「人を死に至らしめた」という「結果として起こった事態」には何らの差異がなくとも、殺意があるか否か、(殺意はないとしても)暴行・傷害の故意はあるか否かというのは、その行為がどの犯罪構成要件に該当するかどうかを判断する上で決定的に重要です。また、仮に殺意があるとしても、それが未必の故意に過ぎないのか確定的故意が認められるのか、確定的故意が認められるにせよ、それは計画的なものであったのか否かというのは実際の処断刑を決定する上でとても重要な要素です。そして、光市母子殺人事件の上告審及び差戻控訴審では、殺意の有無が争われています。 また、確かに事実誤認を理由に上告を行うことは刑事訴訟法認められてはいないのですが、それはそのような理由での上告は不適法なものとして却下されるというだけであって、裁判所が、確かに事実誤認があった蓋然性が高いと認めて職権で事実認定を覆すことは何ら問題はなく、実際、そのようにし
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