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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (14)

  • あの名画は、ミイラから作られた絵の具で描かれていたのか?

    1830年の作品「民衆を導く自由の女神」を描いたのは、フランスの有名画家ウジェーヌ・ドラクロワ。ドラクロワは、砕いて粉にしたミイラから作られた絵の具を使っていた。 ウジェーヌ・ドラクロワが描いた中で、一二を争う有名な絵画が「民衆を導く自由の女神」だろう。1830年の7月革命を主題とした、フランスの国民精神が体現されていると評される一作だ。パリのルーブル美術館に収蔵されているこの作品は、館内でも人目を引く場所に飾られている。 この絵には、女神に導かれる人々が描かれている。そして人間が描かれているだけではなく、「人間そのもの」が使われて描かれているかもしれないのだという。 16世紀から1900年代初頭まで、ヨーロッパの画家たちは、人間の遺体であるミイラを原料とした絵の具を使っていたことが分かっている。ドラクロワもそうした画家の一人だった。画家たちは「マミーブラウン(ミイラの茶色)」と名付けられ

    あの名画は、ミイラから作られた絵の具で描かれていたのか?
  • 中世の暗殺教団「アサシン」は実在したのか 通説を検証

    シリア、マサイフに残るニザール派の要塞跡。「アサシン派」との蔑称で呼ばれることもあるニザール・イスマイル派。中世、要塞化された城を拠点に活動していた。(PHOTOGRAPH BY AGEFOTOSTOCK, ALAMY) かつて中東には暗殺者の秘密集団があり、一帯を支配していた――これは事実とは違う伝説で、十字軍時代の年代記やビデオゲームのために脚色を加えて作り上げられたものだ。 一方で「Assassin(アサシン、暗殺者)」という言葉は、「ニザール・イスマイル」というイスラム教の一派に対して使われていた蔑称に由来するものだ。彼らはイスラム教シーア派から分派した秘密主義の集団で、短命だが政権を樹立した。このニザール派について、もう少し詳しく見ていこう。 ニザール派の起源は、西暦632年に起こったイスラム教最初の分裂にまでさかのぼる。預言者ムハンマドの後継としてだれがイマーム、すなわち指導者

    中世の暗殺教団「アサシン」は実在したのか 通説を検証
  • ヤマアラシの密猟が横行、狙いは体内の「石」

    東南アジアでは、ヤマアラシの密猟が横行している。中国伝統医学の薬として、未消化の植物が消化管内で固まった胃石が求められているためだ。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK) ヤマアラシが乱獲されている。目当ては、消化管内で未消化の植物が固まった「ベゾアール」と呼ばれる胃石だ。野生生物取引の専門家によれば、ヤマアラシは東南アジア全域で危険にさらされているという。 ヤマアラシの需要があるのは、主に中国。ヤマアラシの胃石に強力な薬効があり、糖尿病やデング熱、がんを治すことができると一部で信じられている。ただし、胃石の治療効果を裏づける科学的証拠は存在しない。 胃石はそのままか、あるいは粉末状で販売され、数オンス(1オンス=約28.35グラム)で数百ドル、さらには数千ドルの値が付く。特に珍重されるのは深紅の「血の色」をし

    ヤマアラシの密猟が横行、狙いは体内の「石」
  • 食べてみたい世界のパン8選、文化と歴史も

    2018年、パリ一番のバゲットを決めるコンテストでグランプリに輝いたマフムード・ムセディ氏。バゲットはフランスの象徴で、とても神聖なため、国の法律に成文化され、厳格に保護、規制されている。(PHOTOGRAPH BY DMITRY KOSTYUKOV, THE NEW YORK TIMES/REDUX) 今からおよそ1万4400年前、現在の中東ヨルダンで、パン種の入っていない円形のパンが焼かれた。2018年にこの地域で、古代の炉から黒焦げのパンが発見されたのだ。 それまで、パンをべる習慣は約1万年前に始まったと考えられていた。ところがこの発見は、狩猟採集民が定住し、農耕を開始するはるか以前からパンがつくられていたことを示唆している。つまり、パンが私たちの生活にどれほど長く根付いていたかについて、定説が覆されたということだ。 今やパンは、私たちの卓にも心の中にも、不動の地位を築いている。

    食べてみたい世界のパン8選、文化と歴史も
  • 土星の1日の長さが判明、太陽系で唯一謎だった

    土星の環の一部に体の影が落ちている。NASAの探査機カッシーニが2016年10月に最後に撮影した数点の画像を合成したもの。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE) 土星を取り巻く繊細な環。美しいのはもちろんだが、魅力はそれだけではない。信じられないような科学的な事実も打ち明けてくれるのだ。 このほど天体物理学の学術誌「The Astrophysical Journal」に、環に生じる波を利用して、土星の1日の長さを解明した論文が発表された。論文によると、土星の1日は10時間33分38秒であるという。科学者たちはこれまで、土星の1日の長さがわからないことを何十年も歯がゆく思っていた。 これは重要な発見だ。「太陽系のどの惑星についても、1日の長さは根となる特性ですから」と、NASAの土星探査機カッシーニのミッションに参

