人々を笑わせながらも考えさせる研究に贈られるイグ・ノーベル賞の授賞式が9月12日(現地時間)に米国ケンブリッジで行われ、“哺乳類が肛門で呼吸する方法”を発見した日本医科歯科大学の武部貴則教授らの研究チームが生理学賞を受賞した。日本人の受賞は18年連続となった。 研究のきっかけは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で重症化すると、呼吸不全などが最終的な死因となるケースがあったこと。一時話題になった体外膜型人工肺(ECMO:エクモ)は台数が限られる上、人体への負担も大きく、呼吸を補助する治療法が求められていた。 武部教授らが着目したのはドジョウの腸呼吸だった。ドジョウが水面に浮かび出て空気を飲み込み、肛門から気泡を出すことを古くから知られていたが、排出されるガスを分析すると酸素が減少し、炭酸ガスが増えることが先行研究で報告されていた。 人間など哺乳類の腸もドジョウと同様、腸管粘膜に毛