研究会のポスター。腕が3本ある女性の画像は、画像生成AI「ミッドジャーニー」を用いて制作した=AI美芸研提供 生成AI(人工知能)でさまざまな芸術作品を生み出すことが可能になる中、生成AIは芸術界をどう変えていくのか。アイデアやコンセプトを重視し、芸術の本質を追究する「コンセプチュアルアート」の分野で活動する美術家、中ザワヒデキさんと草刈ミカさんは、芸術分野で生成AIの利用が広がる影響を「19世紀の写真の登場時と同程度」と見通し、そして「その先が見たい」と言う。どういうことか。二人が運営する「人工知能美学芸術研究会」(AI美芸研)のアトリエを訪ねた。【平林由梨】 AIで作る「3本腕の女性のポスター」 AI美芸研は2016年、囲碁ソフト「アルファ碁」が世界トップ級の棋士、イ・セドルを破ったことをきっかけに設立された。「哲学や芸術の根幹にも通底する原理的なゲームである囲碁でAIに人間が敗れた。