ブックマーク / cruel.hatenablog.com (60)

  • ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第4講:充満の原理と新しい宇宙観 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はいはい、やめようかなと思っていたラヴジョイですが、第2講で舞台設定ができて、第11講でいきなり結論になってしまうのは、ちょっとつまらない。その途中でどんな具合で論が進むかをみるために、多少は土地勘のある (他の部分よりは:スピノザやライプニッツは、そんなに読んでないよー) 宇宙論のところをやってみました……がその前に少しおさらいから。 cruel.hatenablog.com 前置き:「異世界性」と「この世性」のおさらい 第2講では、書で扱う主な観念の源である、「異世界性」と「この世性」というのが示された。これはどっちも、神さまの位置づけの話。 異世界性ってのは、神さまの世界はぼくたちなんかの及びもつかないまったくの別世界だ、という話だった。神さまはスーパーえらいし、人間なんかの想像力なんかとても及ばないパワーもあるし能力もあるし神さまですから、もちろん善の親玉。その世界は隔絶し、完璧

    ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第4講:充満の原理と新しい宇宙観 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2024/02/09
    フォントネル全然知らない人だけど面白そう。そしてカント先生はやはり天才を超える存在すなわち天然(by大運動会)疑惑。やはり近所の人はカント先生の散歩姿見て「あ、ウチの時計ズレてる」とか確認してたんだろう(謎
  • オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary トマス・ピンチョンのオーウェル『1984年』序文は、まったく構造化されず、思いつきを羅列しただけ。何の脈絡も論理の筋もない。しかもその思いつきもつまらないものばかり。唯一見るべきは、「補遺;ニュースピークの原理」が過去形で書かれていることにこめられた希望だけ。だが、考えて見れば、ピンチョンはすべて雑然とした羅列しかできない人ではある。それを複雑な世界の反映となる豊穣な猥雑さだと思ってみんなもてはやしてきた。だが実はそれは、読者側の深読みにすぎないのかもしれない。そしてその深読みが匂わせる陰謀論が意味ありげだった時代——つまり大きな世界構造がしっかりあって、裏の世界が意味をもった60-80年代——にはそれで通ったのに、1990年代以降はもっと露骨な陰謀論が表に出てきてしまい、ピンチョン的な匂わせるだけの陰謀論は無意味になった。それがかれの最近の作品に見られ

    オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2023/11/14
    はてブの「いま人気の記事」に『ラマヌジャンは本当に何も知らなかったのか』 https://mathlog.info/articles/WpyJcz7DjhhvWArh214T (超越的公式の正体は紙の節約で過程を省いただけじゃね?)が出ていて、逆というか対偶というかで面白
  • ピケティ『資本とイデオロギー』読書ガイド - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    目次: 目次: はじめに 1. 『資とイデオロギー』の概略 1.1 .『21世紀の資』のあらすじ: 1.2. 『資とイデオロギー』の全体的な話 1.3. 『資とイデオロギー』のあらすじ 第I~II部:歴史上の格差レジーム/奴隷社会&植民地 第III部:20世紀の大転換 第IV部(その1):政治的対立の次元再考——問題編 第IV部(その2):政治的対立の次元再考——対策案 (第17章) 第IV部(その3):政治的対立の次元再考——対策案 (その他随所) 2. 通読する必要はないと思う 3. タイプ別読み方 『21世紀の資』の続きとして読みたい人、つまり経済格差とその対応を知りたい人は…… 経済格差への対応を知りたい人は…… 世界各地の格差の変動プロセスの比較に興味ある人は…… 4. 最後に はじめに このたび、ついについに難産の子、ピケティ『資とイデオロギー』が出ました。 資

