量子ドット――それは、富士通研究所と東京大学先端科学技術センター荒川泰彦教授グループの研究室が、産学連携で協同開発したナノメートル(10億分の1メートル)サイズの微小な半導体のことである。この半導体微粒子を用いた量子ドットレーザは、従来の半導体レーザを凌駕する特性を持つとして注目されている。 富士通研究所は、光ファイバの高速・大容量伝送に向けて、この量子ドットの特性を生かした半導体レーザを研究してきた。そして、2006年4月20日に、出資比率を富士通61%、三井物産39%で光デバイスベンチャーの「QDレーザ」を設立。富士通は、量子ドット半導体結晶製造技術とレーザ設計・評価、プロセス技術、および関連人材とをカーブアウトして、世界で初めて量子ドットレーザを光源にした中・長距離の光通信技術を実用化しようとしている。 量子ドットは「0次元」 量子ドットレーザは、半導体レーザの一種といえる。半導体レ