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「しかし、彼がそこからどうしても逃れられないのは、彼の知る他者が、現実の他者と少しも矛盾しないように感ぜられることだった」 平野啓一郎『決壊』(2008)の主眼は、その紹介文によれば「絶望的な事件を描いて読む者に〈幸福〉と〈哀しみ〉の意味を問う」ことにあるらしい。なるほど、本作の主人公である沢野崇は、幸福や悲哀の意味を問うに相応しい造形がなされている。彼は、そうした感情の意味が分かっていない――より正確に言えば、幸福や悲哀をリアルに感じることができない人間として描かれているのだ。「自分の活動が引き起こす現実を、つまりは、こんなものかと感じてしまうなら?」「俺の活動が、ある人間の中に、一種の快楽を引き起こす。そしてその喜びを、俺に向けて表現し、俺を価値ある人間として承認してくれる。いいかい、それは一体、何なんだろう?」 そのように彼が考えてしまうのは、結局のところ、彼が状況に合わせて自分を使
感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書) 作者: 高橋昌一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/02/08メディア: Kindle版購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (1件) を見る 著者の『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)』『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)』を読んでましたので(紙で)、新刊も読んでみました(Kindleで)。 人間の愛は「不合理」なもの? 自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」? なぜ人間は生まれて死ななければならないという「不条理」に遭遇しているのか? そもそも、人間とは何か……? 「行為」「意志」「存在」の限界をテーマに、行動経済学者や認知科学者、進化論者、実存主義者など多様な分野の学者にカント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生も加わり
数年前に、確かあれは何かアート系の宴会だったと思うんだが、顔を出したことがある。ぼくはあまり有名ではないし、あまり知った顔もいなかったんだけれど、まあ何人かとちょろちょろ立ち話をするうちに、ぼくより少し若そうな――そうだな、五つくらい若かったのかな――人物とちょっと話をはじめて、しばらくとりとめもない会話をしたあとで、当然ながら名刺交換とは相成った。相手は、どっかの大学の英米文学の講師かなんかで、だったらぼくのことも聞いたことくらいはあるだろう、とこちらの名刺を出したところ…… 相手は突然顔色を変えた。 「え! 山形浩生さん、なんですか? あなたが??」 ぼくは一般にかなり怖い人だと思われているらしいので、ときどき外見が普通のおっさんなので驚かれることはある。でもその顔色の変え方と口調は、そういう純粋な驚きではなく、むしろ顔面蒼白のヤバイ感じの驚きだった。 そして彼はいきなり 「それはまず
縮む世界でどう生き延びるか? (メディアファクトリー新書) 作者:長谷川英祐発売日: 2013/02/28メディア: 新書 生物は、個体数が増えるときもあれば、減るときもある。それぞれの時点で、そのときに応じたバランスがあって、みんな常に「適応」している。だから人間社会も、成長しているときがあればいずれは衰退縮小に向かうのは当然なので、いまの経済停滞や不景気も仕方ないことで、当然なんだからみんな我慢しろ、「適応」しろという本。 バーカ。 この人は、『働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)』の人で、ぼくも前にほめた。アリの研究者としてはいいんだろう。でもそれを安易に人間社会に適用する軽薄さにはうんざり。 いろんな生物はもちろん、増加局面でも衰退局面でもバランス取れて「適応」しているだろう。でもそれを言うなら人間だってあらゆる場面でバランスは取れて「適応」しているのだ。不景気の
現代に蘇った「感じの良いヒトラー」が70年前と同じ主張を繰り広げる、興味深くも危険なベストセラー"Er ist wieder da" 私なら、「ヒトラーの復活」と訳すだろうか。原題は"Er ist wieder da"、そのまま英語にすれば、"He is here again"となる。去年出版されて、秋のフランクフルトのブックフェアで話題になり、今年1月、12刷が出た。驚愕のベストセラーだ。 "彼"というのはヒトラーのことで、なぜか2011年の夏に、ベルリン市内のとある空き地で忽然と目を覚ます。頭上には青空。敵機襲来の気配はない。横になったまま考えるが、状況が把握できない。夕べは何をしていただろうか。エファと一緒にソファに座って、そうそう、古いピストルを彼女に見せたっけ。でも、それからが思い出せない・・・。 ようやく起き上がる。総統のユニフォームの埃を払う。ちょっと頭痛がするが、けがもない