    ピケティ『資本とイデオロギー』読書ガイド - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2023/09/18
    中露のおかげ(?)で独裁のリスクが再認識されたので、先進国が課税協定結べば実質は世界共通課税な気はしてる(税より独裁者の気紛れの方が(財産どころか命まで奪われる)リスク高い、という大前提忘れてる人大杉だった
  • プリゴジンくんの想い出を語るプーチン - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 8/23あたりに起きた、ワグネルグループのプリゴジン粛清不慮の死をめぐるプーチンコメント。思わせぶりな部分もあるが、現時点では単なる事実確認。ただ雰囲気としては、ウクライナ/悪の西側による殺害、ということにしたい感じが漂っている。あと、ワグネルグループに触れてはいるが、一方でプリゴジンを、むしろ資源系のビジネスマンにしたいような雰囲気は不思議。あまり深読みするのも意味はないだろうが。 ドネツク人民共和国 首長代行デニス・プーシリンとの会合 2023年8月24日 18:55 モスクワ クレムリン en.kremlin.ru ドネツクの傀儡プーシリンとプーチン デニス・プーシリン: (前略) アルチョモフスクの話が出たついでですが、昨日ここに向かう途中で、イフゲニー・プリゴジンの死に関する胸の痛むニュースを知りました。これは我々にとって繊細な問題です。という

    プリゴジンくんの想い出を語るプーチン - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2023/08/29
    プーチンは「何を言ったか」より「何を言わなかったか」の方が重要(by黒井文太郎)。利権と賄賂の匂いしかしないケータリング方面に言及しないのは当然。ソレダル攻略が鉱山目当てという話もあったので印象操作文字数
  • チェ・ゲバラ広島行きの謎、および三好徹『ゲバラ伝』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    いま訳しているゲバラ、詳細なだけあって、とにかくおもしろいエピソード満載ではある。その一つが、1959年ゲバラの来日および広島訪問のエピソードだ。 簡単に背景を。1959年1月、世界の驚きをよそにキューバ革命が成功してハバナは制圧されてしまい、新政権が樹立した。カストロは、表向きは自分が共産主義者じゃないと言い張りつつ、軍と政権内の粛清とキューバ共産党 (=人民社会党) メンバーの浸透を着々と進める。 そんな中、カストロは今後のアメリカとの関係悪化を予想し、アメリカ以外への輸出市場拡大および外交関係の強化を狙って、特にバンドン会議の「非同盟国」(米ソどちらにも肩入れしない国々、エジプトやインド、セイロン、インドネシアなど) および新興工業国 (当時の日は、いまのような「先進国」などではなく、あくまで妙にがんばってる後進国もどきだった) である日やユーゴに使節団を送りだし、その親玉にチ

    チェ・ゲバラ広島行きの謎、および三好徹『ゲバラ伝』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2023/08/07
    1959年の消費者物価指数は17.6(2015=100)なので1500円の花束、今の感覚だと1万円ぐらいか?(本当は農産物は年代(その当時の産業構造)による差が大きいので花き類統計見たかったが、調査開始が1973年だった。おのれ農林省(当時)!
  • 6/26 プリゴジンの乱に対するプーチン弁解の見方 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 6/24プリゴジンの乱についてプーチンが6/26に出した玉音放送は、プーチンが今回の騒乱で何を気にしているかがうかがえる。ワグネルがほとんど何の抵抗もなしにモスクワの手前に到達できたし、また一部では歓迎すらされたというのを大変気にしている模様。同時に、自分たちがそれに対して無策でおたついていた (少なくともそう見られている) のも気にして、「いや最初から手は打った! 反撃がなかったのは流血を避けるため! 対応がないのは改心の時間を与えたため!」と弁解。 またワグネルグループも、首謀者プリゴジンはもちろん獄門打ち首、その手下たちもお咎めなしのように見せつつ、兵士になって過ちを償え=死ね、という話で、むごい。 6/26 プリゴジンの乱についての弁解の見方 ロシアの6/24プリゴジンの乱は、いろんな意味でわけがわからず、それだけにいろいろおもしろいところ。いろ

    6/26 プリゴジンの乱に対するプーチン弁解の見方 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2023/06/28
    プリ(の握ってるスキャンダル情報)は政治的爆弾で、太陽との距離に苦慮するイカロスたるルカ氏にとっては値千金の手札足りうる。プーがその点を理解してない筈はなく、何らかの牽制的な意味で言及したのかも、と想像
  • 2023年6月 アフリカ代表団とプーチン大統領との会合 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 2023年6月、アフリカ連合を筆頭に、アフリカ大陸代表として7ヶ国で構成される代表団が、ウクライナロシアを訪問。ウクライナ侵略により生じた糧危機とエネルギー危機でアフリカが苦境に陥っているので、平和を目指す対話路線をプーチンに陳情した。自国の直接的な利害と同時に、アフリカとして主体的にこうした戦争仲裁のような活動を行うのはこれが初めてであり、今後自分たちも国際関係の中で、平和と良好な世界の構築に向けて構築したい、できることがあるならウクライナロシアとの和平に少しでも貢献していきたい、国連憲章に基づく安定した国際秩序を作りたいという決意を述べ、対話と人道支援を訴えた。 これに対してプーチンは、代表団の話を聞き終える手間すらかけず、自分たちは国連憲章に一切違反しておらず、ウクライナの流血クーデーター政権とその飼い主の西側が悪いのであり、糧危機は西側の

