衆議院が解散された10月9日夜の会見で、勝敗ラインを聞かれた石破茂首相は「自公で過半数」と答えている。「政治と金」問題の逆風を受け、自民党の苦戦は容易に予想できたが、石破首相はこの時そ、「“裏金議員”を非公認、あるいは比例復活を許さないことで、有権者に対して党の姿勢を示すことができるだろう。その上で選挙後に当選者を追加公認すれば、このラインくらいは乗り越えられる」と思っていたに違いない。 早くも「危険水域」に突入した支持率 だが実際の逆風は、その想定を超えていた。何より石破首相の「人気のなさ」が露呈したことが問題だ。 時事通信が10月17日に公表した世論調査によると、石破茂政権の支持率は28%で森喜朗政権より低かった。通常なら政権発足後3カ月ほどは「ハネムーン期間」とされて支持率は高く、メディアの批判も抑えられる。 政権成立10日後に衆議院を解散した岸田文雄前首相でさえ、政権発足直後の内閣