稲作が始まった弥生時代、当時の農具で本当に水田を耕せたのだろうか――。弥生・古墳時代の農具を復元して実際に水田を耕す全国的な研究が4月に始まり、山形大学術研究院の白石哲也准教授(37)が参加する。白石准教授は「実験によって、これまでの弥生時代像が変わるかもしれない」と話している。【日高七海】 首都大学東京の山田昌久教授を中心に、山形大、静岡大、岡山理科大、各地の博物館などが参加する実験考古学的研究で、山形大は東北地方を担当する。 弥生時代は中国から水田農法が伝わり、稲作が始まったとされる。白石准教授によると、仙台市などの水田遺跡の堆積(たいせき)層のうち、農具に鉄製の刃を付けるようになった古墳時代と比べ、弥生時代は掘削した痕がほとんど見当たらず、耕さない「不耕起農法」だった可能性があるという。