    2023年6月 アフリカ代表団とプーチン大統領との会合 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2023/06/21
    「グローバルサウス」とか何か有意な集団に錯覚するけど、単に西側の価値観よりも自国の国益を優先してるってだけだし、ウクライナ戦争(を遂行するロシア)がアフリカ諸国の国益を損ねていると(正しく)理解してるよな
  • プーチン論説集の低アクセスにがっかり、それとマクロン - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    数日前に、プーチンの大統領就任からウクライナ侵略までの各種重要な演説や論説、記者会見の公式記録を集めで訳したものを作って、大統領任期毎に分析もいれたんだけれど、反応がなんか鈍いなと思ったところ、ページのアクセス数が三日ほどで2000件。 ……アクセスだけで2000しかないということは、まあ実際にダウンロードまでした人はその1割で200人、少しでも読んだ人は二桁がいいところか。いやあ、ここまでみんな興味がないとはびっくり/がっかり。多少は皆様のお役にたつと思っておりましたが…… cruel.hatenablog.com まあ仕方ない。 で、マクロンが習近平に懐柔されたとのニュースでここ数日は持ちきりだけれど、やっぱヨーロッパ (特に独仏英) 首脳というのは、まずアメリカと決別した独自路線というのに弱くて、そこを突かれると結構弱いみたい。そして結構打たれよわい。 上のプーチン論説集でも、その一

    プーチン論説集の低アクセスにがっかり、それとマクロン - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2023/04/12
    P.155に印刷ミスががが(唐突に文が「そして」や「出られずに」で終了/「写真」の本文が未収録で「ああ、まさに今のメドやん(誰?)てこの程度の価値しかない存在に成り下がってるよな」とある意味しみじみしました(本当
  • プーチン重要論説集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんかこんなのを作ってしまったので、読みたい人は読みなさい。何かお気づきの点があればご教示たもれ……と思ったら商業出版の話が出たので、無料公開は停止。 なお、ウクライナ侵攻のときの演説が変だという検討については、第4期のまとめp.222- と、その対比で第3期のまとめp.153-をお読みください。 プーチン重要論説集 (星海社新書) 作者:ウラジミール・プーチン星海社Amazon 例によって、デスクトップ環境ではしおり/目次リンクがめちゃくちゃになるので。Adobeに上げてpdf化した。昨日よりは便利になったかな?

    プーチン重要論説集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2023/04/09
    911まで読んだがとても面白い。「よきツァーリ」たらんとする姿勢が読み取れるし、間違いなく知的な意味で洗練されている(のだが目に入る(2011)という間違った年号に脳が引っ張られて読むときに困ったので直して欲しい
  • ブローデル『地中海』その他:前半は地中海世界の広がりを美しく描き出す名著だが、結論不満、また現代的妥当性は? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary ブローデル『地中海』は、特に前半は地中海を取り巻く環境、物質世界とそれをベースにした人間たちの活動を壮大かつ優美に描き出し、とても美しく豊か。でもそれがこれまでの歴史的な見方にどう影響するのか、後半で採りあげる事件や人物にどう影響し、歴史評価がどう左右されるのかがほとんど描かれず、不満。『文明の文法』で行った1970年代の現代社会の分析を見ても、彼の見方が特に鋭い視点を与えてくれたわけではないのは明らか。 おそらく1940年代には、こうした歴史把握それ自体が新鮮で革新的だったのだろうけれど、いまはそれが常識になって目新しさがなくなっている。同時に、関連書はすでに知見が古くて内容の妥当性もないそうだが、この大著はどうなんだ? 『地中海』は、全五巻のうち1-2巻だけ読んで描写の美しさを味わえばよいのでは? 文 うーん。 〈普及版〉 地中海 I 〔環境の役割

