総務相に就任した村上誠一郎氏(72)は1日、石破茂内閣の印象について記者団に問われ、「前任者の『負の遺産』をどう解消しながらやっていくのか、非常に難しいなと心配している」と述べた。 具体例として自民党派閥の裏金事件や旧統一教会問題などを挙げた。株価の乱高下や急激な円安についても「残念ながらアベノミクスの、ある意味では負の遺産だ。そういうものに対応しながらやっていくのは非常に厳しいと思う」との見方を示した。
潮風広場に設置されている旧国鉄の客車「オハフ33」=北九州市門司区で2024年5月9日午前11時53分、反田昌平撮影 和布刈(めかり)公園(北九州市門司区)の潮風広場に設置されている旧国鉄の客車の利用を巡り、賛否が分かれている。地域活性化を目的に、客車を全面改装したカフェが5月にオープンし、週末を中心に家族連れらでにぎわう一方、鉄道ファンなどからは「歴史ある車両の価値が失われた」などと批判の声が上がる。 問題の客車は、深い茶色の外観をした「オハフ33」。車掌室を備えた車両は1948(昭和23)年製で、現存するものはわずかでファンも多いとされる。九州内を走った後、小倉北区の勝山公園に展示され、2009年に潮風広場に移された。 改装されたカフェの店内に入ると、片側にテーブルがあり、もう一方に焼きたてのパンが並ぶ。訪れた人は、パンやコーヒーを買って海を見ながら食事や友人との会話を楽しむことができ
就任して半年を迎えた山下真・奈良県知事(右)=奈良市で2023年10月31日午前11時2分、吉川雄飛撮影 日本維新の会公認で初当選した山下真・奈良県知事(55)が、就任から半年を迎えた。維新公認の知事は、大阪府に次いで2例目。前知事時代に計画された大型公共事業に待ったをかけ、捻出した財源で高校教育無償化に道筋をつけるなど、旗印の「改革」を印象付ける手腕を見せている。一方、政策決定を巡る議論や情報公開のあり方には「不透明だ」との声も上がる。 「『ハコモノ中止』で生まれた財源で実現のめどが立った」。山下知事は10月18日の記者会見で胸を張った。この日、県内私立高校の授業料の公費負担額を来年度から大幅に増額すると発表。世帯年収380万円未満の家庭に生徒1人あたり最大57万円としていた条件を、世帯年収910万円未満に最大63万円まで拡大するのが主な内容。1億1600万円だった年間の関連予算は、10
急速な円安に政府、日銀が焦りを強めている。鈴木俊一財務相や日銀の黒田東彦総裁が円安をけん制する発言を連発し「口先介入」を続けても、効果が上がっていないためだ。輸入品の価格上昇が国民生活を圧迫する「悪い円安」との懸念が広がるなか、円安に歯止めをかけるため、政府が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切る可能性はあるのか。【加藤美穂子、松山文音】 「急速な円安はマイナスが大きくなる」。黒田総裁は18日、国会でそう答弁し急ピッチで進む円安をけん制した。しかし、そんな「口先介入」も焼け石に水で、20日には1ドル=129円43銭まで円安が進行。円相場では、この1カ月半で約15円も円安が進んだ。 ウクライナ危機などによる資源高もあり、急激な円安は、原油や食料など輸入品の価格をさらに押し上げる恐れがある。物価高への懸念に配慮する形で、鈴木財務相も「悪い円安と言える」と表明。「緊張感を持って(市場を)注視してい
合成に成功した貴金属8元素。写真に添えられているのは元素記号と原子番号=創元社提供(「世界で一番美しい元素図鑑」より) 金や銀、白金(プラチナ)など貴金属と呼ばれる8種類の元素を全て混ぜた合金の開発に世界で初めて成功したと、京都大などの研究チームが米国化学会誌に発表した。水から電気分解で水素を製造する触媒として、既存の白金と比べ10倍以上の性能があるといい、研究チームは「青銅器時代から約5000年間、誰も成功しなかった夢の合金ができた。エネルギー問題の解決にもつながる可能性がある」と期待する。 8元素は他にパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム。いずれも希少で耐腐食性がある。水と油のように混ざらない組み合わせがあり、全て合わせるのは困難と考えられてきた。
