インド最高裁はこのほど、世界最悪とされるインドの大気汚染対策として、「花火・爆竹販売禁止令」を出した。人々が花火や爆竹で祝う19日のヒンドゥー教の祭日「ディワリ」の前後に汚染レベルが急上昇するのに備えたものだが、効果はいま一つだった。 最高裁は9日、首都ニューデリー周辺での花火の販売を11月1日まで禁じた。旧市街地で50年間、爆竹や花火を販売するアミット・ジャインさん(41)の店は、判決のあおりで昨年より売り上げが9割以上減った。ディワリ前後が年間の売り上げの半分を占めるかき入れ時。「車や工場の排ガスの方がよっぽど問題なのに」と嘆いた。 この時期から冬にかけて、インドの大気汚染は深刻になる。野焼きや工場の排煙、自動車の排ガスも加わって空は真っ白に。風も弱まり、上空に滞留する。 健康被害をもたらす微小粒子…