    ブローデル『地中海』その他:前半は地中海世界の広がりを美しく描き出す名著だが、結論不満、また現代的妥当性は? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2022/12/09
    『Lotus1-2-3でグラフが何とも気軽に出せるようになったのは80年代末』は名言。下部構造が上部構造を規定する(関係ないけどアシモフの短編で口述筆記(奥さんがタイプした)があったと記憶してるけどどれだったっけ?
  • プーチン『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について』(2021) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    プーチンが、ウクライナ侵略の9ヶ月前に発表した論文、というかアジ文。ウクライナロシアと一体、という文章のように題名だけ見ると思えるが、実際にはウクライナは常にロシアの庇護下にあったし、ロシアが守ってやらないとやってけないぜ、ついでにドンバスとかクリミアとか、ロシア系が多くてみんなロシアになびいているのにウクライナ政府がそれを邪魔してネオナチ国粋主義者が虐殺していて、西側がそれを支援していてけしからん、という文章。 2022年のウクライナ侵略におけるプーチンの考え方を示す資料としてときどき言及されるが、きちんとした訳をみたことがないので (きちんとしていない、機械翻訳以下の訳が東京都市大名誉教授によるものとして存在するようだ) 自分でやりました。翻訳は、クレムリンの公式英訳に基づいている. ロシア語との齟齬があるかもしれないが、チェックしていない. 付記:ロシア大使館の翻訳がすでにあった。

    プーチン『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について』(2021) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2022/12/01
    『「訳したということは賛成しているということだ」みたいなバカなこと』で大学の講義の教科書のテンニエスの解説本(講師が著者)がテンニエスの思想に批判的な内容だったの思い出した(講義も本も(ある意味)面白かった
  • 教養とは:漁父の辞と水処理 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 教養というと、実学に関係ないステータス財なのか、それとも実学にも役立つべきベースなのか、みたいな議論が起こる。だがその区別がない場合もあるし、それが理想かもしれないという気もする。大学の上水道学の講義で、屈原の「漁父の辞」に水処理の基原理が描かれていると、まさに我田引水 (水処理だけに) で強引に読み取ってしまった教授は、なんかそれに近いことをやっていたようにも思う。そこから、直接実学と関係なくても、それと関係あるものを引き出す契機、みたいな教養の捉え方はできないものか? 今日、イベントで教養について話せといわれてあれこれ駄弁ったのですよ。 lms.gacco.org その中で、教養の役割とかいう話になる。こう、教養というと、実学とは離れた古典知ってます、みたいな、ボリス・ジョンソンがホメロスをギリシャ語で暗唱できますとか、日なら四書五経だの漢詩だの

    教養とは:漁父の辞と水処理 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2022/06/10
    拙者は教養主義者なので、教養というのは一定量の知識が人格陶冶につながるという信念(誤解)だと割り切ってて実用性とか特に意識してないけど、実際はどうなんだろ(どう、とは
  • プーチン本その5−7:木村『プーチン』3巻セット:冗長な記述に埋没するが中身は悪くないし、最終巻は優秀。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 木村汎『プーチン』三部作 (藤原書店、2015-2018) は、書きぶりはあまりにひどい無内容な水増しぶり。だがその中身はかなりきちんとしている。プーチンの自伝的エピソードのごまかしも述べ、また変な柔道談義で舞い上がることもなく、北方領土返す気がないことも指摘。特に最終刊の「外交的省察」は、最初の二つのうんざりする書きぶりがかなり薄れ、北方領土に浮かれたりせず、変な親ロシアのイデオロギーに流されることもなく、きわめてポイントを押さえた冷静なよい記述になっていて、2022年のウクライナ侵攻に繋がる動きもまとめられている。最終刊だけは読むべき。前の二巻は……ウザい書きぶりに耐えられれば。 だいたい何かについて勉強したいときには、一番薄いを見て大枠つかみ、一番分厚いを見てそのテーマで出てくるネタを一通りおさえるのが通例。すると他のについては、各種情報がど

