ことばに見放されるということ。 - kananaka's blog

ことばを私たちがうばわれるのではなく、私たちがことばから見放されるのです。ことばの主体がすでにむなしいから、ことばの方で耐えきれずに、主体であるわたし達を見放すのです。 （『海を流れる河』"失語と沈黙のあいだ"より引用） そう日本社会へ警鐘を鳴らしたのは、詩人石原吉郎（1915-1977年）である。彼は24歳で召集され、敗戦後ソ連のラーゲリ（強制収容所）にて抑留、その後スターリン死去による特赦で帰国を果たすまでの8年を、シベリア各地を転々と過ごした。懐かしい祖国の土を踏んだ時、石原はすでに38歳になっていた。 石原が身を投じた最北8年の歳月は、私の想像も及ばぬ世界である。しかし、彼が遺した散文からその苛酷さを想像することは可能だ。 十七のときに抑留され、ハバロフスクで二十二になったこの＜少年＞が、声をころして泣いているさまに、私は心を打たれた。泣く理由があって、彼が泣いているのではなかった

[kananaka]

石原吉郎の詩は、読む人の数だけ様々な解釈を可能にする世界だと感じています。/なお、このエントリは、ことばに見放される恐怖から自由になれるはずもない私自身への自戒も込められています。御承知おきください。

[kmiura]

生と死の間で宙吊りになった日常を「シノギ」という。

[unikov]

とりあえずこのタグ。

[Hi-kari]

私の好きな言葉

[kalessinlord]

気付かない自分の偏見が人を傷つけてしまうのが怖い。

[nico-at]

"ぜひ貴女の体験を､今後の性犯罪撲滅のために使わせてほしい"それは他人に強要されるもんじゃねぇよ

[yuhka-uno]

"苦痛そのものより苦痛の記憶を取りもどして行く過程の方が、はるかに重く苦しい""性暴力の「自己責任論」とは、即ち、「自分自身へかかわる度合い」を認識できない者が発した、その人物の「気ばらし」に過ぎない"

[KoshianX]

そうなんだよなあ。男女という枠で考えるとホントこれダメだと思う。二次被害は性犯罪にも女性にも限らないし差別問題ともまた違う側面があるんだよな。

[yoshi1207]

痛覚や心理のような内的なものを言葉で伝えるのは難しい。分かるとも分からないとも言いにくい。言葉を失くした人が生きるには、聴く以上の受け止め方が必要

[cloudliner]

重い言葉「苦痛そのものより苦痛の記憶を取りもどして行く過程の方が、はるかに重く苦しい」 "ことばに見放されるということ。"

[SIVAPROD]

この問題のやりとりの中で”差別されてる方も相手に伝わる言い方をした方がいい”って物言いを山ほど見た。我々はいつまで殺される側が殺す側を思いやれと言い続けるのだ？

[running-props]

RT: ことばに見放されるということ。 - kananaka日和 –

[lotus3000]

極限体験をするということ。安易な主知主義が結果として二次被害を与えかねない構造について。

[MATSU]

「この時期の苦痛にくらべたら､強制収容所でのなまの体験は､ほとんど問題でないといえる｡」

[maicou]

一番外側から見えにくい「不幸」というものを封印してしまう傾向があると知ったこの3年間。という自分用メモ。

[hizzz]

個人の尊厳を起立しようとする「震え／怒り」すら定型化されエンタメ消費してしまう対処空間では、複数相似型の私というカタチでしか存在確認出来ないという、同質／他者問題。

[njamota]

「その言葉で、一体だれを救えるのか」多分，発言者自身．発言者が他者に与える影響を全く想像できないこと，考慮する必要がないと思っていることが問題．彼らがより良い方法で救われるにはどうすれば良いのか？

[takayan]

この、とても言葉では表現することなどできない重さ。引用ともども素晴らしい文章。必読です。 // 私のエントリにも使わせていただきます。 // 一応言っておきますが、性犯罪の「自己責任論」を切り捨てているエントリ

[kodaif]

"被害者の周囲に押し寄せる群衆は、大抵みな無邪気な顔をしている。誰にもわかりやすい邪悪な顔や意地悪そうな顔をしたものは、殆ど無い。他の犯罪と違って特徴的なのは、「怒り」を露わにした顔が混じる点にある。"

[florentine]

「今日の文壇において、いかほどの「作家」や「詩人」と呼ばれる人々が、覚悟をもって言葉を紡いでいるだろうか」

[kamayan]

2009年12月記事

[buhikun]

「ことばに見放されるということ」と石原につき、辺見庸のエッセー（多分共同配信）で知る。http://d.hatena.ne.jp/buhikun/20090427/1240819483　/『自分自身の、人間としての生き方にかかわりのないものは、結局気ばらし』…orz

[akira-2008]

『泣く理由があって、彼が泣いているのではなかった。彼はやっと泣けるようになったのである。』その涙を甘えと受け取る人の多さに心が痛みます。

[natukusa]

＞書いた者が一石を投じた気分を味わう裏側で、多くの人間が傷つき、痛み、声を挙げる、この具体的に誰一人救われない文章のどこに、価値を見出せるだろう。

[chochonmage]

俺も多分ワンオブイノセンツなんだろうな・・・

[nagonagu]

“ことばのすべてが虚しく、実態を伴っていないからだ。血が通っていないからだ。それが、実態を知らない者のことばの限界であるからだ”御意

[north-pole]

しみる文章。「性暴力被害者の周囲に押し寄せる群衆は、大抵みな無邪気な顔をしている」そのイノセンスが曲者。

[and_hyphen]

胸に刺さった。こういうのはこころに直接来る。

[KIM625]

最後の言葉

[gouk]

胸が痛い//誰も受け止めない言葉を胸に秘め、乖離していくことに耐え切れなくなった時、突然、死が訪れる。あなたにも幸せなる権利がある、という不変の真理を奪う人は皆、殺人者（本気の殺意もたまに混ざってるが

[hokuto-hei]

『「幸運にして私の知り合いの中には怖い目にあった事はあっても直接被害に遭った人はいません」と、無邪気に断言できる者の痛さ』、心理的に追いつめられると感情表現ができなくなってくる。