『〈喧嘩とセックス〉夫婦のお作法(イースト新書)』(おおたとしまさ/イースト・プレス) “セックスレス”という言葉が普及してから、もう何年も経つ。日本がセックスレス超大国であるという事実は以前話題になったが、この問題は今なお深刻な状況だ。「相手とセックスをするかしないか」の選択は勿論個人の自由ではあるのだが、夫婦のような一対一の肉体関係の契約を結ぶ状況になると話は厄介になる。片方が「したい」と考えていても、もう片方が「したくない」と思い、意見が割れると結論が下せないからだ。結論が下せない場合、その夫婦のとる行動は結果的に「しない」となる。夫婦間の「セックスする、しない」の選択は一見フェアなようで実は相当アンフェアな問題でもある。 この「するorしない理論」は、双方の気持ちを重要とするセックスに関してはかなり厳しい現実を生み出しているのだ。出口の見えないセックスレス問題に立たされている日本中