    土星の1日の長さが判明、太陽系で唯一謎だった
  • 「汗をかいてデトックス」はウソだった、研究報告

    ニューヨーク市で遠赤外線サウナを楽しむ女性。遠赤外線サウナには様々な健康効果があるが、汗で毒素を排出できるといううたい文句は科学的に証明されていない。(PHOTOGRAPH BY LAUREL GOLIO, REDUX) 発汗は、今や健康や美容のトレンドになっている。遠赤外線サウナからホットヨガまで、タオルが汗でびっしょりになるアクティビティはリラクゼーション効果があるだけでなく、体の毒素を排出して健康を保つとも言われている。 だが、汗をかいて毒素を排出するという説は、汗をかいて弾丸を搾り出すというのと同じくらいありえない話であることが、最新の研究で明らかになった。科学者たちも長年密かに疑っていたことだが、汗と一緒に毒素も排出されるというのは、都市伝説に過ぎなかった。 人間が汗をかくのは体温を下げるためであって、老廃物や有毒物質を排出するためではない。その役目を負うのは、腎臓と肝臓である。

    「汗をかいてデトックス」はウソだった、研究報告
    consigliere
    consigliere 2018/04/13
    肝臓と腎臓にがんばって働いてもらうしかない。以上。
  • 氷の原野でスケートしまくる映像がすごい

    【動画】アラスカの荒野を滑る。ナショナル ジオグラフィック「Short Film Showcase」で紹介中のショートフィルム。 氷の洞窟を抜けて、周囲の山々にスピンを披露したり、冒険好きの犬を従えて、崩れかけの氷河を駆け抜けたり。米国アラスカ州の氷原を舞台にしたバックカントリー・アイススケートにお決まりの方法はない。川や湖に張った天然の氷を見つければよいのだ。(参考記事:「水の上に立つ男、写真は合成?」) 映画制作者のケイル・グリーン氏とパクソン・ウォエルバー氏はバックカントリー・アイススケートの知名度を高めるため、冬のアラスカ南部を2年にわたって旅して回り、「Wild Ice(ワイルド・アイス)」という素晴らしいショートフィルムにまとめた。ジグザグ形のキーナイ湖、気軽にアクセスできるシェリダン氷河など、アラスカを代表する自然の驚異をドローンで空撮し、スケートを楽しむ人々と対比してみせた

    氷の原野でスケートしまくる映像がすごい
  • 【動画】雲に11の「新種」を追加、国際雲図帳

    人工衛星が地球を最初に撮影し始めたとき、上空から大きなスケールでとらえたその画像は、我々の大気に対する認識に革命を起こした。そして今、スマートフォンなどのパーソナルテクノロジーの登場が、見上げた空について新たな見地をもたらそうとしている。(参考記事:「宇宙から見た地球と雲の最新鮮明画像9点」) そうしたパーソナルテクノロジーの普及をきっかけとして、世界気象機関(WMO)が雲の分類の国際基準である「国際雲図帳」に、新たに11の分類をラテン語で加えることになったのだ。 異常気象の接近を告げる乳房雲。米アイダホ州ホースシューベンド付近。(PHOTOGRAPH BY DAVID R. FRAZIER PHOTOLIBRARY, ALAMY)

    【動画】雲に11の「新種」を追加、国際雲図帳
  • 酒と人類 9000年の恋物語

    アルコールと人間の縁は古く、その始まりは先史時代とみられている。酒は誕生以来、人類の文化に深く関わり、芸術や言語、宗教の発展に寄与してきた。 文=アンドリュー・カリー/写真=ブライアン・フィンク 現代人にとって、酒は魅力的な飲み物だ。酒に含まれるエタノール(アルコールの一種)には、脳内でセロトニン、ドーパミン、エンドルフィンなどの放出を促進する働きがある。つまり、酒を飲むと不安が和らぎ、楽しい気分になるのだ。さらに最近の研究によれば、人類の歩みのなかで、酒は極めて重大な役割を果たしてきた可能性があるという。 人類の祖先が木から下りた理由 樹上に暮らし、果実をべていた人類の祖先にとって、エタノールにはまた別の魅力があったはずだ。特有の匂いは果実のありかを教えてくれるし、熟して腐りかけた果物は消化が容易で、カロリー源として効率がいい。エタノールの殺菌作用のおかげで、有害な病原菌が繁殖しにくい

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  • 封印を解かれた「キリストの墓」の新事実 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    イスラエルのエルサレム旧市街にある聖墳墓教会で、イエス・キリストの遺体が埋葬されていると伝えられる墓の調査が行われた。墓を覆い包むように建っているこの教会は、何世紀にもわたって破壊や修復が繰り返されてきたが、これまでに判明した調査結果からは、来の墓の一部が今も残っているらしいことがわかってきた。(参考記事:「『キリストの墓』数世紀ぶりに開けられる」) この墓はキリスト教世界で最も神聖な場所で、石灰岩の洞窟の壁を削って作られたもので、「石墓」と呼ばれている。石墓の上には、遅くとも西暦1555年、あるいはそれよりも数世紀前から、大理石の板がかぶせられていた。この覆いが設置されたのは、熱狂的な巡礼者が墓から石の欠片を記念品として持ち去るのを防ぐためだと言われている。 大理石の覆いが外された10月26日の夜、ギリシャのアテネ国立技術大学の保存担当チームが行った最初の調査では、覆いの下に敷かれてい

