ポール・アンダースン「過去へ来た男」 (2008/06/04,藤本) [読書会要旨] 本作はタイムトラベルものとしては珍しく悲劇的な結末を迎える。この結末は時代的な差異への無理解が主な原因となっているが、我々はやはり環境に操られる人形でしかないのだろうか?それとも、現代という優位を利用してこれらの差異を超越することはできないのだろうか?当読書会の面々は現代人の優位にたいして否定的である。 作者紹介 1926-2001。アメリカ出身で、いわゆるSF黄金期の作家。ミネソタ大学在学中に、『明日の子ら』をF・ウォルドロップとともに執筆してデビュー。ハードSFを中心として、『タウ・ゼロ』や『タイムパトロール』などの古典的名作を次々に生みだし、ヒューゴー賞を7度、ネビュラ賞を3度獲得している。ちなみに、娘が一人いて、その娘の夫はグレッグ・ベア。 あらすじ 西暦993年のアイスランドの海岸に一人の男が現