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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (84)

  • 第40回日本SF大賞を受賞した《天冥の標》が2巻まで無料公開されているから全力でオススメする。 - 基本読書

    天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上) 作者:小川 一水発売日: 2013/01/25メディア: Kindle版2020年、第40回の日SF大賞(日SF賞。小説以外の媒体も対象)を小川一水《天冥の標》と酉島伝法『宿借りの星』が受賞した(対象期間は2019年)。どちらも別の角度から現代日SFの豊穣さを示す作品なのだけれども、今この《天冥の標》全10巻のうち、第2巻までが05/06まで各電子書籍サイトで無料になっている。 期間限定の無料でその後読めなくなるケースではなく、一度落としたらその後ずっと読めるはずなので、ぜひすぐには読まなくとも手に入れておいてもらいたい。SFというのは、小説というのは、ここまでのことを描くことができるのか、と打ち震えるような作品だ。全10巻とはいうものの、1巻は上・下巻。6巻は3分冊されているなどして、計17巻の大長篇である。その巻の中にはパンデミックSF

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    dododod 2020/05/07
  • ハヤカワの1000作品が最大50%割引の超大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する!! - 基本読書

    三体 作者:劉 慈欣発売日: 2019/07/04メディア: Kindle版うおおおコロナで外に出る理由もない今日この頃、突如として早川書房から1000作品が最大50%割引の超大型電子書籍セールをはじめたのでオススメを紹介します!! 早川は毎年、海外SFだったり日SFだったりと、わりとテーマを絞った数十〜数百点規模のセールはやっていたのだけど、垣根がなくここまで大規模のセールははじめてでは!? 早川といえばSFとミステリと科学ノンフィクションなので、そこらへんを重点的に紹介してみようかと思いやす。ちなみにセール商品全点は下記の通り。 www.amazon.co.jp SF篇 まず「これは当然だよなあ?」レベルの王道から行くと、なんといっても劉慈欣の『三体』だ! 識者らがアンケート形式で投票し、その得票数でランキングを決める「SFが読みたい!」というムックのランキングで2位を大きく突き放し

    ハヤカワの1000作品が最大50%割引の超大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する!! - 基本読書
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    dododod 2020/03/15
  • 清涼院流水ファンにオススメするダンガンロンパサーガ - 基本読書

    ダンガンロンパというのは、2010年に発売された1と、今年の7月26日に発売された2を合わせたPSP専用アドベンジャーゲームのことだ。1と2の前日譚であるダンガンロンパ・ゼロを合わせた3つの作品を、ここではダンガンロンパ・サーガと読んでいる。このシリーズのことで、つい昨日ゲームの2をクリアした勢いでこの文章を書いている。ついでにいうと、その後ハマってしまったのでダンガンロンパ・ゼロの小説まで買って読破してしまった。 とても面白い物語と、そしてゲームだった。僕はゲームをほとんどやらないのだが、ここ数年ではこいつだけはちゃんとクリアしている。物語性に強く引き込まれるところもあるが、ゲームシステムと物語の親和性という意味でダンガンロンパはとても完成度が高い(もっとも、ミニゲームの部分はすごく微妙なんだけど) ダンガンロンパサーガとわざわざ記事のタイトルにつけたのは、これらのシリーズがひとつひとつ

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    dododod 2019/02/23
  • ランス10、第二部をクリアした人用の雑談記事 - 基本読書

    ランス10 出版社/メーカー: アリスソフト発売日: 2018/02/23メディア: DVD-ROMこの商品を含むブログ (1件) を見るランス10を第二部までクリアした後、ちまちまと一部を回ってまだみていないイベントを潰したり券イベを読み進めていたのだけど終わってしまった虚無感がひどいのでその虚無感を薄めるためにとりとめもなく完全ネタバレ感想でも書こう……。 たかがゲームだろうという気持ちもなくもないんだけれども、でも何年もそのゲームを楽しみに、そして楽しんでやり続けてほとんど人生の一部となってしまって、十年以上の付き合いになるキャラクタ達と別れたくないという気持ちばかり湧いてきてしまう。ランスの最後の「俺を見てるか」も、見てるに決まってんだろ、っていうか、今までずっと見続けてきたよって涙を流しながら答えるほかない。 そもそもなぜ虚無感がひどいのかといえばシリーズがランスの老衰による死

