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ブックマーク / chigau.hatenadiary.jp (29)

  • ある劇作家からのコメントへの返答(その3)―戯曲の著作者が有する同一性保持権とはどのようなものか?― - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 今日も劇作家のOさんからいただいたコメントに対するお返事です。*1 自分でもちょっとしつこいと思っていますので、Oさんへのお返事は、さしあたり、今日で最後にしたいと思っています。 例によって、最初に、今日初めてこのサイトを読む方のために、論点を簡単に確認しておきます。 私は、著作権法第38条第1項*2の規定により、既成の戯曲を上演する場合には、非営利・無料・無報酬の条件を満たせば、原則として、権利者に無許諾・無料での上演が認められるはずだと考えています。 っていうか、普通はそう考えると思うのです。 ただし、著作権法第50条は「この款の規定は、著作者人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない」と定めているので、38条1項により無許諾・無料での上演が認められる場合でも、同一性保持権*3が保障されます。 ですから、私は、この点をどう考えるかについては法律解釈上の課題があることも認

    ある劇作家からのコメントへの返答(その3)―戯曲の著作者が有する同一性保持権とはどのようなものか?― - ちょっと違うんちゃうNEO
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    copyright 2011/08/27
    これらの一連のエントリーは必読。
  • ある劇作家からのコメントへの返答(その2)―そもそも権利制限規定とはなにか― - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 さて、今日は劇作家のOさんからいただいたコメントに対するお返事、その2です*1。 今日はちょっと長くなりそうです。 では、早速いただいたコメントを読んでみましょう。 2011年6月17日付のものです。 あなたのおっしゃることは、「高校演劇が既成を上演する際に上演許可をとることがおかしい。無断上演で構わない。その法的根拠は、著作権法第三十八条に『入場料をとらず、キャストなどにギャラが支払われない限り、上演許可をえなくてもいい』というところがご発言の根拠になっていると思量いたします。著作権法は平成十年代にあいついで改変され今日に至っております。わたしは戯曲の使用にあたっては、かならず著作者の許可を得なければならないと考えております。一つは、芸術的な倫理観であります。ご存じだとは思うのですが、演劇の三要素は「観客、戯曲、役者」であります。演劇が演劇たり得るかくべからざる要素です。

    ある劇作家からのコメントへの返答(その2)―そもそも権利制限規定とはなにか― - ちょっと違うんちゃうNEO
  • ある高校演劇部顧問からのコメントへの返答(その1) ―脚本への歌詞の引用をめぐって― - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 私がブログの更新ができずにいる間に、先日紹介した大橋むつおさん*1以外にもコメントをいただきました。 今日はそのなかから、高校の舞台芸術部(=演劇部)の顧問をされている片岡直史さんからのコメント*2を取り上げます。 早速、いただいたコメント(主要部分)を見てみましょう。 さて、「第38条*3」関係で、私が経験した、もしかすると参考にしていただけるかもしれないケースを御紹介します。それは、「脚に曲の歌詞の一部を使う」場合の、JASRAC出版部の見解です。 高校演劇の大会で何かを上演しようとする場合、上演校は必ず脚を審査員と舞台スタッフ(照明・音響・舞台)に提出します。JASRAC出版部が言われたのは、「学校で部員が使う脚に歌詞の一部を書くことは、著作権法第38条が適用され、利用許諾を得る必要はない。しかし、学校外の人に見せることが前提となっている場合は、一般の出版物同様、

    ある高校演劇部顧問からのコメントへの返答(その1) ―脚本への歌詞の引用をめぐって― - ちょっと違うんちゃうNEO
  • ある劇作家からのコメントへの返答(その1) ―権利制限規定と同一性保持権の関係をめぐって― - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 たいへんご無沙汰しています。 今年前半もいろいろありました。 そんななかで印象に残ったのは、『南へ』公演中の野田秀樹さんの言葉。そう「劇場の灯を消してはいけない」*1ですよね。 私が観た芝居では、作・井上ひさしさん、演出・栗山民也さんの2作品(『日人のへそ』、『雨』)、生誕50周年の三谷幸喜さんの『国民の映画』、『ベッジ・パードン』が他を寄せ付けない別格の出来でした。 また、初演を見逃した『焼肉ドラゴン』もようやく観ることができました。 北区つかこうへい劇団解散公演も5拝見しました。ひさしぶりにつか芝居に出演された神尾佑さん、吉田智則さんの演技が印象に残りました。 さてその間に、劇作家のOさんから2つのコメントをいただきました。しかもコメントの1つは半年以上も前にいただいていて、なかなかきちんとお返事ができず失礼してしまいました。 そんなわけで、今日はOさんのコメントに私

