『世にも不実なピアノソナタ』(欧坂ハル/講談社) あなたは、雷に打たれたような衝撃的な「何か」と出会ったことはあるだろうか? 胸が高鳴り、心も震え「これだ!」と本能的に悟ってしまうような何か。 それに出会った時の気持ちは、まさしく恋に似ている。寝ても覚めてもそのことで頭がいっぱいになり、人生が加速度的に進み出す予感がする。興奮が止まらなくなり、自身の価値観や常識さえも揺るがすことがあるほどだ。 欧坂ハルの『世にも不実なピアノソナタ』(講談社)は、今まで何に対しても本気で好きになれなかった女性が、ある男性ピアニストに出会い、生まれて初めて「官能」という強い感情を体感するマンガである。 物語は、クラシック系音楽事務所に勤務する橘環奈(26)が、担当するピアニストと顔合わせをする日から幕を開ける。 環奈は、ずっとロックバンドのマネージャーをしており、クラシック音楽の良さがまだわからなかった。それ
『ふたりは同時に親になる』(狩野さやか/猿江商會) 私たち男性はいつ父親になれるのか。親には子どもが生まれたらすぐなれるのだろうか? 夫婦ともに? これが本稿のテーマである。そこで紹介したいのが『ふたりは同時に親になる』(狩野さやか/猿江商會)だ。 最初に書いておく。ひょっとすると産後の家庭をもつ父親の多くが、本稿を読むだけで「耳が痛い」と感じるかもしれない。ただぜひ最後まで読んでほしい。きっと“父親になる”ためには理解しておくべきことだったのだと分かるはずだ。 ■あえて書く、母親が育児を辛く感じる理由は“夫”である まず、近年ネットでも話題の「なぜ母親がハードすぎる育児を強いられるのか」を理解しよう。本書によれば、日本の男性の育児休業取得率(平成28年度)はたった3%だそうだ。これはあまりにも少なすぎる。しかも休日の取得日数は7日以内が7割なのだ。これではまるで、ちょっとした旅行程度だ。
『ちゃんと失敗する子の育て方』(高濱正伸、西郡文啓/総合法令出版) 失敗は、成功するための大切な過程だ。エジソン、ダーウィン、アインシュタイン……挙げればキリがないほどの偉人たちが失敗と苦労を重ねながら偉大な功績を残してきた。失敗をしないことこそが、失敗なのだ。 しかし現在の教育は、失敗する場を失っている。昔から日本社会では、効率的で失敗しない人材が求められてきた。そのためその人材を生み出す教育が学校で行われてきた。 テストで良い点を取る勉強、志望校に受かるための受験。これらは効率よく成功する方法を学ぶことであり、“失敗を乗り越える学び”はない。前者を学んだ子どもたちは、やがて大人になり、会社で求められる“効率よく成功する歯車”として働く。 今までの時代ならば、このままで良かったのかもしれない。しかし時代は変わった。 ネットの発達がGoogleやAmazonなどの大企業を生み出し、人工知能
『吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる』(吉本ばなな/朝日新聞出版) 吉本ばなな氏といえば、『キッチン』(福武書店)や『TUGUMI』(中央公論新社)といった数多くの人気作品を生み出している有名小説家。そんな吉本氏が手がけた『吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる』(朝日新聞出版)は小説やエッセイではなく、読者から寄せられた友だちの悩みに答えるというユニークな内容となっている。 本書は『小説トリッパー』(朝日新聞出版)の2016年冬季号から2017年冬季号に連載されていた「語りおろし吉本ばななが友だちについての質問にこたえる」を加筆修正し、単行本化したもの。吉本氏は、10~60代という幅広い年齢の方が抱える全36問の友だちの悩みに言葉の処方箋を送っている。 ■ママ友トラブルはどう防ぐ? 我が子の成長は喜ばしいものだが、それに伴ってママ友トラブルが起こってしまうと、頭が痛くなる。吉本氏