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    dododod 2018/03/17
  • 人類史に刻み込むべき神シリーズ──『ランス10』 - 基本読書

    ランス10 出版社/メーカー: アリスソフト発売日: 2018/02/23メディア: DVD-ROMこの商品を含むブログ (1件) を見る発売されてから120時間以上プレイし続けてようやくクリアした……というか、”クリアしてしまった”。できることならば永遠に終わらないでほしかった。無限にこの世界で遊んでいたかった。しかし終わるからこそ、そんな気持ちも湧いてくる。 29年間最前線を突き抜けてきたゲーム・シリーズ ランスシリーズの完結作『ランス10』とそのシリーズは、まさにそんな気持ちを抱かせてくれた理想のシリーズ作品だ。平成の元年にはじまって、約30年間にわたって紡がれ続けてきたこの作品は、その年月の中で幾度も形を変えながらもその魂は失われず、”ランスシリーズのおもしろさ”を開拓し続けてきた。『ランス10』はその完結作にふさわしい、超ド級の傑作だ。エンディングをいったん観た今、これほどの楽し

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    dododod 2018/03/08
    120時間…クリアしたら読む
  • 人類の生存圏を脅かす"新しい時空との対決"を描くイーガン最新刊──『シルトの梯子』 - 基本読書

    シルトの梯子 (ハヤカワ文庫SF) 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/12/19メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見るイーガンの新刊、文庫である。ただし原書の刊行は2002年。それはつまり15年間時をあけての邦訳刊行になるわけだ。無名の作家ならともかく、あのイーガンがここまで翻訳されていないということは、それはつまり単純につまらないからなのではないか?? と疑っていたのだけれども、読んでみたらこれが抜群におもしろい書の刊行は時期的にいえば『ディアスポラ』のあと、『白熱光』のまえといったタイミングで、イーガンが異なる物理法則に支配された新宇宙の創造、ハードな世界構築の方へと傾倒していく序章のような立ち位置につけている。データ化された人間たち、死の概念の変化とアイデンティティの同一性への不安、どこまでもハー

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    dododod 2018/01/09
  • SF短篇の醍醐味が詰まった小川一水最新短篇集──『アリスマ王の愛した魔物』 - 基本読書

    アリスマ王の愛した魔物 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/12/19メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る小川一水さん久々の短篇集! 最近は《天冥の標》シリーズで超絶オモシロイ大長篇を書く化物という印象が強いかもしれないが短篇の名手でもある。短篇毎に文体がまるごとガラッと切り替わり、コンセプトは明瞭明快で、書だけでも数学童話から宇宙SF、生物SF、バイクSF(?)、ロボット/AISFにまで多彩な方面へと果敢に切り込んでみせる。一言でいえばSF短篇の醍醐味はここにあらかた詰まっているといいたくなる短篇集だ。 作品の発表年としては2010〜2012年の物が4篇と最近のものは収録されていないが、その代わりに書き下ろしの「リグ・ライト──機械が愛する権利について」で現代のAI関連の文脈をよく捉えた"傑作"が収録されており、全部短

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    dododod 2018/01/09
  • スポーツロボットバトルが成立する"世界"まで含めて描く──『ストライクフォール』 - 基本読書

    ストライクフォール (ガガガ文庫) 作者: 長谷敏司出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/06/24メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る『BEATLESS』のアニメが間近に迫る長谷敏司さんによる、スポーツロボットバトルアクションSFがこの《ストライクフォール》シリーズである。現在絶賛シリーズ進行中で、目下のところ三巻まで刊行中。実は一巻が出た直後ぐらいに記事を書いていたのだけど、二巻、三巻と進むにつれ面白さが跳ね上がっていき、一巻を読んだ頃には見えていなかった景色が見えてくるようになったので、ここらで再度紹介しておきたい(タイミングよくガガガ文庫作品はKindleで50%還元祭り中だし)。 一巻ではストライクフォールという競技と物語の登場人物の基礎が描かれ、二巻でこの世界の成立背景の一端が明らかになり、三巻でストライクフォールという競技の醍醐味を思う存分最初から最後

