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ブックマーク / kananaka.hateblo.jp (22)

  • 火熾す女。 - kananaka's blog

    久々の更新および新年のご挨拶も抜きの失礼を顧みず、2009.11.04『柿編む女』、2010.02,03『醸す女』、2010.11.10『漬ける女』に続く、「〇〇する女」シリーズ第四弾として、今日は我が家の七輪を語ってみたい。 未使用時は古新聞にくるまれ鎮座するその姿に、引越業者に「これ、何ですか?」と奇異な眼差しを向けられたことも数知れず。好奇心旺盛な友人どもには「嫁入り道具」の一言で済ませてきたが、育ての母に譲ってもらって以来、日列島を北から南まで共にしてきたそれは、私の人生において「嫁入り道具」以上の価値をもつ。 四年前(だったか?)の引越貨物+まだあどけなさの残る倉庫番。 問題のブツは矢印の先。 おや、後の都知事のお姿が…^^; 一体いつの古新聞ダ? 「七輪を持ってる」ましてや「フツーに使ってる」と言うと同年代の友人には驚かれるが、使い慣れている身にはなんのことはない、ガスコンロ

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    chochonmage 2013/02/17
    七輪使いの巧みさについては、このお方は超人につき呆れはてて読むしかないが、モチを持った助手の美しさはいったいなんなの?
  • ネコと吾子と薔薇の日々。 - kananaka's blog

    今年も娑羅*1の花弁がほころび始めた。朝に開き、夕には落ちてしまう儚さ、その楚々たる風情。モズの夫婦の鋭い囀りに、向かいのリンゴ畑で甲高く拍子を打つキジの声、長い尾を上下に振りつつ告げるカッコウの天然時報。この家で迎える二度目の夏の朝。 我が家を狩場にしてるモズのご夫婦(多分)。 ご夫君の後光が眩しすぎて申し訳ない。 正確に7時半を告げてくれる我が家のカッコウ時報。 尾羽をフリフリ上下に振りながら歌ってくれる。 おぉッ、ミヤマシロチョウ(@天然記念物)か?!と期待したのですが、たぶんウスバシロチョウ^^; 前者ならいつもお世話になってるトリの師匠=てふの師匠にも自慢できるかも。 去年の今ごろは、まだ眠りの世界を彷徨うヒカルを置いてそっとベッドを抜け出し、リビングの窓を全開に、冷涼な山間の朝の空気を吸いこみつつ搾乳をしていた。ただし乳搾りは、牝牛ではなく他ならぬ自分のそれ…orz。 あれから

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    chochonmage 2012/07/13
    母娘とも、思いっきり幸せにね。
  • 秘密。 - kananaka's blog

    昼寝する子ども  (新川和江) 眠っている子どもは 眠りの国を 今 どのあたりまで行っているのだろう よちよちと 家の中を 伝い歩きしかしたことのない まだ土踏まずもできていない やわらかな小さな足で 手もつながずに ひとりで 寝顔がときおり 花の蕾のようにほころぶ 母親のわたしにも見せたことのない このような佳(よ)い微笑(ほほえみ)を この子の頬に浮べさせるひとが 其処にはいるのだろうか あ、またわらった カーテンを優しく揺すってくれている そよ風の生まれ故郷よりも遠く 古い額縁の中の 見知らぬ異国の港町よりも遠く 添い寝したところで追いつくすべない はるかな距離を 嬉々として ひとり歩きしている幼な子 今からちょうど一年前、一通の書留が届いた。差出人はひと月ほど前に鬼籍に入った父方の親族である。 生前より父とは折り合いが悪く―――否、折り合いが悪いどころの話じゃない、幼いころに生き別

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    chochonmage 2012/01/02
    2012年初ブクマがこのエントリでよかった。本年もよろしくお願いいたします。ヒカルちゃん、カワイすぎ。
  • ミラノテイストはミライのテイスト。 - kananaka's blog