『百年後の日本人』(苫米地英人/角川春樹事務所) 2000年に米国の巨大ネット掲示板に突如現れ、その後に起こる世界的な出来事を次々と予言、的中させて世界を震撼させた人物がいた。2036年からやって来たという自称タイムトラベラー、ジョン・タイターだ。日本の未来に関しても、「2020年までには、日本はいくつかの共和国で構成された連邦国家になっている」と公表し、「マジかよ」とネット民をザワつかせた。 現状で言えば、2020年までにそうなる可能性はなさそうだ。しかし2118年、つまり100年後なら、「現状のような日本、さらには米国や中国なども消滅している」と予言するのが、『百年後の日本人』(角川春樹事務所)の著者、認知科学者の苫米地英人氏だ。 本書には、100年後の国際情勢、科学の進化とライフスタイル、新たな日本人像などがまとめられている。その中からいくつかのトピックスを箇条書きで紹介しよう。 ■
有川浩といえば『図書館戦争』や『植物図鑑』など、手がけた作品が数多く実写化されている人気の小説家だ。有川作品の中でも特に人気が高く、ベストセラー小説となった『旅猫リポート』の実写映画化が決定。10月26日(金)より全国ロードショーされる。 『旅猫リポート』は、主人公の青年「悟」が、交通事故にあった野良猫「ナナ」を助けたことから始まる物語だ。ナナは心優しい悟に助けられ、5年間生活を共にし幸せに暮らしてきた。 しかしある事情で、悟はナナを飼うことができなくなってしまう――。 悟はナナと一緒に日本各地を巡り、小学校時代の親友や高校時代の初恋の人など、悟にとって大切な人の元を訪れ、ナナの新しい飼い主を探す旅を始めた。ナナの新しい飼い主を探すために始めた旅は、悟が自らの気持ちを見つめ直し、人生を振り返る旅にもなった。 一匹の猫と青年の、種族を超えた強い絆を感じることができる本作は、涙なしでは見ること
『ざんねんな名言集』(真山知幸/彩図社) 日頃、ささいなことで落ち込んでしまうことはないだろうか。自分の言動や人の目を気にしすぎたり、同じ失敗を繰り返したりして、自己嫌悪に陥ってしまう……。そんなとき、無理にポジティブになろうとしても、うまくいかなかったりすることは多い。 『ざんねんな名言集』(真山知幸/彩図社)は、さまざまなジャンルで成功を収めてきた偉人たちの「ちょっとざんねんな名言」を集めたもの。彼らのネガティブにも思える言葉たちを読んで共感し、自分の苦労を振り返って慰めてみてはどうだろうか。本記事では、本書から彼らの「ざんねん」な言葉たちをいくつか紹介する。 ■ゴッホ「今日もまた仕事で、つらい一日だった」 フィンセント・ファン・ゴッホはオランダ生まれの印象派の巨匠。精神的に不安定な生涯を送ったことで有名な彼は、友人に宛てた手紙に「今日もまた仕事で、つらい一日だった」と綴った。画家とし
ツチノコの存在を信じていないという人でも、ツチノコを見たいかと聞かれたら迷いなく「イエス」と答えるのではないだろうか。インターネットを通じて全世界中の情報をほぼリアルタイムに収集できるようになった現代でもなお、説明が不可能な未知の生物は世界各地で目撃されている。古い時代から長らく私たちの好奇心を刺激してきた「UMA(Unidentified Mysterious Animal 未確認動物)」を分類し、豊富な事例と鋭い推察とともに紹介するのが、本書『UMA事件クロニクル』(ASIOS/彩図社)だ。 本書で取り上げるUMAは全部で44。通常こういった超常現象を扱う本では、獣人型、飛行型などのタイプ別に分類されていることが多いそうだが、年代別に編集されている点に、“クロニクル”というタイトル通り、UMAの真相に迫るアプローチが秘められている。本書を著したASIOSは、Association fo
