2002/11/18 万年筆用需要から軍需物資へ大転換 貴金属/白金編32 明治から大正時代にかけて、世界的な万年筆需要、及び宝飾品需要の急増を追い風に、歴史的な上昇相場を演じた砂白金(イリドスミン)であるが、昭和に入っていわゆる世界的な大不況に陥ると一転して供給過剰となって、下げ基調を余儀なくされた。ちなみに、この間の砂白金の国内価格(納入価格)を見ると、明治30年の1匁当たり50銭から、大正14年には52円の高値を記録、実に104倍に跳ね上がったが、昭和7年には13円と高値から4分の1にまで崩落している。 軍需物資としての需要拡大 ところが、昭和6年に満州事変が勃発、同12年には日中事変に拡大し、戦時ムードが急速に色濃くなると、砂白金を取り巻く情勢も様変わりする。 日本政府は、砂白金を軍需優先物資として昭和12年10月28日に『白金使用制限規則』を制定、これにより白金を装飾品などに使用
読了。意識を持ったコンピュータを作るために集められた科学者集団の一人を主人公にして、そのコンピュータの開発やその周りの人たちの陰謀を描いている。SFっぽい感じだけど、ほとんどサスペンス。 神の足跡(上) (講談社文庫) 作者: G.アイルズ,雨沢泰出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/07/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る神の足跡(下) (講談社文庫) 作者: G.アイルズ,雨沢泰出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/07/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る長編小説の場合は、結構序盤はつまらないものが多くて、がんばって最初は読まないといけないものだけど、この本はいきなりかなりぐいぐいと引き込まれて、むしろ途中で失速してつまらなくなるんじゃないかと心配したほどだった。けどまあそれは杞憂で、話はかなりあらぬ方向に進むけれど、最後
鈴木直 (2007年1月10日刊行,筑摩書房[ちくま新書637], ISBN: 978-4-480-06342-7|ISBN:4480063420) 【書評】 ※Copyright 2007 by MINAKA Nobuhiro. All rights reserved 本書は,日本の思想書・哲学書の「翻訳文体」を手がかりにして,現在にいたるまで続く“直訳調翻訳”を支えてきた背景を探ろうとする.序章「思想・哲学書の翻訳はなぜ読みにくいのか」では,読者を一顧だにしない直訳調の文体は日本ならではの「文化制度」のひとつであるという著者の基本認識が提示される.続く第1章「『資本論』の翻訳」でのマルクス『資本論』翻訳文体をめぐる攻防戦はなかなかおもしろい.一般読者が読んでも理解できない“逐語訳的直訳文体”を河上肇や三木清が執拗に擁護したエピソードが綴られている.やや中だるみな第2章「ドイツの近代化と
輸入学問の功罪―この翻訳わかりますか? (ちくま新書) 作者: 鈴木直出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (51件) を見る 不勉強な話、僕はこの著者のほかの仕事を知らず、この本を手に取ったのも学術翻訳にたずさわる者の端くれとしての義務感めいたものからだったのだが、実際に読んでみると予想よりずっと面白い本だった。翻訳例の検討は全てドイツ語からなのでその当否を判断する能力は僕にはないが、マルクス、カント、ヘーゲルからのよく知られた一節を引いてきているのでとっつきやすい。この本のミソは翻訳の問題をより大きな社会的問題につなげようと努力しているところ。原文の構造そのものを再現するかのような過剰な逐語訳に見られる衒学主義、悪しきアカデミズムは、もともと貴族社会に対抗して登場した市民階級の「教養」理念が上からの近
朝起きて原稿を二本書いてから大学へ。 うずたかい書類にハンコを押し、集中講義に来ている画伯との業務上のネゴシエーションをこなし、てきぱきと課長に指示を出し(というより出され)、メールに返事を書き、DMをすべてゴミ箱に棄て、次年度以降の職員人事について妄想を逞しくしているうち、ふと見上げるとすでに日没。 まずい。今日が英語添削の締め切りだ。 超特急で合格内定者たちから送られた英語の答案を読む。 ただ○をつけるだけなら、「よくがんばりましたね」と赤ペンで書けば終わるのであるが、いったい何をどうすればこのような間違いをするのか・・・とつい深く考え込んでしまう。 彼女たちは果たしてこの英語の文章をどのように解して、何を答えようとしたのであろうか・・・と高校生の脳内にトランスファーして、その思考回路に同調すると、「あなたが書いた答は間違いで、正解はこうです」というだけで収まらず、「もしかして、あなた
2007年02月06日13:00 カテゴリ書評/画評/品評Medicine 書評 - 脳の栄養失調 これを信じる前に、これを読んで欲しい。 脳の栄養失調 高田明和 分裂勘違い君劇場 - お肉に含まれるタンパク質はたったの2割程度たとえば、以下の食品成分表*1を見てわかるように、最終的に体内で利用されるタンパク質の量を単位カロリーあたりで見ると、牛肉よりも納豆の方が34%、豆腐の方が55%多くタンパク質が含まれています。 「あるある」とまでは行かないけど、これがいささか短絡的なのがわかるから。 本書「脳の栄養失調」は、脳の観点から現在の食生活を考察した本。特に甘いものや肉をダイエットで遠ざけることの危険に対して警鐘を鳴らしている。 目次 第1章 脳に危険なダイエット 第2章 ダイエットは脳にどう影響するか 第3章 脳はおいしいものが好き 第4章 グルメ脳の仕組み 第5章 脳の甘党宣言 第6章
たとえば、以下の食品成分表*1を見てわかるように、最終的に体内で利用されるタンパク質の量を単位カロリーあたりで見ると、牛肉よりも納豆の方が34%、豆腐の方が55%多くタンパク質が含まれています。 それから、よく、肉を食べないと必須アミノ酸が不足して健康を害するだのという本が書かれていていたりします。 しかし、上記の表で、納豆のアミノ酸スコアが100になっていることから分かるように、必須アミノ酸のバランスが悪いのは、他の植物性食品のことであって、納豆は必須アミノ酸のバランスがとれています。 なので、 404 Blog Not Found:書評 - 脳の栄養失調 植物だけで必須アミノ酸をバランスよく摂取するのは本当に大変なのだ。 というのは間違いで、植物だけで必須アミノ酸をバランスよく摂取するのは、実に簡単。納豆や豆腐や枝豆を食べればいいだけです。 それから、トリプトファンが不足して脳のセロト