    今週のお題大人になったと感じたとき それは明け方東の低い空に木星、金星、火星、水星の四惑星を同時に望む週末*1のことだった。 とつぜんひとりの少女が訪ねてきたのだ。 あのぉスミマセン。ここはミライでしょうか。 これ以上ないくらい短髪に刈り込んだ彼女は、いまにも折れそうなうなじを小さく左に傾けてみせた。鋭角的なまでに張り出した額(ひたい)*2がなんとも印象的である。 ―――えぇと…貴女が過去から来たというなら、たしかにここは未来になりますですね。 あまりに唐突の質問に、こちらもトンチンカンな応答しかできない。第一、少女の言う「ミライ」が「未来」のことと気づくのだって、相当の時間を要している。 アタシ、コーヒー牛乳がのみたいのです。 ―――コ、コーヒー牛乳……ですか。 ハイ、コーヒー牛乳がのみたいです。 時間旅行してきたと思しき少女は、そう高らかに宣言してみせた。 未来にきて最初にやりたいこと

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    chochonmage 2011/05/20
    おやぢの脳内のコーヒー牛乳のテイストは「銭湯で入浴後」含み(温泉とはまた違う)。ますますミライでは味わえないものになるにゃ。/しかし、なんという写真。人もネコも。
  • なゐふるに記す。 - kananaka's blog

    今週のお題東北地方太平洋沖地震 大地は震え揺らぎ、海は湧きたち、船は互いに打ち合い、家々は崩れ落ち、数々の寺塔はその上に重なり倒れた。王宮の一部は海に呑まれ、裂けた大地は焔を吐くかに見えた。それは、廃墟のいたるところに煙と火焔が現れたからである。 一瞬前に平和に楽しく生きていた六万の人々がいっせいに滅亡していった。この災禍を知覚する感覚も意識も失ってしまった人こそ、最も幸福な人ということができる。火焔は狂いつづけ、同時にこれまで隠れていた乃至はこの変事により解放された罪人の一群が暴れ回った。生き残った不幸な人々は、掠奪、殺戮、あらゆる暴行虐待にさらされた。 そしてこの突発した災厄の広汎にわたる影響について、あらゆる方面からいよいよ多くの詳密な報告が到着するにつけ、他人の不幸によって揺り動かされた人心は、自分自身や自分の家族の者に対する憂慮のためにいっそう悩まされた。まことに、恐怖の悪霊がか

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    chochonmage 2011/03/22
    超人の超記事。これの前にエントリあげてよかた(^_^;)『被害を軽減するためのたゆみない努力以外にありえない』もし現代の科学技術がなかったら今回の震災の被害は何十、何百倍だったのではないか。
  • 世界で一番小さな海。 - kananaka's blog

    物語はいつも、呆気ないほど微小なかすり傷から始まるものだ。けれど、それが当にただの<擦り傷>か、あるいは癒えかけた<古傷>の疼きか、それとも真皮に達する新たな<深手>であるか知るのには、少しの時間が必要である。少なくとも私の場合は、そうだった。幼いときから、今になるまでずっと変わらずに。今宵、ここにしたためるエピソードにおいても、それは同じ。深夜の緊急連絡を受けたとき、私は不謹慎にも「あら、終に…」と小さな笑い声すらあげたのだから。 そのとき私は、熊(ぱんだ)柄のダンボールが堆積する深山の奥で草臥れ果て*1、折しも発掘した一冊の句集を読み耽っていた。タイトルは『癌め』(江國 滋、角川書店 (1999/04) )。 作家であり評論家であり俳人でもあった江國は、検診で堂癌の告知を受け、癌センターへ入院。十時間余りの大手術、水一滴飲めぬ苦しさを越え、最期を迎えるまでの半年(187日)間に、

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    chochonmage 2010/12/07
    ・・。まもなく新しい命が。がんがれ。
  • りんごの丸かじり。 - kananaka's blog

    今週のお題:最近のマイブーム 当地で<きのこブーム>と時を同じくして訪れるのが、<りんごブーム>。早朝のきのこ採取を終え、冷えた体を暖めに給湯室へ戻り、べたらべた分だけ補給されるりんごの山から一つかみ。齧りつく前に軽くゴシゴシ、俄かに艶やかな光を放ち始める深紅の果皮とシャンパン色の果肉、そのコントラストに暫し見惚れる。 りんごを前にすると、過去から滲みだしてくる情景がある。時は、冷たい雨がそぼ降る季節。私は病人の枕辺に座り、独りに目を落とす。どれほど時間が経過したろうか、彼の規則正しい呼吸音と雨音が充たす空間で、誰かが置いて行った見舞いの果物籠にふと目に留まった。何もかもを陰の湖(うみ)に沈めてしまう蛍光ランプのもと、籠から覗くりんごだけが宝石のように瑞々しい。やにわに手に取り、慈しむように磨く。磨けば磨くだけ艶やかさを増してゆく丸い深紅の果実、それをただひたすら力を込めて磨き上げ

