副題は「日本における住宅と政治」。『地方政府の民主主義』、『大阪―大都市は国家を超えるか』、『分裂と統合の民主政治』などの著作で知られる政治学者の著者が日本の住宅問題と都市問題に迫った本になります。 ただ、読んでみると意外と「政治」っぽくないです。著者が政治学者であることを知らなければ、社会学者が書いた本と言っても通るでしょう。 読む前は、日本の住宅政策や都市計画の法制度などを追っていくような構成かと思いましたが、もう少し抽象的で広がりのある議論がなされており、政治だけではなく、経済的条件や人びとの期待など、さまざまな要因でつくり上げられる住宅の「制度」について論じた本になっています。 目次は以下の通り。 序 章 本書の課題 第1章 住宅をめぐる選択 第2章 住宅への公的介入 第3章 広がる都市 第4章 集合住宅による都市空間の拡大 第5章 「負の資産」をどう扱うか 終 章 「制度」は変わ