(2014年1月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 世界経済についての大方の見方は以前より楽観的になっている。それにはもっともな理由がある。高所得国の景気がようやく離陸しそうに見えるのだ。米国と英国は特にそうだ。ただ、その行く手には大きな試練が待ち構えている。特にユーロ圏についてはそう言える。 新興国にしてみれば、高所得国の経済成長率が高まることは利益だけでなくコストももたらす。もし、非現実的な幸福感が安定を脅かす要因の1つに数えられるのであれば、2014年にはあまり楽しい気分になれないだろう。 先日ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会のムードを決めたのは国際通貨基金(IMF)だった。IMFは昨年10月の世界経済見通し(WEO)を改訂し、2014年の世界成長率予想を3.7%に上方修正した。引き上げ幅はわずか0.1ポイントだったが、英国の成長率予想の引き上げ幅は0.6ポイントに