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    chochonmage 2010/10/28
    出たな、テロリスト。「丸かじり」を名乗るには内容が美し・高級すぎ。グヤジ~。
  • ヌコにもマツタケ。 - kananaka's blog

    庭先でこぼれんばかりに咲き誇るキンモクセイの芳香が、秋の深まりを告げている。そういえば最近、澄み渡る秋の空を見ていない。理由は単純、頭上を木立に覆われたアカマツ林の中、筆者が足元ばかり見て歩いているせいである。 「花より団子」とはよく言ったもの、今年も山の手の我が家にキノコの季節がやってきた。盛夏を過ぎ、朝晩の最低気温が10度を下回り始めれば、山仲間たち(含・筆者)は一斉にそわそわ、「出るだろうか」「出たらしいぞ」の噂が飛び交い始める。何が「出た」かって?―――勿論、キノコの王様・マツタケである。 今年の夏は、気象庁もお墨付きの「異常気象」だった。七月の降水量こそ多かったものの、八月は連日の真夏日を記録。そして、肝心のキノコの生育に影響を及ぼす降水量は平年の三分の一程度しかなかった。近年稀に見るマツタケの凶作年となった昨年と比して、決して楽観できる状況ではない。 ところが待ちかねたシーズン

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    chochonmage 2010/10/18
    もうね、こういう悪い子の持ち物はぜんぶ没収するからこっちもってきなさい、ふんとにもうッ。/ところで人の手が入らなくなったから松茸が生えなくなったって聞いたんだけど、人以前は松茸ってどうしてたんだ?
  • もも狂想曲。 -Péché Caprice - kananaka's blog

    今週のお題:ついつい行きたくなる場所 文月も半ばを過ぎると、ついつい街道沿いの仮設会場へ足が向く。たわわに実を成す畑を抜けて目的地が近づくにつれ、瑞々しく芳しい香りが鼻腔をくすぐり始める。今年も地元の生産者有志が協力して、採れたての桃を直接販売しているのだ。今の時期に並ぶのは「白桃」「黄金桃」「なつっこ」など数種類、それら幾種類かの桃が旬に合せて少しずつ顔ぶれを変え陳列される。営業時間を午前に限定し、収穫に忙しい農家に代って住民や近くの福祉施設利用者が販売を手伝うことで、数年前から実現したと聞く。 しっかりした大玉で、舌が痺れるほど濃厚な甘さが特徴の「川中島白桃」は、お盆を過ぎた丁度今ごろから店頭に並び始める。果たして日(八月十五日)、無事今年の初物と相見(まみ)えることができた。中玉以下の傷もの*1や、桃のお尻が左右対称でないものなら、1玉五十〜百円程度で入手できる。もちろん甘さや風味

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    chochonmage 2010/08/30
    意外に思われるかもしれないが、果物が美味くないカリフォルニアなんです。モモがすっぱいの。え~ん。
  • ぴーまん、こわひ。 - kananaka's blog

    「そういえば昔、タマネギがべられなくて、よく半べそかいてたよね。―――彼、今も苦手ですか? えーっと……ギュ…ギュルレーク【瑞:gullök*1】?」 今から月日を遡ること七か月、時は雪景色のお正月。「古き自由な北の国【瑞:Du gamla, du fria】」より一時帰国した弟カップルと酒盛りの席で、べものの好き嫌いの話題になった。後半、筆者のアヤしげな片言は同席の瑞典国籍のカノジョに向けてのものではあるが、当然これだけで意味が通じるはずもなく、彼女は小首をかしげ、姉が作ったタマネギとキノコのマリネから熱心にタマネギを選別中の男に、視線を投げただけだった。 今でこそ隋所のい意地テロ・エントリにて白旗を掲げまくっている筆者ではあるが、幼い頃はひたすらが細く、思春期になってからは過と拒の間を揺れ動き、さずにいられない己の体を持て余し過ごしていた。当時の日記*2を紐解くと、そんな

