『東雲侑子は短編小説をあいしている』
  • 性教育は、この一択。『ぼくどこからきたの』

    これは家で教えなきゃ、と実践しているのがと性。家庭科や保健体育では遅いし足りぬ。学校任せにしないおかげで家族の昼ぐらいは作れるようになった(ただし麺類に限る)。 では性は?探し回ったあげく、この一冊にした。 男と女の違いから始まって、セックスとは?赤ちゃんができるとは?に真正面から答えている。親子で読めて、きちんと話し合える。生々しすぎる描写ではなく、かといって抽象的すぎでもない(「プリキュアで性教育」といっても、おしべとめしべは、ほとんとメタファー)。『南仏プロヴァンスの12か月』のピーター・メイルの文を、谷川俊太郎が訳している。率直で、ごまかしのない言葉で伝えている。 一通り読み聞かせた後、性感染症の話を補足する。お風呂のとき、そこを綺麗に洗いなさいというのは、これが理由だったのか、と納得してもらう。あとは質問コーナー。山ほど出てくる問いかけに、適切な言葉を選び、分かりやすく伝え

    性教育は、この一択。『ぼくどこからきたの』
    chiqashi
    chiqashi 2013/04/04
  • 大学入試問題で語る 数論の世界

    素数、完全数、ゼータ関数…数論の入門書は多々あれど、料理の仕方が素晴らしい。大学入試問題を俎上にのせ、次々と問題を解くことで、数論の深さと美しさを堪能するのだから。 高校生なら受験勉強を兼ねた好著になるが、むしろ書は受験を終えた人にオススメ。受験勉強として通り過ぎるには勿体ないから。かくいうわたしこそ、学び直すべき。「数学は暗記科目」と割り切ってチャート式をひたすら"覚えて"しのいでしまったからなぁ。 そして書は、「問題を解いて終わり」ではない。解いた後、問題が語りかけている世界の質を知らせるよう、問題を「改変する」のだ(ここが面白い&恐ろしい)。面白いというのは、ほんの一部を変えるだけで難問になりかわり、全く異なるアプローチを要するところ。さらにちょっとヒネるだけで、大学入試問題が、今なお解決されていない問題に大化けする。数論の先端を知るとともに深淵を覗き見たような気分になる。 た

    大学入試問題で語る 数論の世界
  • 「あずけて!時間銀行」はスゴ本

    キャラ、テーマ、プロットの全てが素晴らしい、ストライクのラノベ。萌えながら泣きながら読む。出し惜しみせず全2巻で完結しており、終わるのを惜しみながら読む。 もちろんミヒャエル・エンデの歌取りだが、さらに拡張して、「キャッシング」「口座振替」「利子」なんて概念がある。主人公は時間を「キャッシング」して、残りわずかな人生を引き伸ばすために、時間銀行員の助手のバイトをしている。バイト料は時間で支払われるから、文字どおり「時間稼ぎ」のバイトだ。 キャラからいこう。没個性な「灰色の男」とは対照的に、女のコがいい。無表情で敬語なので「長門さん?」と予断したら違ってた。時間銀行員という業務にマジメなのだ。だからスカートまくられたら怒るし恥ずかしがるし反応がいちいち初々しい。秘めた思いが暴されて顔真っ赤になるトコなんて、読んでるこっちがアツくなる。 他にもロリからグラマー、熱血レズから凶女までそろえてい

    「あずけて!時間銀行」はスゴ本
  • 夫必読「しんきらり」

    の気持ちを思いやる助けとなる。未婚の男性なら、「部屋とワイシャツと私」が十年たつとどうなるか? を想像するのに役立つ。読者は女が多いらしいが、むしろ男が読むべき。 結婚して十数年、わたしと嫁さんの距離はどんどん変わってきた。カイシャやネットのそれぞれの「場」で人格を使い分けるように、二人の関係は切り替わるように変わっている。子育てなら戦友、目が離せない年齢の現場は戦場そのもの。生活面ならパートナー、分担した家事を見直すときは、ルームシェアしているようにドライだ。趣味なら親友、読んだのオススメ合いや、深夜アニメで夜を徹したり。 キレイごとばかりではない。「これ以上言ってもムダ」と飲み込んだ、まさにその言葉をぶつけてくる。相手の感情をかき乱すゲームなら、世界一優秀なプレイヤーを前にして、怒らないよう自制するのは難しい。あきらめと口惜しさを感じながら、全く同じ感情を相手も味わっていることに気

    夫必読「しんきらり」
  • 安くて野蛮でやたら旨い「檀流クッキング」

    「安くて旨い料理教えろ」というトピックに最適な一冊。 レシピは親切だけど、信頼するのはクチコミになる。掲示板やコミュニティでかじったレシピを頼りに、すばらしくうまい一皿を作ったことが何度もある(ピェンロー鍋とかアンチョビソースのパスタとか)。嬉しいのは、ただ簡便なだけでなく、「ここだけ肝心」「これはこだわる」といった、ポイントを突いているところ。 書はそんなキモが並んでいる。しかも、完全分量度外視の原則を貫き、アミノ酸至上主義をせせら笑うレパートリーが並んでいる。「塩小さじ1/2」みたいな科学調味料的態度を突き抜けて、塩の量がいかほどと訊かれたって、答えようがない、君の好きなように投げ込みたまえ、と言い切る。 それでも、「ゴマ油だけは、上質のものを使いたい」とか、「暑いときは、暑い国の料理がよろしい」のように、妙な(だがスジの通った)こだわりが出てくる。おそらく、ない材料はなくて済ませ

