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ブックマーク / www.ringolab.com (8)

  • 人間集団の本質に迫る前衛的な映画『ドッグヴィル』と『マンダレイ』 - 情報考学 Passion For The Future

    ラース・フォン・トリアー監督脚の「機会の土地-アメリカ」三部作のうちの既に公開された2作品を観た。演劇舞台とナレーションを使った前衛的な表現にひきこまれた。 両作品とも倉庫のようなだだっ広い空間のみが映画の舞台。床には白線が描かれていて、それが家の境界線を表す。後は簡易的なセットがあるだけ。十数人の村人たちは、壁があるふり、ドアがあるふりをして、それぞれの家での家族の生活を演じている。カメラはその演技を追うのだ。 ・ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD] 大恐慌時代のロッキー山脈のさびれた鉱山町ドッグヴィル。貧しく保守的で平和な村に、ある日、ギャングに追われた娘グレース(ニコール・キッドマン)が迷い込む。村人たちは道徳心から彼女をかくまってやることにする。グレースはその代わり、村人たちのために奉仕労働をすることを約束した。 親切な村人たちと献身的なグレースの間に平穏な日々が続

  • 裸はいつから恥ずかしくなったか―日本人の羞恥心 - 情報考学 Passion For The Future

    ・裸はいつから恥ずかしくなったか―日人の羞恥心 ペリーの日遠征に随行した画家の「下田の公衆浴場」という絵には、全裸の男女が秘所を隠すこともなく混浴の浴場でくつろぐ様子が描かれている。若年や中年の男女が多いが、誰も互いの裸体に欲情していないし、恥ずかしさも感じていないことがみてとれる。この絵を見たアメリカ人は日人を「淫猥な人たちだ」といい、フランス人は「日人に羞恥心はない」といい、オランダ人は「男女の性別を気にしていない」といって驚き、そして軽蔑した。 150年前の日では「男女が無分別に入り乱れて、互いの裸体を気にしないでいる」のは普通だったのだ。江戸時代の日人にとって、裸体は顔の延長のようなものであり、現代人の我々がスッピンの顔を見られても恥ずかしくないように、裸を見られても平気だった。 江戸時代の日人がいかに裸に対しておおらかだったか、具体的な記録から明らかにされる。若い娘

  • 愛の空間 - 情報考学 Passion For The Future

    ・愛の空間 ・愛の空間 大変面白い。日独特の文化である「性行為専用空間」の歴史学。井上章一が10年がかりで書いた傑作。好事家もここまで極めると新学問の開祖といってもよさそう。 敗戦後の時期、皇居前広場は男女の屋外セックスの盛り場だったという衝撃の事実の解説から第一章が始まる。旅館やホテルが空襲で焼かれて性行為の屋内空間の確保が難しく、庶民にもお金がなかったために、当時の若い男女は夜になると皇居前広場で抱き合っていた。朝日新聞には「いっそ都がアベック専用の公園をつくって入場料をとれば、皇居前なども荒らされず、アベックも気がねなくてよかろう。」などという意見が記事になったそうである。 「待合」「蕎麦屋の二階」「円宿」「ラブホテル」など明治から現代までの性行為専用空間の変遷を、メディアの記録や文学の記述を丹念に追うことで検証していく。野山での開放的な交接スタイルから、閉じられた空間での愛の交歓

  • 13日間で「名文」を書けるようになる方法 - 情報考学 Passion For The Future

    ・13日間で「名文」を書けるようになる方法 高橋源一郎の明治大学大学院における「言語表現法」講義の書籍化。全13回の授業が学生とのやりとりを含めて収録されている。とてつもない名講義。言葉で語らず、インタラクションで考えさせるという高度な教授法を、毎回繰り出す。 初日、スーザン・ソンタグの「若い読者へのアドバイス」という名文が配られる。死期が近いことを悟った思想家が若者に向けて「心の傾注」という言葉をキーワードに真摯な忠告を短い手紙のように書きつづったものだが、「読み終わったら、その紙から目を上げ、窓の外を眺めてみてください。なんて美しい風景でしょう。このキャンパスのいいところは、こういうものが見られることです。すぐ横に、そんなに美しいものがあるのに、活字ばかり追いかけてはいけません。読んだものは忘れて、見ることに、傾注してください。」と先生。 オバマ大統領の演説、斉藤茂吉のラブレター、しょ