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    chochonmage 2010/08/08
    なんで夏野菜とか言ってるくせに一年中あるんですか。キュウリの緑と比べてなんとも人工的な毒々しい緑でしょ?畑でだれかが色素塗ってるんじゃないですか。ホメオパシー並みに希釈してくださればスープ頂けるかも。
  • 海の向うの春便り。 - kananaka's blog

    日の主役。柘榴石を想わせる暗紅色が美しい。 以前、筆者が勤務していた職場は、世界各国のべ物が定期的に届く天国だった。春は米国西海岸発のアメリカンチェリーに、ハンガリー産のアカシアハチミツ*1、夏場はマレーシア発の果物の王様・巨大ドリアン、シンガポール発の洋蘭の花束*2、クリスマスはベルギーの某高級チョコレート、ドバイ発ナツメヤシやイチジクのドライフルーツ、それらが社員に行き渡るべく巨大なカートンで幾つも届く*3。どうやら今年も彼の地からの贈り物は無事届いたようで、かつての悪友がお裾分けを兼ねて当家を訪ねてくれたのは、月日を遡ること二カ月前、まだ世間がGWの頃だった。 その頃、筆者はとある事情*4につき、非常に果実に飢えていた。ただでさえ喉を通るものが限られているくせに、嗜好が何故か変遷する。当初はおにぎりならべられた。続いてひたすらレタスサンドの波が来て、お次は来る日も来る日も紅生姜

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    chochonmage 2010/07/17
    そういえば、チェリーが並んでたような気がするな。←季節感を察知する脳が猫並み(横消去線)の私。マツタケが出てきた時だけは、夏も終わりかと思うが。
  • 結ぶこころ 繋がるいのち。 - kananaka's blog

    今週のお題:○○料理が好き! かつて母が母であった頃、彼女が子供たちのために結んだおむすびは、冷えてなお、ほっこり温(ぬく)かった。行方知れずとなった父母に代って、老いた育ての母が持たせたおむすびは、ほんのり越後の海の味がした。生れて初めて自分で丸めたおむすびは、呆れるほど歪(いびつ)で握りも甘い代物だったけれど、泥団子つくりの名人を小さな料理人へ変えた瞬間となった。田美奈子と同じ病で此の世を去った恋人が、いつか元気になったとき最初にべたいと望んだのも、「おむすび」だった。定番のシャケやタラコを中に詰め、外側をしっかり海苔で包(くる)む、漆黒のおむすび*1だった。 べ終った駅弁の外側を再利用したおむすび弁当。 改札を抜けると、手作りおむすびの店舗が目に入った。大きな切出し窓の向こうで白衣の男性店員が2名、かたち良く飯を結んでゆく。職人的な繊細な指さばきが、店内の視線を集めていた。 ひ

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    chochonmage 2010/06/17
    え~ん、おれじゃない(T人T)
  • 明日も夜になるでしょう。 - kananaka's blog

    今週のお題:睡眠時間 私の夜から<微睡み>の文字が消えて、もう何十年になる。騒音や無粋な灯りの侵入を許しているわけではない。どれほど疲労困憊していても、冷えて昏(くら)い夜具の中、ぽっつり覚醒が訪れる。理由は、夜毎呑まれる悪夢のせい*1。ナイトテーブルの時計の短針が一つ、長くて三つ分、文字盤を移動したのを確認すれば、夜はお終い。いつの間に寄生を許した超夜行性の生命体が、宿主の休息を頑なに拒むのだ。 医学の力を頼み<寄生体>の懐柔に努めた時期もあった。しかし、<インソムニア>の呼び名を持つこの生命体、今では私のアイデンティティの一つと化しており、一卵性双生児のような共棲関係を築いていたりする。それだけに、今の季節特有の甘美な春眠の誘(いざな)いは、闇夜の浜に打ち上げられた異国のボトルメッセージに似て、儚く遠い。 夜が怖いのかもしれない。夜は隠すものがあるから深いのだ。―――そんなオカルトじみ

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    chochonmage 2010/03/27
    替えのパンツは100円ショップでどうぞ。実験レポートきぼー。
  • 寒牡丹に春の音。 - kananaka's blog