    ある劇作家からのコメントへの返答(その1) ―権利制限規定と同一性保持権の関係をめぐって― - ちょっと違うんちゃうNEO
  • 高林龍先生の著書が著作権制限に熱い件 −高林龍『標準 著作権法』を読む(その1)− - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 最近、高林龍先生の『標準 著作権法』(有斐閣、2010年12月)*1が出版されました。 で、とりあえず日橋の丸善で立ち読みしてみたんですが…、私、気がついたらレジに並んでました。 この、かなり、すごい内容になっています。 まだご覧になっていない方は是非とも手にとってみてください。 体価格2500円とリーズナブルな価格設定です。 で、今日はそのすごいところを紹介します。 とはいえ、私ことですから、権利制限規定、なかでも、著作権法第38条1項(営利を目的としない上演等についての権利制限)に注目していきます。 さて、まずはいつもの確認からです。 著作権法38条1項により、公表された演劇の脚は、(1)営利を目的とせず(非営利)、(2)観客から料金を徴収せず(無料)、(3)実演家に報酬を支払わない(無報酬)という3つの条件を満たせば、著作権者に無許諾かつ上演許諾料無料で上演する

    高林龍先生の著書が著作権制限に熱い件 −高林龍『標準 著作権法』を読む(その1)− - ちょっと違うんちゃうNEO
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    「標準著作権法」(isbn:9784641144224)は購入済み。まだ読んでないけど、読まないと。
  • 土肥一史「著作権法の権利制限規定の性質」を読む ―土屋俊「演劇研究者のための著作権セミナー」に対する疑問に関連して― - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 さきほど、なんとなく、Googleで「演劇 著作権」で検索してみたんです。 で、上位から順番に見ていったところ、5番目に土屋俊先生の「演劇研究者のための著作権セミナー」のPDFファイル*1が・・・(2010年12月13日13時30分・日時間現在)。 ご存じの方も多いかと思いますが、土屋先生は、哲学や情報倫理の専門家ですが、千葉大学付属図書館の館長を務めていらっしゃったことから、大学図書館と著作権の問題にも積極的に関わってこられた方です。 で、何でまた、その土屋先生が演劇研究者のために著作権について語ったのかは、私には知る由もありません。 が、資料を見てみると・・・、気になる記述があるではないですか。 なかでも私がとくに気になったのは、資料の7枚目(「一般的な誤解だと思うこと」)と8枚目(「契約は法律に優先する」)です。 まず7枚目です。 土屋先生によれば・・・。 (1)「権

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  • 斉藤博「新著作権法と人格権の保護」を読む - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 私は、ここしばらく、全国高等学校演劇協議会の「著作権ガイドライン」*1のことを取り上げてきました。 が、こんなことばっかり書いていると、その世界の方からはイチャモンつけてるみたいに思われてるんじゃないかと、結構ヒヤヒヤしています。 そこで、今日のエントリーでは、高校演劇と上演許可について考える地道な作業を進めてみたいと思います。 なお、現在、私のおもな関心は、高校演劇における上演許可について、著作者人格権(とくに同一性保持権)*2との関係をどう考えるかにあります*3。 さて、今日読むのは、斉藤博先生の論文「新著作権法と人格権の保護」*4です。 古い論文ですが、著作者人格権の基的な事柄について知るうえで、有益な部分もあります。 なお、表題にある「新著作権法」というのは、1970(昭和45)年に成立した現行の著作権法のことです。 同一性保持権に関する記述で目を引くのは、同一性保