    プーチン本その5−7:木村『プーチン』3巻セット:冗長な記述に埋没するが中身は悪くないし、最終巻は優秀。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2022/06/03
    書籍の紹介記事として面白い(記事の内容が全部タイトルに要約されてるの、ある種の諧謔みが感じられる)。こういう水増し文体が高尚な文章だと錯覚してたのって、自分の場合は何歳ぐらいまでだったんだろう…
  • 殷代の甲骨占いの再現! メイカー的実証歴史研究。甲骨占いの割れ目の出方は操作できる! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 落合淳思『殷』は、落合の甲骨文研究に基づく、殷の社会についての分析で、非常にしっかりしていておもしろい。同時にその殷の研究自体が、直接資料である甲骨文を中心に研究しようとする立場と、後代の創作があまりに多い文献を重視する立場が交錯する場になっていることもわかり、研究の現在の状況が如実にうかがえるのも楽しい。 特におもしろいのは、中で紹介されている「殷代占卜工程の復元」(2006)なる論文。実際に骨を加工して甲骨占いを再現し、どこにひびが入るかは加工次第でコントロールできてしまい、実は占いなんかではなく、為政者の意志を後付で正当化するインチキだったことを暴く! 実際にやってみる手法も楽しく、安易なオカルト古代史や神権政治妄想を踏み潰し、古代人のずるさと合理性を実証できているのがすごい。 以前ほめたことのある落合淳思。 cruel.hatenablog.co

    殷代の甲骨占いの再現! メイカー的実証歴史研究。甲骨占いの割れ目の出方は操作できる! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2022/03/09
    古代三大占い(残りはふたつはローマの鳥占い、デルポイの神託。オレ調べ)は全部インチキもとい操作可能なの、納得感ある(鳥占いは原理上そうなるしかないけど、誰が発明したんだろ。
  • ラジオトークの存在意義などについて - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんかこんど、ラジオのレギュラーコメンテーターやることになったのよ。 www.joqr.co.jp サイトには出ていないけれど、ツイッターに出たからすでに解禁なんだと思う。番組全体が少し時間が遅れて長くなるとのこと。そしてその情報によると、山形は火曜の7:45あたりから、とのこと。ちなみにぼくの前が田中秀臣で、続いて山形になるらしい。 コメンテーターといってもニュースにいろいろつっこみ入れるだけなんだけど、2月末にゲストに呼ばれたとき、ミャンマーへのODA停止とテキサスの電力問題が主なニュースで、なんだかぼくの守備範囲ピンポイントであれこれしゃべれたので、使ってみようということになったんだと思う。だってミャンマーのODA再開したときの一号案件の一つだった、ヤンゴン配電網整備やってたし、その関係で電力の話はネタがいろいろあるのだ。その意味で、あれはたまたまあの日のネタがラッキーだった、という

    ラジオトークの存在意義などについて - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2021/03/23
    『さらに田中秀臣-山形浩生って、火曜日はうっとうしい朝になりそうだなあ』の破壊力。リラックマの緑茶飲む前だったから助かったけど、飲んでたらキーボードが大惨事になるところだった
  • キューバの経済 番外編: ノマドの夢と現実 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    キューバの話は書きかけがいくつかあるんだけれど、なんとなくまとめるところでモチベーションが落ちて放置してある。一つの理由は、コルナイ・ヤーノシュ『不足の政治経済学』を読んだら、ぼくが考えていたような話がすでにかなりきちんと考察されていて、ちょっと今さらかなあと思ってしまったことがある。コルナイ・ヤーノシュ*1、おもしろいから読んでねー。 「不足」の政治経済学 (1984年) (岩波現代選書〈90〉) 作者:コルナイ・ヤーノシュメディア: 単行 が、コルナイ・ヤーノシュとこの山形ごときを比べること自体不敬であるし、下々の俗人の考えとして今後少しずつまとめていこうとは思う。が、そういう気が向く前に、また余談となる。 モンゴルで、いろいろ常識が覆された話はすでにやったけれど、もう一つ大きかったのは、ノマド/遊牧民というものに対する理解が完全に変わったことだった。 ノマドとは何か? ノマド=遊牧

