Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 ドイツのTU Darmstadtの研究チームが発表した「Evil Never Sleeps: When Wireless Malware Stays On After Turning Off iPhones」は、iPhoneの電源をオフにしても実は稼働し続けていることを悪用して、攻撃者がマルウェアを実行しiPhoneの追跡などができる可能性を示唆した論文だ。 iPhoneは電源を切っても、電源管理ユニットがワイヤレスチップを個別にオンにし低電力モードで動作させる。ここでいう低電力モードとは、充電が少なくなってきた際に表示される黄色いバッテリーアイコンの省エネモードとは異なり、デバイスの電源