    封印を解かれた「キリストの墓」の新事実 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • 「キリストの墓」数世紀ぶりに開けられる

    エルサレムの聖墳墓教会内で、イエス・キリストの遺体が安置されたという石墓を囲んで建てられた聖堂「エディクラ」の修復作業が行われている。(PHOTOGRAPH BY ODED BALILTY, AP FOR NATIONAL GEOGRAPHIC) イスラエルのエルサレムで、キリストの墓と伝えられる石墓の覆いが数世紀ぶりに取り外された。この墓はエルサレム旧市街の聖墳墓教会内にあり、遅くとも西暦1555年から、おそらくそれよりも何世紀も前からずっと、大理石の板で覆われていた。(参考記事:漆喰の下に12世紀のモザイク画を発見、聖誕教会) 修復プロジェクトの協力者で、米ナショナル ジオグラフィック協会付き考古学者のフレデリック・ヒーバート氏は、「石墓を覆う大理石の板を取り除くと、下に充填材が詰めてあって、その量の多さに驚きました」と言う。「科学的分析にはかなりの時間がかかるでしょうが、ついに、キリ

    「キリストの墓」数世紀ぶりに開けられる
  • ロビンソン・クルーソー「実在神話」の真相

    無人島でヤギと遊ぶ海賊のアレクサンダー・セルカーク(後ろに見える家の描写は正確ではない)。セルカークはロビンソン・クルーソーのモデルと考えられているが、研究者たちは違和感を訴えている。(PHOTOGRAPH BY MARY EVANS PICTURE LIBRARY, ALAMY) 英国の作家ダニエル・デフォーが1719年に小説『ロビンソン・クルーソー』を発表した当時、実在する海賊のサバイバルを描いた物語は文学の主要なジャンルの一つだった。デフォーはこうした物語の影響を受け、乗っていた船が沈没し、孤島に流れ着いた英国人を主人公にした小説を書いた。内容は典型的な漂流記だったが、この物語はたちまち人気となり、最初の1年間に何度も重版されるほどだった。(参考記事:2006年8月号「カリブ最強の海賊『黒ひげ』」) 1731年にデフォーが死去した後、ロビンソン・クルーソーのモデルは無人島で4年半を過

    ロビンソン・クルーソー「実在神話」の真相
  • 約400歳のサメが見つかる、脊椎動物で最も長寿

    別の調査のため、タグ(標識)を打たれてからリリースされたニシオンデンザメ(Somniosus microcephalus)。グリーンランドのウマナック・フィヨルドで撮影。(photograph by Julius Nielsen) 北大西洋に生息する大型のサメ、ニシオンデンザメが400年近く生きることがわかり、デンマーク、コペンハーゲン大学の博士研究員であるユリウス・ニールセン氏らが科学誌「サイエンス」に発表した。 ニシオンデンザメ(Somniosus microcephalus)は体長5~6メートルにも成長する一方で、1年に成長するのは約1センチと遅い。そのため長寿であると推測されていたが、軟骨しかもたないサメには石灰化する骨などの組織がないため、従来の方法では簡単に分析できず、その年齢や寿命は謎に包まれていた。(参考記事:「【動画】超貴重!巨大深海ザメの撮影に成功」) 今回、ニールセン

    約400歳のサメが見つかる、脊椎動物で最も長寿
  • スキタイの黄金の埋葬品を発掘、「世紀の大発見」

    バケツ型の器が2つ、杯3つ、指輪1つ、首輪2つ、腕輪1つ。ロシア南部にあるスキタイ人の墳丘墓から発見された純金の埋蔵品の数々だ。(Photograph by Andrei Belinsky) ユーラシア大陸の広大な草原をおよそ千年間にわたって支配した騎馬民族。彼らは古代ギリシャ人やペルシャ人を恐怖で震え上がらせたが、都市や住居の痕跡は一切存在せず、今はただモンゴルから黒海にかけて広がる草原にクルガンと呼ばれる墳丘墓が点々と残るのみ――。 ロシア南部のカフカス山脈にあるそのクルガンから、このほど興味深い発見が報告された。見つかったのは、騎馬民族のなかでもギリシャの歴史家ヘロドトスがさまざまな偉業と麻薬の儀式について書き残した勇猛にして謎の人々、スキタイの黄金の埋葬品だ。 「これは世紀の大発見です。これまでに一帯で発見された中でも、とりわけすばらしい逸品です」。ドイツ、ベルリンにあるプロイセン

    スキタイの黄金の埋葬品を発掘、「世紀の大発見」
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