    キューバの経済 番外編: ノマドの夢と現実 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2019/07/15
    多分この構図は紀元前でも大差なく、族長たちは遊牧地の調整という形で部族を統率するとともに、近隣の別部族との利害調整の達人(と紛争時の指揮官)たらねばならないので、割と簡単に大帝国が発生してたんだろうなあ
  • お嬢さんは中東の石油相の遺産をもらえるそうです。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    まったくどうでもいい話だけれど、近くのカフェで御禁制品のファーウェイMatebook Xでかっこよく仕事をこなしていたところ、隣でそこそこ妙齢の女子が二人ダベっている。その一人曰く: 「なんか変な英語のメールがきたのよー、中東からでぇ、なんか億万長者の遺産があるので、その遺族を探して口座から遺産を出すのを手伝ってくれって」 おー、最近また少し増えてきたよねー、その手のメール、と思いつつ聞いていると、相手方は「なんかあやしーよねー、どうしてそんなの来たの-」とお返事。 最初の女子は「そーなのよー、なんか変でしょー、そんな話あり得ないよねー、その遺産の人の名前とか聞いたことないし、あたしその人と関係ないしー」、と非常にまっとうな疑念を表明していて、あー、ネットリテラシー教育も少しは浸透しているのねー、と感心して聞いていた。そのまま彼女は、いろいろ怪しいところを並べて、いちいちごもっとも。相手も

    お嬢さんは中東の石油相の遺産をもらえるそうです。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2019/07/13
    関係ないけど、今日、SMSで来たのは「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが略」で短縮URLが貼ってて、行き先は佐川を偽装したフィッシングサイトだった。こういうのってどこに通報すればいいの?(本当に関係ない
  • キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差が公式にはあまりないのはいいことかもしれない。が、あらゆる社会主義経済の常として、その低い格差は、全体を抑え込むことで実現されているものだ。配給制により、衣住は一応だれにでも確保されることにはなっている。でも、特に住では、物件ごとにロケーションも質もちがう。いいところに住めるかどうか? それは平等ではありえない。結果として、土地利用とか変な無駄だらけ。都心国会議事堂の真向かいに、おんぼろの、ぼくたちから見ればスラムみたいな住宅があり、そしてキューバ最大の商業目抜き通りである、オビスボ通りのど真ん中に、こんな服飾の縫製工場が平気である。日で言えば、銀座

    キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2019/03/01
    面白い。小室直樹のソ連経済評「全て貨幣は商品に恋する。しかしその恋路はなめらかではない(マルクスのパロディ)」を思い出した。
  • 統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが出た。しかし統計は、一かゼロか、完璧かすべて捏造か、というものではない。またその相互の関係も、機械的な関係があるということではない。信頼性の非常に広い幅の中で上下するだけなので、実際にどんな不備があってどのくらい影響を及ぼすのかを具体的に考えないと、妥当性のない陰謀論に流れてしまうだけだ。 はじめに しばらく前に、柳下毅一郎がこんなツイートをした。 アベノミクスで経済がよくなってるとおっしゃるリフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか。— Kiichiro Yanashita (@kiichiro)

    統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    cider_kondo 2019/01/26
    本題と全く関係ないが「国勢調査で宗教を「ジェダイ」と回答する動き」(ウィキペディア記事名)が面白く(ヘビメタ教徒は6,242人しかいない等)、つい全部読んでしまった。久しぶりにオーストラリア統計局のサイトも行った
  • 反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    しばらく間が空いた。で、反知性主義についての簡単なお勉強を経て、ぼくが手に取ったのは『日の反知性主義』だった。 このの題名は、明らかに『アメリカの反知性主義』を意識しているようだ。その一方で、この面子を見ると、ぼくが冒頭に挙げた『現代思想』の執筆者と重なるようであり、「反知性主義」を「バーカ」の意味で使う連中の集団のようにも思える。で、どうなのよ? それがぼくの興味だった。が、その前に…… 「反知性主義」をちがう意味で使ってはいけないの? まず、そもそも「反知性主義」を「バーカ」の意味で使ってはいかんのか? ぼくはそうは思っていない。ぜんぜん構わないと思う。ただ、その場合にはホフスタッターとかを引き合いに出してはいけない。まるで意味がちがうからだ。 なぜか? ホフスタッターのは、名著とはいえ決してだれでも知っているメジャーなではない。ぼくはたまたま、漠然とホフスタッター的な意味合い

    反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    cider_kondo
    cider_kondo 2018/11/29
    この記事に文句言ってる人は当然、ホフスタッターをすでに読んでるか、あるいは最低限http://cruel.hatenablog.com/entry/2015/08/20/185544 等は読んだ上でなお、山形さんの言ってることはおかしい、って主張してるんだよね?