    執務中に銃声が響く職場というのは、勤め先として割と珍しい部類に入るのではなかろうか。そんな県内の鳥獣狩猟期間も先月中旬を目処に幕を閉じ、ようやく職場に平穏が戻った今日この頃(ただし昨今の著しい農業被害抑制のため、今年もニホンジカとイノシシのワナ猟に限って、狩猟期間は三月半ばまで延長された。)。材調達に裏山に出没する私の日課を知り尽くす同僚から「頼むから撃たれないでね」と拝み倒された数か月だったが、こればかりはハンターに気をつけてもらうしかない。あ、猟のある日を事前に連絡頂いたり、誤射防止のための派手な着衣を購入、ハンターが車を乗り付ける定位置のチェック程度の対策はしておりましたので、ご安心を^^; 春は迷うように 臆するように 近づいて。 左は連日採れる旬の材。鮮度が落ちるほどエグミが強くなるため、毎日べ切れる分だけを少量調達している。 日当たりのいい山肌にぽこりぽこり顔を覗かせるフ

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    chochonmage 2010/03/18
    シェーッ、今回はおフランスざんすか!ミーの「パンツエントリ」がますますお下品に見えてこまるざんす。ミーのところでは、かのししはでぃあはんたーから貰えるかもしれないけど、いのししはみたことないざんす。
  • 醸す女。(一部ブクマにお返事を追記) - kananaka's blog

    今週のお題:好きな調味料 ひとり暮らしを始めて以来、味噌仕込みは長く我が家の年中行事だった。昔から味噌作りは「寒仕込み」と言って、雑菌が繁殖しにくい1〜2月、つまり今がちょうど仕込みの時期に当たる*1。待ちに待った仕込みの日には、朝から豆の炊ける香りが家じゅうに立込める。足許に目を落とせば、この日に備えて、よく洗い乾かしておいた年代物の仕込桶や重石が、持ち主ともども期待に満ち満ちて、塩や麹を丹念にまぶされたタネが叩きこまれるのを待ち構えている。手仕込みの味噌は「美味しくて黴ないお味噌」と友人の間でも評判で、たっぷりのお出汁に溶いて頂く味噌汁は「手前味噌」のことばを返上する程に、とびきりの出来栄えであった。 そういえば、生まれて初めて手に入れたキッチンは、ひどく狭かった。ガスコンロは小さな口がひとつあるきりで火力も弱く、電子レンジはもちろん、電気釜さえない。流しは鍋ひとつ洗うにも苦労するほど

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    chochonmage 2010/02/04
    いやぁもうkanakaさんのなんでも出来る・知っているぶりにあきれるばかり。「良いトンデモ」タグ進呈。
  • ことばに見放されるということ。 - kananaka's blog

    ことばを私たちがうばわれるのではなく、私たちがことばから見放されるのです。ことばの主体がすでにむなしいから、ことばの方で耐えきれずに、主体であるわたし達を見放すのです。 (『海を流れる河』"失語と沈黙のあいだ"より引用) そう日社会へ警鐘を鳴らしたのは、詩人石原吉郎(1915-1977年)である。彼は24歳で召集され、敗戦後ソ連のラーゲリ(強制収容所)にて抑留、その後スターリン死去による特赦で帰国を果たすまでの8年を、シベリア各地を転々と過ごした。懐かしい祖国の土を踏んだ時、石原はすでに38歳になっていた。 石原が身を投じた最北8年の歳月は、私の想像も及ばぬ世界である。しかし、彼が遺した散文からその苛酷さを想像することは可能だ。 十七のときに抑留され、ハバロフスクで二十二になったこの<少年>が、声をころして泣いているさまに、私は心を打たれた。泣く理由があって、彼が泣いているのではなかった

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    chochonmage 2009/12/19
    俺も多分ワンオブイノセンツなんだろうな・・・
  • 続・山の手レストラン -えむの食卓- - kananaka's blog

    今週のお題:いま無性にべたいもの 霜月に入って最初の週末、私は相も変わらず山にいた。きのこ栽培農家のご主人が昨年亡くなって以来、荒れ放題・伸び放題で放置されていた跡地を好きになさってくださいとの、採集生活者にとって垂涎の依頼が舞込んだためだ。さっそくクマ鈴*1や竹籠など基装備を整え、仲間と山路を辿る。 かつてのきのこ畑は、話に聞く通り荒れ放題だった。落葉に埋もれ、だれにも採取されないまま朽ちていった、ナメコの墓場。 かろうじて溶け残っていたものを採取し(左画像参照。トロトロつややかなぬめり肌が、たまらなくセクシーでしょ?)、お礼を兼ね、一同手分けして付近を清掃する。 持ち帰った獲物は、後日、故人を偲び開かれた酒宴の席で、すみやかにナメコ汁へと姿を変えた。 ご心境如何ばかりかと案じていたが、みんなと共に熱い汁をすすってくださったご家族の笑顔が印象的だった。 帰りの山道で、他にもいくつかの

