ドキュメント平成政治史 (1)崩壊する55年体制(2)小泉劇場の時代 [著]後藤謙次 目下の日本の政治はほとんど戦前の大政翼賛会の様相を呈してきた。過去の自民党の体質を知る人々も、保守主義の変質、リベラリズムの衰退、寛容さや多様性の欠如を指摘しているが、その原因はやはり平成以降の政治的混乱にあるだろう。本書は平成の十七人の首相の功罪、権力闘争の内幕、永田町の人間関係、政策決定までの道程などを舞台裏ウオッチャーの眼差(まなざ)しで検証したクロニクルである。政治家たちの経歴や性格、個人的な恨みや欠点まで見据え、日本の政治的決定がいかに戦争、占領、経済成長といった過去や政治家個人の履歴に縛られているかが如実に示されている。すでに近過去の出来事も忘れられつつある中、平成の政治も歴史記述の対象となったが、人材劣化の歴史を追いかけざるをえないようである。 一九五五年の結党以来、ほぼ六十年にわたり政権中