2008年10月にポメラの初代モデルが発売されたとき、真っ先に思い出したものがある。NECがかつて販売していた「モバイルギア」だ。キーボードの折りたたみ構造こそ異なるが、やはりモノクロ液晶とキーボードを備え、乾電池で駆動する“機能を割り切ったマシン”というコンセプトは非常に似ていた。 実は筆者、そのモバイルギアの初代モデル「MC-K1」を大学生時代に購入したことがある。ただ、15年近く前の話(たしか1996年)であり、実機はもはや手元になく、買った店も覚えていない。購入の目的も、正直なところよく覚えていないのだが、当時まだ主流であったパソコン通信を楽しむためであったことは間違いない。MC-K1にはアナログモデムが内蔵されていたのだ。 モバイルギアの記憶が、俺をポメラから遠ざけていた その頃の筆者の部屋には、モジュラージャックなどという気の利いたものが配線されていなかった。そこで、深夜になる