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    chochonmage 2009/11/12
    しかし、かなかさんの多才ぶりっていったい・・・
  • 柿編む女。 - kananaka's blog

    今週のお題: 秋の夜長の過ごし方 軒先に並ぶ吊し柿を眺めると、幼いころ身を寄せた初冬の越後の匂いが蘇る。年のいった育ての親に代わり、寒風に吹かれつ木に登り*1、葉の落ちた梢に残る鮮やかな果実をひとつひとつもいでゆく。指先に吸いつく竹竿の冷たさもさることながら、夜なべに渋(しぶ)でベタベタの手で皮剥けば、かじかむ指先は切れるよう。小さな手に、あっという間にアカギレやシモヤケができてゆく。それでも吊し柿つくりは、豪雪に閉ざされる彼(か)の地の冬支度に欠かせない年中行事であり、子どもたちに任される大切な仕事でもあった。 「柿の実は、ぜんぶ刈っちゃ、らめらすけ*2」 はるばる越後にやって来た私たち姉弟に、育ての母は言い聞かせた。 「木守り(きまもり)さまを、残さばなんねすけ*3」 それは、寒さに凍えるメジロやスズメ、モズたちへの心遣いであるとともに、今年の実りに感謝し、来年の新たな収獲を祈り行われ

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    chochonmage 2009/11/06
    最近かなかふぁんが増えてきたようなきがする。よろこばしくもじぇらしい。id:doramaoさま。kanakaさんにじぇらしいぢゃなくて、いもーとにぼーいふれんどでけたきぶんっつーか。
  • もものかんづめ。 - kananaka's blog

    実家が果樹園農家をしている同僚から、贈答用・家庭用の用途別に桃の注文書が回ってきた。市場より圧倒的に安価な価格設定のため、贈答品が特に人気の模様。今春より当地に居を移して以来、例年比で一生分の桃をべ倒した気分でいたので、ここは大人しくしていようと真剣に自制したのだが、やはり桃加工のベストシーズンをみすみす見逃すことができず、結局、市場には回せないブツを箱買い@500円にて4箱ほど入手してきた。品種は、あかつきと川中島白桃。 そういえば、先日眺めた某テレビ番組で皮つきの桃をべる県民を特集していたが、当地でも桃は皮を剥かずにべる人が少なからずいる。洗う時に産毛をこそげ落して、そのままガリリ。 桃の果皮にはカテキンが含まれており、老化防止や発癌抑制にも効果があると聞く。また、桃が一番美味しいのは完熟よりも、まだ硬さが残る時期というのも一致しているが、フードマイレージが低く、新鮮なうちに口に

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    chochonmage 2009/09/02
    なんというか、ぐぅの音も出ない・・・
  • ただ、美味しいと。 - kananaka's blog

    週末を藪の中で過ごした。お目当ては、野良竹の子。ここらの住人が目がない根曲り筍にはもう時期的に遅いものの、今からはハチク(淡竹、学名:Phyllostachys nigra var. henonis)の季節。 ハチクは、中国(黄河流域より南)で野生化しており、寒さに強い。太さは3〜10cm、高さ10mくらいに育つ。成長が早く、一晩で20cm以上に伸びるので、どんどん取らなければ追いつかない。「破竹の勢い」という言葉は、中国の将軍が、少し切れ目を入れただけで簡単に割れる竹の性質にたとえて、一気に攻め込んだ故事に由来するが、こちらのハチクは「淡竹」と書く。 私が子供時代を過ごした田舎はもっぱら孟宗竹林が多く、日の出前から出かけ、太くて巨大なブツを掘り当てたときにはホクホク顔で自慢したものだが、こちらの筍は根曲り筍にしろ、ハチクにしろ、孟宗に見馴れた目には貧相に思える代物。皮は紫色がかり、孟宗の

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