長谷敏司先生とのやりとり。 以下の記事二つ(一つは1年半近く前の記事ですが)で考えたことを要約して伝えさせて頂きました。 ○『円環少女』13巻再読。『BEATLESS』との相関についてもいろいろと。 http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20121028 ○「SFマガジン7月号「伊藤計劃以後」特集が素晴らしい」 http://d.hatena.ne.jp/skipturnreset/20110525 相楽 @sagara1 ここ数時間、長谷敏司『円環少女』13巻を再読しつつ、いろいろ引き写してる。読み返しはもう何度目かわからないのに、泣きたくなるくらい面白い。まず、これだけ笑える小説もない。超シリアスな正念場なのに、いろいろ酷過ぎる。 2012-10-27 03:29:25
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ハーモニー単語 ハーモニー 16 0pt ほめる 掲示板へ 記事編集 概要掲示板 この記事は曖昧さ回避です もしかして :ハーモニー(小説) 概要 ハーモニー(harmony)とは ギリシャ神話のハルモニア(Harmonia, ギリシア語: ‛αρμονία)に由来する言葉 転じて、一般に物事の調和 和声を意味する英単語 国際宇宙ステーション(ISS)のモジュールの一つ 2008年に刊行された伊藤計劃のSF小説⇒ハーモニー(小説) 【スポンサーリンク】 ほめる 16 0pt ページ番号: 4547619 初版作成日: 11/01/18 19:22 リビジョン番号: 2295953 最終更新日: 15/12/02 22:55 編集内容についての説明/コメント: 一部言い回しを修正。曖昧さ回避記事変更に感謝。 記事編集 編集履歴を閲覧 この記事をもとに新規記事作成 スマホ版URL: https
現場猫教授 @Dr_crowfake 「世界ゾンビ大戦において、ポール・レデカーの「レデカー・プラン」は各国において対ゾンビ戦略として採用されたが、それは過酷な環境下で国家という政治的身体を存続させるために残酷なトリアージを行うものだった。それゆえ、レデカーとその模倣者に対する批判と憎悪は強い」 2012-12-26 19:01:06 現場猫教授 @Dr_crowfake 「その批判と憎悪とは、ゾンビ大戦終結後の社会再統合に支障をきたすレベルでの高まりを見せていた。アメリカにおける戦略地域区分などを見ても分かるように、彼らは権利として平等であるはずにもかかわらず、実際は必要不必要、救えるものとそうでないものに分割されたのだ」 2012-12-26 19:03:11 現場猫教授 @Dr_crowfake 「そのような分断が呼び起こした批判と憎悪を乗り越えるため、人々は大きな努力を払わねばなら
シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (14件) を見る 本書は、ぼくたちの多くが慣れ親しんでいる軍や戦争に関する基本的な考え方に大きな疑問をつきつける本だ。従来の発想では、軍人は戦争大好きだとされる。だから平和を愛する文民が彼らの活動を常に監視し、抑えなくてはならない。これが文民統制(シビリアンコントロール)の発想だ。 でも近年の多くの戦争の実態はちがう、と著者は指摘する。軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷するのは自分たちだ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる、と。すると、文民
前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書) 作者:濱野 智史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 新書 ごみくず。この本の理屈なら、長島茂雄が自分のアレで「巨人軍は永遠に不滅です」と言ったことをもとに、長島茂雄はキリストを超えたという説だって書ける。主張はすべて、かろうじて必要条件はあっても、十分条件皆無なので、信者以外には一言一句たりとも説得力ないよ。アキバ48を押し立てれば尖閣問題も竹島問題も解決だとさ。やれやれ。前著は少しいいと思ったけれど、今後ぼくはこの浜野の書いたものは目に入れないようにすることにした。本もラオスに捨ててきます。こっちの古本屋に売って純真なバックパッカーたちの精神汚染を引き起こしてはいけない。 追記 そうそう、ぼくが本書でもう一つ耐えがたかったのは、もう本を捨てちゃったので正確には覚えてないが、序文の最
ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊 作者: 成毛眞出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/10/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 99回この商品を含むブログ (8件) を見る この本のもとになっている Honz という試みについては、かつてこのように酷評したし、その成果であるこの本もその期待を裏切るものではなかった。 Honzにある書評のほとんどに共通するダメなところというのは、基本的に、評者が本を読んで「おもしろかった」というのを、その本の中だけで閉じて言っていることだ。その本の範疇を出る書評がほとんどない。 たとえばHonzで最近見かけた、ユニクロ柳井『現実を視る』の書評というか紹介。 これ、実は小学校の読書感想文と大差ないものだというのはすぐわかると思う。あらすじやいくつかおもしろいエピソードを紹介して、最後に「ぼくももっと勉強しな