    安くて野蛮でやたら旨い「檀流クッキング」
  • 「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本

    あと数年で思春期にさしかかる。「なってから」読むのでは遅い。だから、「なる前に」やれる準備はしておこう。そのための心強い一冊となった。一読、「思春期の親業」に自信がつく、スゴというよりも、心構えをつくる。 もちろんマニュアル世代ですが何か? こういう手引きというかマニュアルを良しとしない人がいる。だが、むしろ先達の経験+専門家の知識を短期間で吸収できる。あたって砕けろ的な現場主義はいただけない。で練習して、実地に適用する。教ばかりも情けないが(ビジネス書フェチの畳上水練)、選んで読んで、実践とフィードバックをしていこう。 思春期のポイントは2つ、「自尊心」「コミュニケーション力」を育てること。「自尊心」とは、そのままの自分の存在を肯定する気持ちのこと。「コミュニケーション力」は気持ちを分かりやすく伝えることで、他者とのつながりを深めたり、求めるものを得る能力のこと。両者は密接な

    「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本
  • 本を愛する人へのごほうび「おかしな本棚」

    の「触った感じ」や、「手に取った重み」との相性は大切だ。 さて買うとなれば、その色合いや風合いに合った「最も映える場所」を考えたりする―――そんな人には、Queerな"おかしさ"が詰まっている。一方、「=データ塊」だからpdfでいいんですとか、裁断をためらわないばかりが蔵書です、なんて人には難しい。insaneな所業に見えるだろうから。 たとえば、フランツ・カフカの「変身」といえば、新潮文庫のあの色あの薄さを思い出さないか? 「おかしな棚」の著者も、あの完璧なデザインにやられて、古屋で見かけるたびに必ず(必ず!)買っていくという。だから、「おかしな棚」には、文庫の「変身」ばかりの棚がある。様々な年代、刷、活字の印字の、旧かな新かなの、「変身」が並んでいる。癖のように集めてしまうのだ。これが「分かる」人なら、「おかしな棚」は宝物のような一冊になる。 あるいは、著者のこんな独白が

    本を愛する人へのごほうび「おかしな本棚」
  • スポ魂ミステリ「サクリファイス」

    ロードレースが舞台のミステリ、駆け抜けるようにイッキ読み。 スゴオフ@ミステリでオススメされたもの。カネヅカさん曰く「泣けるスポ魂です!」に納得。恋愛あり惨劇あり、盛りだくさんの内容なのに、ムダが一切ない。伏線もアイテムもトラップも、きちんと計算して引かれ措かれ配置されており、まるでレーサーの筋肉のように引き締まっている。レースの駆け引きと、悲劇の謎解きは、どちらも心理戦。見事にオーバーラップしており、構成も見事。 そして、タイトルの「サクリファイス(犠牲)」、読み終わったら、もう一度、表紙を眺めたくなる。そして、「サクリファイス」に込められた二重三重の意味を再確認して、思わず胸が熱くなる、肌が粟だつ。 気に入らないのは語り手。一人称形式の唯一の「主人公」なのに、どこか他人事、脇役のような口調に違和感を抱く。チームの皆と当たり障りなく泳ぎ、真顔で「お世辞」を言い切れる。彼女を失ってもヘラ

    スポ魂ミステリ「サクリファイス」
  • 少女と記憶とアイデンティティ・クライシス「少年は荒野をめざす」

    あらゆる少女マニアにオススメ。 いわゆる澁澤的「少女マニア」を脱し、今度は父としての立場から娘を育てている。ピンで止めてガラスケースに陳列するのではなく、生きて動いて大きくなる存在だ。もう幼児ではない娘を見ていると、記憶の彼方の少女を探すのか、それとも未だ見ぬ「少女」をシミュレートすべきか、分からなくなる。 そういうわたしにとって、「少女とはどんな存在か」を見える物語で示してくれる吉野朔実はありがたい。これが野郎になると、耽美とか処女性とか象徴的な語りに陥ってしまう。少女とは「女の子ども」や「処女の娘」で囲い込める存在ではない。 もっと端的に言うなら、「少女」とは欠けた存在だ。その欠片は、世間体(親も含む)を繕うための外聞だったり、自身を安定し充足させるための何か―――才能の発露や生活基盤、"わたし"という確固たる存在そのもの―――が相当する。だから「少女」は生き難い。自分とは何か?をつか