    斉藤博「新著作権法と人格権の保護」を読む - ちょっと違うんちゃうNEO
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    copyright 2010/12/07
    興味深いエントリ。このエントリで引用されている斉藤博氏の懸念は、結果としてはむしろ逆方向で当たっていると言える。限定された範囲で設けられたはずの権利が、いつの間にか所与のものとしてひとり歩きを始めてい
  • 全国高校演劇協議会が、高校生が非営利・無料・無報酬で上演するときにも、上演料5000円を支払うよう指導する理由とは?(その2) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 全国高等学校演劇協議会が作成した「著作権ガイドライン」*1についての検討を続けます。 まず、前回*2の確認ですが・・・。 全国高校演劇協議会は、高校演劇部の非営利・無料・無報酬で脚の改変がない上演についても「上演許可」を取ることを「高校演劇独自のルール」だと定め、権利者に対して上演料5000円の支払うよう指導しています。 著作権法は、非営利・無料・無報酬かつ脚の改変がない上演について、権利者に無許諾かつ上演料無料で上演することを認めているのに*3、これは、いったいぜんたい、なぜなのでしょうか? 私の仮説は・・・。 何らかの理由で、全国高校演劇協議会が、権利者側(劇作家)の意向に添う対応を迫られてしまっているためではないかと思います。 うーん、少し違うか? 全国高校演劇協議会が、権利者の団体と法的な話がきちんとできなくて(弁護士とかにちゃんと相談しているんでしょうか?)、か

    全国高校演劇協議会が、高校生が非営利・無料・無報酬で上演するときにも、上演料5000円を支払うよう指導する理由とは?(その2) - ちょっと違うんちゃうNEO
  • 全国高校演劇協議会が、高校生が非営利・無料・無報酬で上演するときにも、上演料5000円を支払うよう指導する理由とは?(その1) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 全国高等学校演劇協議会が作成した「著作権ガイドライン」(以下「ガイドライン」と略します)*1についての検討を続けます。 「ガイドライン」は、高校演劇で既成の脚を上演する場合の上演料について、次のように書いています。 高校演劇では、上演許可を取ると同時に上演料を支払うことになっていますが(以下略) この文言は(高校演劇が、通常、非営利・無料・無報酬で上演されていることを考えると)、にわかには信じがたいものです。 著作権法が、非営利・無料・無報酬での上演は、権利者に無許諾かつ著作権使用料の支払いなしに、上演できることを定めているからです*2。 ただし、法的には、このような場合にも、同一性保持権*3は、影響を受けないとされているので、著作者の意に反する脚の改変はできません。 が、前回のエントリー*4でご紹介したとおり、そもそも全国高校演劇協議会は、次のような論理で、高校演劇部の

    全国高校演劇協議会が、高校生が非営利・無料・無報酬で上演するときにも、上演料5000円を支払うよう指導する理由とは?(その1) - ちょっと違うんちゃうNEO
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    copyright 2010/11/27
    高校演劇における脚本の改変はほとんど全部「やむを得ない改変」になると思う。それで良いじゃん。
  • 全国高校演劇協議会が「著作権ガイドライン」をアップしていた - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。ご無沙汰しています。 ビッグニュースです! あの全国高等学校演劇協議会が、「著作権ガイドライン」*1を公式サイトにアップしています。 今年の9月23日にアップされたようです(サイトに具体的な更新履歴が書いていないので定かではありませんが・・・)。 しかも、内容がなかなかよい!*2 とにかく、最初から通して読んでみてください。 いやあ、全国高等学校演劇協議会にもわかっている人はいたんですね。 権利制限規定についてもちゃんと説明してありますよ! 引用します。 ☆ 著作権の制限 「著作権の制限」とは、「著作権」が消滅していない著作物であっても、いくつかの場合では、例外的に著作権者から許可をえずに上演・演奏したり、複製したりして利用することが可能になるというものです。例えば、個人で楽しむ場合の音楽の複製は許可がいりませんし、ルールを守ったうえでの「引用」も許可がいらないことになっていま

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  • 著作権法第38条1項に関するあるコメントへの返答 - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 今日は、最近のエントリーとは少し違った切り口で書きます。 なるべく著作権法上の問題に限定したいと思いますが、テーマの性質上、いつも避けている演劇の世界の実情にも言及せざるをえません。 アマチュアで演劇の脚を書かれている森崎啓介さんは、ご自身のサイト*1で自作の脚を公開されています。 森崎さんは、上演許可や著作権使用料等についての説明をたいへんていねいにつくられていて、私はかなり感動しています。 もし、あなたがまだ森崎さんのサイトをご覧になったことがなければ、ぜひ1度見てみてください。 私が、森崎さんの説明がすごいなあって思うのは、法律がよく分からない人が読んでも、すーっと内容が理解できるように書かれているところです。 井上ひさしさんがいう、「難しいことを易しく」書くってやつですね。 たとえば「よくある質問」のページでは、「上演許可が必要ないケースもあると聞きましたが、