きわめて問題提起的な意欲作でありながら,どうしてこんな残念な結果になってしまったのだろうか。いや,むしろ,本書の著者ネイマークの持つその意気込みが,本書を残念なものにしてしまっているのかもしれない。読みながら,そんなことを考えた。スターリンのジェノサイド作者: ノーマン・M・ネイマーク,根岸隆夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/09/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 本書,つまりノーマン・ネイマーク『スターリンのジェノサイド』(根本隆夫訳,みすず書房,2012年)は,Norman M. Naimark, Stalin’s Genocides (Princeton: Princeton University Press, 2010)の邦訳であり,スターリン体制下での大量死を「ジェノサイド」と位置づけて論じる書物である。といっても,本文は日本語版で1
『公共性の問題を考える—齋藤純一「公共性」を手がかりに』 西洋史3回 大村陽一 はじめに ・ 「公共性」というテーマの本書での取り上げ方 「公共性」の問題の所在―「公共的空間」をハンナ・アーレントは「自由」と「排除への抵抗」とする。 「公共的空間」のない状態―公共性が失われた生「私的」⇒「奪われている」=他者の存在の喪失を意味する。 ユダヤ人という集合的表象⇒「場所なきき者」―公共的空間から「場所」を奪われた人々 ・ 「公共性」という言葉の用語解説としての主要な意味合い 1. 国家に関係する公的なものという意味―official 国家の法、政策。 2. 特定の誰かではなく、すべての人々に関係する共通のもの―common 共通の利益、財産、規範、関心事 3. 誰に対しても開かれているという意味―open 誰もがアクセス可能な空間(公園)、情報(情
【現代語訳】呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況 作者: 金川英雄出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2012/09/14メディア: 単行本購入: 36人 クリック: 943回この商品を含むブログ (7件) を見る 90年前の大正時代にはすでに精神病者に対応するための法制度もある程度はあったし、精神病院なんてものもあったわけだが、むろんみんながそこに入れたわけではなく、相当部分の精神病者――ボケ老人もかなりいるが、25-40歳くらいが大半――は家族が座敷牢を作ってそこにぶちこむしかなかった。その実態を調査したもの。著者の呉秀三は東京帝国大学の医学部の先生。精神病で呉というと、どうしてもドグラマグラを連想してしまうんだけれど、そういう関係はどうもないみたい。 あちこち農村に分け入ってはその実態を淡々と書いており、その収容されている座敷牢の平面図、患者の状況その他がひたすら記録されている
→紀伊國屋書店で購入 いままでいちばんおいしかったコメは、フィリピン南部ミンダナオ島ダバオ市街地から少し内陸に入ったカリナンで食べた陸稲の赤米ジャバニカだ。日本人が普通に食べる白米ジャパニカより粒が大きく、香りとともにじっくり味わうことができた。1985年に調査のために下宿していた家の奥さんは、市場でちょっと変わったものがあると、買ってきて食べさせてくれた。たくさんの種類の地場もののコメやイモ、野菜があることがわかった。タイのバンコクのスーパーマーケットに行っても、いろいろなコメがあることに驚かされる。ジャスミンライス(香り米)として世界的に有名になった輸出用とは違い、人びとが食生活を楽しむためのコメがあるのだ。 本書では、ただたんに人びとから豊かな食生活を奪っただけではなく、「コメの品種改良の歴史にひそむ、「科学的征服」の野望」が語られている。裏表紙には、つぎのような本書の概略がある。「
「食」から斬ったグローバリゼーションの本質。 食にまつわる、生産、加工、流通、消費の巨大なサプライチェーンを「食システム」と捉え、綿密な取材に基づき、それぞれの最前線で何が起きているか、互いにどう作用し、どこに向かっているかを分析する。激しく納得させられる一方で、厳しく反論したくなる、刺激的な一冊。 500頁超のボリュームと、農学、経済学、生物学、人類史、環境工学、遺伝子工学、マネジメントと分野を跨がるアプローチにたじろぐが、どの切口も「目的」が鮮やかで、スリリングだ。というのも、これは犯人探しミステリのように読めるから。 十億人が饑餓で苦しむいっぽう、十億人が肥満に悩んでいるのはなぜか?とても安全とはいえないものが食品流通に入りこむのはなぜか?生産者から搾り取られた利益はどこに"消えて"いるのか?そもそも、なぜこんなに食製品が安いのか? 槍玉になるのは、食品総合商社、世界的な食品メーカー
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