「ふるさとへの恩返し」をうたい、巨額の寄付を集めた小さな港町。取り仕切ったのは「エース」とされる一人の職員だった。ふるさと納税を巡り、計約9380万円の収賄罪などに問われた高知県奈半利(なはり)町の元職員に対する判決が28日、高知地裁で言い渡される。11年間に集まった約117億円のうち、約101億円は返礼品の調達費用に消えた。ゆがんだ制度は何をもたらし、誰が潤ったのか。 太平洋に面した人口約3000人の奈半利町。2020年3月、ふるさと納税に絡む汚職事件が全国で初めて摘発された。 検察側が描く構図はこうだ。町地方創生課の元課長補佐、柏木雄太被告(43)は16~19年、両親と共謀し、豚肉などの返礼品の仕入れ・加工先として叔父夫婦の精肉店を指定する見返りに、店側から計約9200万円を受領。18~19年には元課長の森岡克博被告(47)と共謀し、水産加工会社から「アーモンド小魚」を返礼品として発注
苦り切っていた。東京外大教授の伊勢崎賢治さん。国連メンバーなどとして世界各地で民兵の武装解除などを進めてきた国際法と紛争解決のプロである。今回のロシアのウクライナ侵攻、さぞプーチン大統領にお怒りかと思いきや、ちょっと違った。むしろその矛先は「プーチン悪玉論」が覆う日本などに向けられていた。【吉井理記/デジタル報道センター】 「善悪」で語れるか? ――今回のロシアの侵攻に、2月26日にはJR渋谷駅前で侵攻に反対する数百人の群衆が集まってデモをするなど、日本でも批判が高まっています。2001年のアフガニスタン侵攻や03年のイラク侵攻の時にも街の反応を取材しましたが、当時は侵攻した北大西洋条約機構(NATO)や米国などへの批判は一般にはあまり見られませんでした。 ◆米国やNATOを中心とする欧州は「善」で旧ソ連だったロシアは「悪」、プーチン大統領による侵略戦争だ、という雰囲気でメディアも報じてい
処分を発表し、謝罪する和歌山市消防局の担当者=和歌山市役所で2022年1月11日午後1時58分、加藤敦久撮影 動画配信サイト・ユーチューブへの投稿で収益を得たのは禁止されている副業に当たるとして、和歌山市消防局は11日、市北消防署の男性消防士長(33)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。2020年12月から21年10月にかけ投稿して約115万円を得ており、市は「営利企業への従事等の制限」を定めた地方公務員法に抵触すると判断した。 市消防局によると、消防士長はユーチューブにオンラインゲームの様子を鑑賞するチャンネルを開設。複数の参加者が乗り物の乗員となり、心理戦を展開する内容のゲームで、自身も参加し、計314本の動画を編集して投稿した。計約227万回再生され、再生回数に応じた収益を得ていた。
国の基幹統計「建設工事受注動態統計」を国土交通省が無断で書き換えて二重計上していた問題で、二重計上が行われた8年分の大半は、書き換え前の数値を復元するのが困難となっている。調査票自体が書き換えられた上、書き換え前の調査票の写しが残っていないとみられるためだ。調査票の電子データは保存されているが、書き換え後の調査票の数値だったという。二重計上が国内総生産(GDP)にどう影響したかを検証するのは困難な情勢だ。 国交省は長年にわたり、期限後にまとめて提出された調査票の数値について、調査票を書き換えて回収した当月分に合算するよう都道府県に指示。一方で2013年4月分から、未提出の建設業者の数値として推計値を計上していた。この結果、同一業者の受注額を二重計上する形となっていた。19年11月に会計検査院から不備を指摘されたことを契機に書き換えの指示を撤回。20年1月~21年3月分は、国交省職員自らが書
