藤井裕久財務相は8日の閣議後の記者会見で、2009年度の税収が当初見込みの46.1兆円から36.9兆円に落ち込む見通しを明らかにした。これに伴い、09年度の新規国債発行額は1次補正後の見込みの44.1兆円から53.5兆円と過去最大に膨らむ。 国の借金にあたる国債発行額が税収を上回るのは、終戦直後の1946年度以来となる。藤井氏は会見で「我が国の財政は極めて深刻だ」と話し、来年度予算の編成作業で、一層の歳出削減に取り組む考えを強調した。 税収の落ち込みが激しいのは、景気の悪化にともない、還付がかさんだ法人税の目減りが大きいほか、所得税も落ち込んでいるため。一方で麻生政権下で15兆円規模の経済対策を打つなど、国債頼みが加速。9兆円規模の税収不足を国債の発行で埋め合わせる結果、新規国債の発行額も大幅に拡大し、先進国で最悪水準にある国の財政事情はいっそう悪化することになった。