Microsoft会長のBill Gates氏は、AppleのMac対PCを描いた広告キャンペーン「Get a Mac」のユーモアをあまり評価していないようだ。 Newsweek誌のインタビューに応じたGates氏は、Windowsユーザーを擁護して次のように語っている。 「Windows PCを使用している90%以上のユーザーが自分のことを、あの広告が表現しているように鈍感とかかっこ悪いと感じているとは思えない」とGates氏はコメントしている。 Gates氏はまた、「Windows Vista」へアップグレードするには、大改造が必要になるという指摘にも、不快感を示している。 Gates氏は、「われわれは間違いなく、競合他社よりも優れたユーザーがハードウェアに(Vistaを搭載することで)アップグレードできる取り組みを行ってきた」と述べる。「ユーザーは新しいマシンを購入してもいいし、アッ
2007年02月05日18:30 カテゴリ書評/画評/品評 本が好きなら「本が好き!」 というわけで参加して。というか参加していたのだけど初めて申し込んでみた。 404 Blog Not Found:神は沈黙せず - nikuさんのコメント 本が好き!(β) http://www.buzz-pr.com/book/menu/ 参加すれば? しくみは非常に簡単で、メンバー登録してから希望の本を申し込むとそれがLivedoor Books経由で送られてくるというもの。そしてそれをメンバーに書評してもらうという、バイラルマーケティングの典型的な例なのだけど、最近出版社の方にもきちんと認知されたようで、献本の充実が著しい。 ご存じのとおり、私の元には献本が直に来ているのだけど、これなら「アルファブロガー」でなくても献本を受けられる。出版社の方は出版社の方で、誰に献本しようかを悩まなくて済むし、配送
2007年02月05日19:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - 進化しすぎた脳 その「本が好き!」で申し込んだのがこちら。 進化しすぎた脳 池谷裕二 著者の自画自賛が全くいやみにならないほど面白かった。 あとがき もちろん今の私にも脳科学講義を行うことはできますが、『進化しすぎた脳』は、"現在の私"には不可能な講義スタイルで貫かれています。目の眩むようなグルーヴ感に、こちらがうきうきとしてきます。 本書「進化しすぎた脳」、脳科学のホープ池谷裕二が、中高生に対して行った講義の講義録。本書が400ページもあるのはそのため。書き下ろしであればその半分になってしまっていただろう。 目次 第1章 人間は脳の力を使いこなせていない 第2章 人間は脳の解釈から逃れられない 第3章 人間はあいまいな記憶しかもてない 第4章 人間は進化のプロセスを進化させる 第5章 僕たちはなぜ脳科学を
ブラームスのシンフォニーの第一番、 第4楽章。 アルバート・アインシュタインの RelativityをJulian Lopez-Morillasが 朗読した音声。 そして、エマニュエル・カントが、 Critique of practical reasonの最後に 記した次の言葉。 Two things fill the heart with ever renewed and increasing awe and reverence, the more often and the more steadily we meditate upon them: the starry firmament above and the moral law within. 最後の言葉は、(ドイツ語で)カントのメモリアル に刻まれている。 このところたまたま接したものが、 全て何やら「宇宙的な」広がりを持つも
モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 スポンサード リンク ・モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 大臣が女性を子供を産む機械にたとえたことが大問題になっている。その発言の文脈を読むと、どうやら大臣は「人口を統計の数字としてみると女性はその数字を増やす機能を持ちます」的なことを、言いたかったらしい。経済学者が説明に使う言葉として見ればギリギリ許されたような気がするのだが、政治家が使うには配慮が無さすぎた。叩かれているのはモットモである。 だって女性はモノじゃないんだから。 しかし、ヒトはどんどんモノ化しているのでもある。 この本のいう人間のモノ化には物質化と単一化の二つの意味がある。 現代はすべてをモノとして消費する「超」消費社会だと著者はいう。単にモノの売買にとどまらず、教育や医療などの側面でも消費者の立場が強調されており、学生や患者はお客さんとして扱われる。恋人選びや子
以前も書いたが、広告はもはや商品だと思う。 もうすこし注意深く言えば、商品の一構成要素であると。 広告を知覚してしまった時点ですでに消費者はその広告コンテンツの影響を受けはじめている、つまり、広告コンテンツの消費行動をはじめてしまっているわけだ。時間と、脳活動というコストを支払って。 これを敷衍すれば、マーケティングミックスと言われているものは全て商品だ。「価格」だってそれがブランドイメージの構成要素なわけで、私たちはいわば「価格」を買っているわけである。現にある宝石店(?)の店頭商品価格を全て二倍にしたらかえってよく売れた、というようなエピソードがあるくらいなわけだから。 そうすると結局なんだかんだすべてが消費者の体験価値に統合される、ということになって、心理学と社会学の問題になる。 しかし、現代の心理学と社会学の水準で同定しうる「体験価値」はごく限られていて、意識化、言語化しやすい陳腐
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く