新型コロナワクチンと死亡との因果関係について「評価不能」であること表す「γ(ガンマ)」の文字が並ぶ厚生労働省専門部会の資料。上から2列目は岡本裕之さんに対する評価とみられる=東京都千代田区で 新型コロナウイルスのワクチンを巡っては、全国民の約7割が接種を完了したが、10月24日現在、接種後に1325人が死亡している。厚生労働省によると、このうち99%の1317人がワクチン接種との因果関係を評価できないという。真相を求める遺族の声は根強いが、なぜ突き止められないのか。【矢澤秀範、中島昭浩】 84%が高齢者 遺族「きちんと結論を」 「『評価不能』ではなく、きちんと結論を出してほしい。リスクを説明できなければ、国はより安全なワクチン接種を進められないはずだ」。新型コロナウイルスのワクチン接種について、米モデルナ製の2回目接種を受けた後、8月に亡くなった岡本裕之さん(当時30歳)=東広島市=の父、
新型コロナウイルス感染拡大を機に、失業が長引く女性が急増した。総務省の労働力調査では、4~6月の3カ月平均で失業期間が6カ月を超えた女性は34万人に上り、昨年平均の28万人を上回る。昨秋から高止まりしており、支援団体は「女性の失業は子どもの教育環境や家族関係の悪化につながる」と国の支援の必要性を訴えている。 「感染拡大で、希望する事務職の求人が目に見えて減っていった」。東京都内で暮らす30代のシングルマザーは、4カ月勤めた税務署での短期アルバイトが昨年4月に契約期間満了で終わると、その後8カ月にわたって仕事が見つからない日々を過ごした。コロナ感染が拡大する昨春までは事務系の派遣社員などで生計を立てており、引き続き派遣会社の紹介する求人に応募したが数十社から落とされた。その間、事務系の職業訓練学校に通…
新型コロナウイルスの感染急拡大で東京、大阪など4都府県に緊急事態宣言が発令される中、奈良県が26日、外食需要喚起キャンペーン「GoToイート」のプレミアム付き食事券を追加発売した。1000円券12枚つづりで1万円のセットを計15万セット(15億円分)。県内では病床が逼迫(ひっぱく)し、県が医療機関に改正感染症法に基づく病床確保を要請する中での発売に、医療関係者は「医療崩壊を加速させるつもりか」と憤りを隠さない。 GoToイートの食事券を巡っては感染拡大を受け、緊急事態宣言が発令されている4都府県、まん延防止等重点措置が適用されている7県をはじめ多くの自治体が追加販売の停止、利用制限、利用抑制の呼び掛けをしている。関西では、奈良県と同様に緊急事態宣言やまん延防止措置の対象ではない滋賀県も26日から販売を停止した。
懸賞品を送っていないことが発覚したパズル雑誌。「豪華プレゼント」にはフルーツギフト券や現金、液晶テレビなどが並んでいた=2020年10月8日撮影 東京都千代田区の出版社「晋遊舎」が2016年以降に発売した「まちがいさがしフレンズ」「てんつなぎフレンズ」など6種のパズル雑誌で懸賞品を送っていなかったことが判明した。毎日新聞の取材を受けた同社がホームページ(HP)上で問題を公表し「ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした」と陳謝した。未発送の懸賞品は少なくとも3600人分を超えるとみられる。晋遊舎は順次発送するとしているが、景品表示法に抵触する可能性もある。 パズル雑誌はパズルやクイズ、間違い探しの問題を掲載し、懸賞品を出して読者を獲得する。雑誌を買って応募した問題の正解者らから抽選で選ばれた当選者に懸賞品が送られる仕組みで、「豪華プレゼント」などとうたってテレビや人気ゲーム機、
帰省していた山梨県内で2日に新型コロナウイルス感染が確認された東京都の20代女性について同県は3日、PCR検査結果が出る前の1日夜に都内に帰宅したと発表していたが、実際の帰宅は陽性結果報告を受けた後の2日だったと訂正した。女性が虚偽の説明を保健所にしていた。女性は「飼っている犬が心配だった」などと述べているという。 同県によると、女性は1日に県内で検査を受け、2日午前9時ごろ、保健所から陽性との報告を受けた。その際女性は「既に都内に帰宅している」と虚偽の説明をしたが、実際は同日午前10時過ぎに富士急ハイランドバス停から新宿行きの高速バスを利用し帰宅していたという。2日に県の記者会見を見ていた女性の知人から保健所に情報提供があり、明らかになった。県は感染者からの正確な情報収集を目的に特別チームを発足させている…
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