『そろそろ本当の忍者の話をしよう』(山田雄司:監修/ギャンビット) 「忍者」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。手裏剣や忍装束といったビジュアル面や、主君のためなら命を捨てるストイックさなどが想像できるものだ。これらはマンガや映画といった娯楽作品の影響によるものだが、忍者の存在そのものが謎に包まれているため、創作の幅を広げている。忍者は日本独自のものだといえるものの、訪日外国人から「忍者について教えてほしい」と言われたときに、なかなか答えにくいともいえる。年を追うごとに増え続ける訪日外国人との話題作りは、今のビジネスマンにとって求められる1つのスキルでもあるだろう。 『そろそろ本当の忍者の話をしよう』(山田雄司:監修/ギャンビット)は、忍者の実態を知るうえで必要な知識を押さえた数少ない書籍である。歴史的な背景の紹介から始まり、忍者の存在意義やその活躍、現代における忍者研究まで網羅的に取り上げ
『デートで初めて行った映画は何ですか?』(柴田こずえ/岩崎書店) デートの定番スポットとなっている映画館だが、案外、作品選びは難しい。カップルが2人とも楽しめる内容でなくては、上映後に気まずい雰囲気が漂ってしまう。そのため、付き合い始めで、お互いの好みがわかっていない頃ほど映画館デートは緊張しがちだ。ただ、成功しても失敗しても、時間が経てば一緒に映画を観たことは良い思い出に変わる。 『デートで初めて行った映画は何ですか?』(岩崎書店)は年代ごとに、カップルで初めて観た映画の思い出を集めた本である。若い読者は、これから恋人と映画を観るために押さえておきたい注意点を学べるだろう。一方、中高年の読者なら、映画館で一喜一憂していた時代を振り返ることができる。本書のエピソード集から、恋人との距離が縮まる前のドキドキを思い出してみよう。 まずは、なんといっても、若者ならではの「ぎくしゃくしたデート」が
インスタグラムフォロワー15万人の大人気育児コミックエッセイ! ひょうきんすぎる長女イチコちゃんと抱っこ星人の長男・二太郎くんへ ツッコミながら毎日を過ごす、ママ・モチコの「親バカ」目線で綴った作品。 ボケ(イチコちゃん)&ツッコミ(モチコママ)の親子コンビが繰り広げる “笑いのショー”で子育ての疲れや不安も吹き飛ばせること間違いなし!
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『あいあい傘』で、生き別れてしまった父に25年ぶりに会いにいく娘・さつきを演じた倉科カナさん。切なくも心に沁みる作品の撮影現場でのこと、そしてそこに重ねたみずからの女優として、女性としての想いとは――。 倉科カナ くらしな・かな●1987年、熊本県生まれ。連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ、注目を集める。その後、数々の映画、ドラマに出演。出演作に映画『夢売るふたり』『キッズ・リターン 再会の時』『3月のライオン』『ジ、エクストリーム、スキヤキ』、ドラマ「刑事7人」シリーズ、『春が来た』など多数。 ヘアメイク:宮本 愛(yosine.) スタイリング:岩渕真希 衣装クレジット:ワンピース8万円(エンフォルドTEL03-6730-9191)、ピ
『人生を変えるアニメ (14歳の世渡り術)』(河出書房新社) 日本のアニメーションはたびたび「作画クオリティが高い」「産業として巨大」という文脈で称賛されがちだ。しかし、本当に素晴らしいのは「人間が深く描かれていること」ではないだろうか。ネットやレンタルショップで山ほどアニメのタイトルが並んでいる今、我々は単なる消費の対象として作品に接してしまうようになっている。それでも、真剣に向き合えば、観る人の人生を変えてしまうほどの力を持ったアニメもたくさん生み出されているはずなのだ。 そして、それほどの傑作アニメはできるだけ早いうちに観てほしい。人生に悩み、自分について考え始める年代にこそ、キャラクターの生き様は憧れと目標になりえる。『人生を変えるアニメ (14歳の世渡り術)』(河出書房新社)は、各界の成功者たちが、思春期の少年少女におすすめするアニメ作品を紹介していくガイドブックだ。あの有名声優