    著作権法第38条1項に関するあるコメントへの返答 - ちょっと違うんちゃうNEO
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    copyright 2010/09/12
    すばらしい!”脚本を「使う」に対応するものを、音楽でいうと楽譜を「使う」であって、それは、誰か他人が作った曲を演奏するってことです。”その通り!
  • 著作権法第38条1項と上演許可・同一性保持権(成井豊さんの例) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 今日は成井豊さんの事例*1を取り上げます。 成井さんは演劇集団キャラメルボックス(高校生にも大変人気のあるプロの劇団)で作・演出を手がけられています。 まず1つ目の問題、著作権法第38条1項に直接関わることからです。 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演であれば、著作権者に無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています*2 。 しかし、成井さんの作品の上演許可について、ネビュラプロジェクト(キャラメルボックスのマネージメントを行っている会社)のサイトには次のような記載があります。 最初に、「キャラメルボックス上演許可ページ」です*3。 このページがキャラメルの作品を上演したいと思った人が最初に見るものです。 キャラメルボックスの上演台を使用する場合には、上演許可が必要となります。 この許可を得ずに公演を行うと著作権法に反する違法行為とみなされてしまいますの

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  • 著作権法第38条1項と上演許可(三谷幸喜さんの例:再論) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 このエントリーは、先日の三谷幸喜さんの記事*1の書き直しです。 三谷幸喜さんは、自分が積極的に関わらないところで自身の作品が上演されることを認めていません。 それは、アマチュアの演劇はもちろんですが、上演するのがプロであっても同様です。 三谷さんは、『オケピ!』の「付記」に、次のように書いています*2。 これは、パルコ・プロデュースのミュージカル『オケピ!』の上演台です。 これを読み、よし自分たちもこれを上演してみよう、と思った方がいたら、出来れば止めてください。 これは、あくまで「読み物」であり、そういうことのために活字にしたわけではないのです。 (中略) 僕の知らないところで、僕の知らない人たちによってこの作品が上演されるのを、僕は決して希望しません。 ましてや、僕が一生懸命書いたホンが知らないところで勝手にアレンジされ、自分らのやりやすい形に書き直されて上演されるなん

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    私の考えも同じです。ブログ主の真摯な姿勢に好感が持てる。
  • 著作権法第38条1項と契約のoverridability - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 早速はじめます。 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています。 しかし、演劇の世界では、たとえそれが高校生による、非営利・無料・無報酬での上演で、かつ脚の改変が一切ないものであっても、著作権者が上演許可を取るよう要求し、かつ著作権使用料として5000円の支払いを求めることが広く行われるようになっています。 著作権者によるこのような行為は、はたして法的に認められるものなのでしょうか*1 この問題は、著作権法の権利制限規定が、当事者間の契約によってオーバーライド出来るかという問題です。 結論を先取りするなら、私はこうした契約は認められるべきでないと考えます。 では、検討してみることにしましょう。 私たちの社会では、私的自治の原則、契約自由の原則が認められています。 よって、原則からいえば、取引の当事者間で合意で

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  • 著作権法第38条1項と上演許可(三谷幸喜さんの例) - ちょっと違うんちゃうNEO

    (9月7日追記 このエントリーには明かな間違いが含まれています。この問題に興味をお持ちの方は、以下に示す、私の9月7日付けのエントリーをお読みください。http://d.hatena.ne.jp/chigau/20100907/1283860033) こんにちは。 今日2目のエントリーです。 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています。 が、こういうケースが存在します。 三谷幸喜さんは、自分が積極的に関わらないところで自身の作品が上演されることを認めていません。 それは、アマチュアの演劇はもちろんですが、上演するのがプロであっても同様です。 三谷さんは、『オケピ!』の「付記」に、次のように書いています*1。 これは、パルコ・プロデュースのミュージカル『オケピ!』の上演台です。 これを読み、よし自分たちもこれを上演してみ

