ノーベル賞受賞/基礎研究こそ日本の強みだ 今年のノーベル化学賞が、旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71)に贈られることになった。日本人のノーベル賞受賞は27人目で、自然科学部門の受賞ラッシュが続く。 基礎研究の裾野の広さが改めて評価されたと言えよう。他方で、研究実績の先細りを憂う声も聞かれる。 受賞した内容は30~40年前に取り組んだものが多く、最先端分野では研究費の減少もあって、研究レベルを示す各指標は下がり続けている。 背景には、大学や民間企業でじっくりと専念できる環境が失われている点が挙げられる。目の前の成果を求められ、追い立てられるように論文をまとめるのが普通の光景になった。 日本のものづくりは、こつこつと積み上げられ、築かれてきた。吉野氏は受賞インタビューで「研究開発は時間を要する。リチウムイオン電池も研究から市場に出回るまで15年かかった」と語った。 受賞を機に基礎研究にいそしむ
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