  • Passion For The Future: 今日の芸術―時代を創造するものは誰か

    今日の芸術―時代を創造するものは誰か スポンサード リンク ・今日の芸術―時代を創造するものは誰か このロングセラーで岡太郎の偉大さをしみじみ実感した。 「岡太郎はテレビのお陰で、眼玉ギョロリの爆発おじさんという印象だけで固定されているかもしれないけれど、このはじつに明晰な論理をもって書かれている」と解説に赤瀬川源平が書いているように、極めてわかりやすい芸術論である。同時に凄まじく情熱的な人生論でもある。 「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。芸術家はつねに前衛であれというメッセージ。 「芸術は、つねに新しく創造されなければならない。けっして模倣であってはならないことは言うまでもありません。他人のつくったものはもちろん、自分自身がすでにつくりあげたものを、ふたたびくりかえすということさえも芸術の質ではないのです。このように

    closer
    closer 2007/07/28
    この本はほんとうにすごい本です
  • Passion For The Future: 経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには

    経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには スポンサード リンク ・経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには とにかく面白い視点が満載でいっきに読めた。 経済学を使って、世の中の仕組みをひもとく。副題の「お金がない人を助けるには」だけではなくさまざまな話題がある。 ・16歳の時の身長が現在の賃金に影響している「身長プレミアム」の理由 ・重役の美男美女度が高いほど企業の業績がよいのはなぜか ・「イイ男は結婚している」のか、「結婚してイイ男になる」のか ・プロスポーツチームは強ければ強いほど儲かるのか? ・野球の勝敗における監督の力ってどれほどあるのか? などなど。 気になる俗説の真偽究明や、意外な事実の深追いという導入が多いので、興味を持って読みやすい。そして、ちゃんと最後は経済学的な説明をつけて読者を納得させる。 年功賃金と成果主義について真正面から考える部分が特に個人的には勉強

    closer
    closer 2007/06/20
  • Passion For The Future: 大人の写真。子供の写真。

    大人の写真。子供の写真。 スポンサード リンク ・大人の写真。子供の写真。 53歳のカメラマンと姪の6歳の女の子が一眼レフカメラを持って表に出る。同じ場所を撮影した大人の写真と子供の写真を見開きに並べて、カメラマンがコメントを書く。その繰り返しで一冊のができあがった。コンセプトが素晴らしい。 「大人は作品にしようとする」「子供は撮りまくる」 「大人は意味を探そうとする」「子供にはもともと意味なんてない」 大人は構図を考えて画面に意味を作り出そうとする。それなりに整った絵になるがありがちなフィクションになってしまう。それに対して子供の写真は視線そのものだ。被写体を見たままに写しているから、見る者がそこから意味を汲み取ろうとする。大人の写真より、子供の写真の方が印象が強いものになっていたりして、面白い。 大人が街頭でスナップを撮ろうとすると写される側は警戒したり、構えたりしてしまう。子供が撮

    closer
    closer 2007/06/15
  • Passion For The Future: わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

    わかったつもり 読解力がつかない当の原因 スポンサード リンク ・わかったつもり 読解力がつかない当の原因 わかりやすくて面白いだ。 読解において問題なのは、「わからない」ことよりも「わかったつもり」という状態である、という問題提起がある。「わかったつもり」は「わかった」状態のひとつなので、それ以降の探索を妨害し、浅いわかりかたから抜け出すのを困難にする厄介な状態である。 わからない、わかる、よりわかるとは、このの要約によれば、 「 1 文章や文において、その部分間に関連がつかないと、「わからない」という状態を生じます 2 部分間に関連がつくと「わかった」という状態を生じます 3 部分間の関連が、以前より、より緊密なものになると、「よりわかった」 「よりよく読めた」という状態になるのです。 4 部分間の関連をつけるために、必ずしも文中に記述のないことがらに関する知識を、また読み手が

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