『このとおりにやれば必ずキレイに写せる 子ども写真の撮り方』(椎名トモミ:著、薮田織也:監修/日本実業出版社) 子どもの写真を最高に可愛く撮るためのテクニックが紹介された『このとおりにやれば必ずキレイに写せる 子ども写真の撮り方』が2018年9月20日に発売された。 「子どもが小さいときの思い出を、きれいに残したい」という思いから、子どもの誕生をきっかけにデジタル一眼カメラを購入した人も多いだろう。 でも、最新の「初心者向け」のデジタル一眼を買ったのに、撮ってみるとなんだか色が暗かったりぶれていたり、ピントが合っていなかったり…。プロみたいにきれいには撮れないなあ、と残念な気持ちになっている方もいるのでは? 実はプロのように良い写真を撮るためには、「ちょっとしたテクニック」が必要になってくるのだ。本書では、5年間でのべ2000人に「子ども写真の撮り方」を教えてきたプロカメラマンである著者が
■よい姿勢=背筋をピンと伸ばした姿勢は勘違い!? 胸を張り、背筋をピンと伸ばして立った姿勢。 「よい姿勢とは?」と聞かれたとき、この姿勢を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、著者の小池氏はこう指摘する。 胸を張って背筋を伸ばすのは、気持ちの良いものです。(中略)しかしだからと言って、長時間は持ちません。無理に上体を仰け反らせているので、次第に疲れてきます。気を抜いた瞬間に、元のねこ背に逆戻りです 胸を張って、背筋をピンと伸ばした姿勢がよい姿勢というのは、一般常識ではあるけれど、一般常識=正しい知識ではなく、これはむしろ間違った知識だと著者は指摘する。では、どんな姿勢がよい姿勢なのだろうか? 著者は、その答えを「骨が骨を自然と支えて立つ、無理のない姿勢」だという。背筋を無理に伸ばして強引に作るのではなく、自然にスッと背筋が伸びた姿勢。それが、立ったときも、座ったときも、よい姿勢なのだ。 この
肌は美しく保ち続けたいけれど、毎日100%の努力で完璧なお手入れをすることは不可能に近い。メイクを落とさず気絶してしまったり、美容液を付け忘れたりして自己嫌悪に陥ったことがある女子は多いはずだ。 しかし、そんなうっかり女子も70%のゆる努力で美肌を維持し続けていくことならできるはず。『ゆる美容事典 「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(高瀬聡子/講談社)はズボラ女子や面倒くさがり屋な女子でも続けやすい美容テクを教えてくれる救済本だ。 著者で皮膚科医である高瀬聡子氏は肌に悩みを抱えた患者さんたちと向き合う中で、日本人は常に完璧なお手入れをしようと考えている人が多いと感じていた。しかし、完璧な美容は長期的に行いづらく、ストレスを感じてしまうため、肌はゆるい努力で維持し続けていったほうが結果的にキレイになりやすいということを伝えるべく、今回筆を執った。 美容にまつわる噂や新情報は日々、巷に
「セックスレスは、自分とのセックスレス」 「『私には穴が開いている』と認める」 この謎めいた言葉に世間がザワついています。 もとは『お金の神様に可愛がられる「人づき合い」の魔法』(藤本さきこ/KADOKAWA)。“女性性開花”を提唱する人気講演家の新刊です。 相手にも、親しい友達にも相談しづらいセックスレスの悩み。セミナー中に「誰にも言えず…」と、打ち明けられることもあるそうです。 では、セックスに求めるのは、何ですか? 愛?? もしもセックスレスの問題があるとしたら、ここを明らめてみるとセックスに対してどう思っているのかがわかってきます。 「明らめる」というのは、藤本さきこさん独特のメソッドで「ありのままの今の自分を明らかに見る」こと。 “幻”(=思い込みや妄想)を取り除いて、“事実”(=現実、本当の気持ち)に向き合うことです。 セックスレスの問題は相手が人であるだけに、仕事やお金より自
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く