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    ちょっと違うような気がする。
  • 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています! - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 今日のテーマは、「著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています!*1」です。 何で今あらためてこんなことを書くのかというと、何だか状況がよくないからです。 実は、さっき、ふとグーグル大先生に「高校演劇 上演許可」って入力してみたんです。 そしたら、検索結果の上位に出てくる出てくる…。 もう勘弁してくれって感じです。 というのは、著作権法と何らかの形で日常的に接してらっしゃる方からすると、近年、著作権法をめぐってはなんだかんだいっても「フェアユース」問題って重要じゃないですか。 雲行きはあやしいですけど。 でも、少なくとも高校演劇をはじめ、演劇の世界では未だに権利制限規定とか「フェアユース」なんてどこ吹く風なんです。 WEB上からいくつか拾ってみますね。 まず、「茨城県高等学校演劇連盟:著作権についての注意事項*

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  • 著作権法第38条1項と同一性保持権(同一性保持権の放棄?:その2) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 私の前回記事に対して、はてなブックマークを通じて、適切な指摘をいただきました。*1 そこで、今日は、その指摘に関連して、「同一性保持権の放棄?:その2」を書いておきたいと思います。 いただいたご指摘は、鴻上尚史さんの戯曲『トランス』の「上演の手引き、またはあとがきにかえて」に、次のような記載があることを根拠に、私が、「鴻上さんは同一性保持権を放棄している」という主旨の記述をしたことに向けられたものでした。 もう一度、鴻上さんの文章を掲げます。 この作品は、日全国のあちこちで、上演されることを前提に書きました。 (中略) この芝居の理想ランニング・タイム(上演時間)は、1時間50分です。実力に応じて、1時間30分から1時間50分の間で決めて下さい。 ただし、この戯曲をそのまま上演すると、どんなに早口で喋っても、2時間はかかります。思い入れたっぷりに、ゆったりとした間を取ったり

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  • 著作権法第38条1項と同一性保持権(同一性保持権の放棄の問題) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 まずはいつもの確認からです。 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています。 が、著作権法第50条により、これに当たるケースであっても、著作物及びその題号に変更、切除その他の改変を加える場合には上演許可が必要になるとされています。 このため、高校演劇をはじめ、アマチュア演劇の無料公演で、(プロの)既成の脚を、無許諾かつ著作権使用料無料で上演することは、事実上不可能になってしまいます。 こうして、権利制限規定が有名無実になってしまうのでした。 さて、今日の問題に入ります。 上の問題に関連して、次のような例があります。 鴻上尚史さんの『ピルグリム』『トランス』の「上演の手引き、またはあとがきにかえて」から引用します。*1 この作品は、日全国のあちこちで、上演されることを前提に書きました。 (中略) この芝居の理

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  • 著作権法第38条1項と同一性保持権(「やむを得ないと認められる改変」とは? −覚書−) - ちょっと違うんちゃうNEO

    さて、今日は、前回の青山高校の事例に出てきた、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」(著作権法第20条第2項第4号)に含まれる問題について、覚え書き的にまとめておきたいと思います。*1 毎年文化祭で多数の演劇・ミュージカルを上演する東京都立青山高校では、2007年から著作権者の上演許可を取るのをあきらめました。 そして、「ある一場面、一幕をカットして、ナレーションでつないだりしながら、上演する部分は公になっているものをつないでいくという形で」上演する方法を選びました。 この青山高校の対応方法は、著作権法第20条第2項第4号の規定を意識したものと思われます。 著作権法第20条を見てみます。 第20条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。 2  前項の規定は、次

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  • 著作権法第38条1項と同一性保持権(問題の所在:具体的事例から) - ちょっと違うんちゃうNEO

    こんにちは。 今日はちょっと回り道をして、私の問題意識の原点を、具体的な事例を通して書いてみたいと思います。 では始めます。 著作権法第38条1項は、非営利・無料・無報酬での上演について、無許諾かつ著作権使用料無料での上演を認めています。 しかし、著作権法第50条により、非営利・無料・無報酬での上演であっても、「著作者人格権*1に影響を及ぼすものと解釈してはならない」とされています。 この結果、非営利・無料・無報酬での上演で、無許諾かつ著作権使用料無料での上演が認められるケースであっても、著作物及びその題号に変更、切除その他の改変を加える場合には上演許可が必要になるとされています。*2 そこで、高校の文化祭での演劇上演において、次のような問題がおきているのです。 (以下は、2007年10月18日のTBSテレビ「NEWS23」で放送された事例です。*3) 東京都立日比谷高校の「星陵祭」では、

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    このNEWS23は、自分にも衝撃的だった。見た直後にブログでとりあげている。 http://d.hatena.ne.jp/copyright/20071019/p1