    少女と記憶とアイデンティティ・クライシス「少年は荒野をめざす」
  • ジワジワ傑作「笑う警官」

    ひさびさ「まっとう」なミステリを読了。 キャラやシチュやトリックに拘る作品をべてきた。最近では、「どのパターンの組み合わせか」を考えながら読むので、たいへん悪質な読者だね。猟奇描写、叙述トリック、告白形式(犯人はヤス)あたりが流行りか。そんな舌には、昔のが新鮮に感じられる。犯罪と(それを支える)社会を正面から描き出す社会派というやつ。 「笑う警官」の舞台は、スウェーデンのストックホルム。深夜バスで銃が乱射され、乗客と運転手が皆殺しになる青酸なイントロ。人種差別や移民排斥、 暴力と麻薬と貧困に満ちた当時があぶりだされる。弱者が弱者をい物にするのが当然視され、この犯罪そのもののバックグラウンドとなっている。数十年前の作品ながら、幸福な福祉社会を喧伝する北欧に似つかわしくない。 スウェーデンといえば、福祉と教育で名高い「成功国家」としてもてはやされている。テレビの紹介なので、話の90%を切り

    ジワジワ傑作「笑う警官」
  • わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

    それは記録。 背中が痛いと訴えてくる息子を裸にしたところ、広範囲に内出血跡を見つける。詳細は省くが、殴られたらしい。「すわイジメ」と気負いたつのではなく、ゆっくりと子どもの話を聞く。度を越した悪ふざけなのか、陰湿なやつなのか見きわめがつかないし、子どもの話なので一貫性が見出しにくい。 まず、子どもの話を遮ることなく最後まで聞く。たずねるニュアンスの「訊く」のではなく受け入れるように「聞く」。そいつを逐一記録する。客観的に述べるのは難しいだろう(大人だってそうだ)、だから矛盾点には目をつぶり、ありのまま記録してゆく。ついでに写真も撮っておく。トラブルが大きくなり、収拾がつかなくなってからではなく、(たとえ一面からでもそれを自覚しつつ)子どもからヒアリングを続ける。 次に、「親は味方だ」というメッセージを伝える。独りで抱え込むなという。どうしても言いたくないのであれば、無理に聞くことはない。親

    わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと
  • はだかをはだかにする「はだか」

    はだか、好きですか?もちろん、わたしは好き。 では、むちむち姉さんのではなく、「自分のはだか」ならどうだろう。脱衣所で目にするソレはあまり形容したくないし、人様にお見せするような代物でもない。温泉とかで裸体をさらすと、気恥ずかしいというか、妙に気まずい。そういう「文化」なんだろうと思考停止していたが、この「はだか」のおかげで気づきが山と出た。武蔵野美術大学の原研哉ゼミにおける、卒業制作を書籍化したものだ。 書が提案する、さまざまな「はだか」のアイディアに接するうちに、「わたしのはだか観」なるものが見えてくる。つまり、わたしが「はだか」についてどのように考えているかが、「はだか」にされるのだ。これは、面白い。 たとえば、「りぼん」をはだかにするアイディア。少女マンガのキャラクターを、そのまんま、まるごと脱がす。顔やポーズ、セリフをトレースし、服だけを完全に脱がせた裸体で描き起こすのだ。中高

    はだかをはだかにする「はだか」
  • 「ファウスト」はスゴ本

    「死ぬまでに読みたい」シリーズ。人生は有限だが、この事実を忘れることが多い。 古典として名高い分、敬遠してきた。もちろん新潮・岩波に手を出してヤケドしたこと幾度か。けれどもなぜか、あらすじとあの文句は知っている→「時よ、とどまれ、おまえは美しい」。ためしにGoogleってみるといい。いつもならAmazonが鎮座ましまする最上位にWikipedia「ファウスト」が居るのは、それだけ皆がを回避してきた証拠のようにみえてくる。 それが、さっくり・すんなり読めてしまった。これには、ワケがある。 実は、今回手にしたのは、歌劇であり詩劇ではなく、散文「ファウスト」なのだ。これは訳者・池内紀氏のおかげ。氏曰く、「ファウスト」には場面に応じたさまざまな詩形が使われており、それだけでもゲーテは天才だといえる。しかし、そいつを日語にした瞬間、彼が苦心した一切が消えてしまう。韻律が極端に乏しくなり、まるで別

    「ファウスト」はスゴ本
  • 被曝治療83日「朽ちていった命」

    核爆発時の爆心地レベルで被爆した人は、どんな運命をたどるのか? 1999年9の月に起きた、東海村の臨界事故。核燃料の加工作業中に、大量の放射線を浴びた男を救うため、日最先端の医療チームが結成される。書は、患者とその家族、医療スタッフという「人」に焦点を合わせ、壮絶な83日間をレポートする。 運びこまれたときは"普通"に見えていた患者の染色体は、既に完全に破壊されていたため、症状が進行してゆくにつれ、臓器・組織・機能は深刻なダメージを受けていく。読み手は、放射線被爆の凄絶さとともに、前例のない治療を続ける医療スタッフの苦悩に向き合うことになる。 もちろん患者の細胞は、ほとんど分裂しない。新しい細胞が生み出されることなく、古くなった皮膚が剥がれ落ちてゆくと、どうなるか?カラー写真で示された「右腕」が詳細に語る。入院当初の、ふつうに見える右腕と、被爆26日目の、ちょうどミディアム・レアに焼け

    被曝治療83日「朽ちていった命」