人はどんなときでも食べて働いて眠り、生きていく。そんな日々の中で誰かを好きになり、愛おしく感じる。たとえそれが「戦争」という非常時だったとしても―― ドイツ・ポーランド不可侵条約が締結された昭和9(1934)年1月から(条約は1939年に破棄されてドイツはポーランドへと侵攻、これが第二次世界大戦の発端となった)、昭和天皇が詔書でいわゆる「人間宣言」をした昭和21(1946)年1月という時代を舞台に、よく「人からぼうっとしている」と言われ、絵を描くことが得意なすずを主人公とした『この世界の片隅に』(こうの史代/双葉社)。広島・江波の海苔養殖を営む家に生まれ育ち、呉にある北條家の長男・周作のもとへ嫁いだすずが、日々を生きる姿を描く作品だ。 本作は『漫画アクション』に2007年から2009年まで連載され、2011年に北川景子主演でスペシャルドラマ化された。2016年には片渕須直監督によってアニメ
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