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  • 『幼女戦記』のカルロ・ゼンによる、使い捨てにされる者達の物語──『ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下』 - 基本読書

    ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下 (ハヤカワ文庫JA) 作者: カルロ・ゼン,so-bin出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/08/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『幼女戦記』のカルロ・ゼンが早川で戦争SFを書くという情報を知った時(たしか今年のはじめに出た『SFが読みたい』の刊行予定欄で知ったんだったかな)、「それ絶対おもしろいやつじゃん! 依頼した人、超有能!」とひとしきり喜んだものだ。 それというのも『幼女戦記』は、"魔法が存在する世界"ならではの戦記物として、理屈や魅せ方のレベルが異常に高い作品である。"ある設定が導入され全体が一変している"世界の構築力はそのまま"SFを書く力の証明"でもあると僕は勝手に思っているので、この人がSFを書いたらきっと面白い物になるだろうなと思ったのだった。 あらすじとか世界観とか で、実際に読んでみたら当たり前のようにおもしろ

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    dododod 2017/08/17
  • 基本読書10年目に突入しました。 - 基本読書

    7月24日に突入しました。 plaza.rakuten.co.jp 10年という数字に意味はありませんし、ここから何かが変わるわけではないですけど、これまで書いたことがなかったことでも一応書き残しておこうかと思います。 このブログはいかにして駆動されているのか このブログはもともと神林長平先生の『膚の下』を読んで書きはじめられたブログなのですが、それとは別にもう一個動機もあって、「ネットの書評ブログの感想は弱い」ということでした。僕が『膚の下』を読んだ時、これはこの宇宙で最高の小説だし、僕の人生において今後コレほどの衝撃を受けることはないだろうと確信し、その衝動みたいなものを一緒に誰かに分かち合って欲しいと思いネットを検索しました。 それなのに何ページめくっても『膚の下』おもしろい〜と三行ぐらい、あるいは十行ぐらい書いてあるWebページが出て来るのが関の山で、僕はといえば「そうじゃねえだろ

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  • アニメとはまったく違う、乙野四方字の『正解するカド』を──『正解するマド』 - 基本読書

    正解するマド (ハヤカワ文庫JA) 作者: 乙野四方字,東映アニメーション,野?まど出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見るTVアニメ作品『正解するカド』が、先日賛否両論を巻き起こしながら終了した。否定的な意見にうなずきながらも僕は毎週楽しみに観ていたけれども、最終話には大いに笑かしてもらって、とにかく楽しい作品であったと思う。最後の大ネタはあまりにもバカバカしく「もうなんでもええわい」とおおらかになってしまうんだよね。 と、そんなわけで書『正解するマド』はそのノベライズにして、スピンアウト作品である。アニメ作品のノベライズといえば、アニメの内容をそのままなぞるものからまったく別の話まで様々だが、書は"まったく別の話"にあたる。しかも凄いのは、アニメ脚との密接なリンクを構築しつつ、野崎まど作品への強烈なオマージュであり、さら

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    dododod 2017/07/09
  • 階層世界を舞台に、作家らの個性が奔放に炸裂した傑作──『BLAME! THE ANTHOLOGY』 - 基本読書

    BLAME! THE ANTHOLOGY (ハヤカワ文庫JA) 作者: 九岡望,小川一水,野崎まど,酉島伝法,飛浩隆,弐瓶勉出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/05/09メディア: 文庫この商品を含むブログを見る書は弐瓶勉による傑作『BLAME!』の世界観を題材とし、九岡望、小川一水、野崎まど、酉島伝法、飛浩隆と実力が確かな第一線の作家らが短篇をよせたアンソロジー。正直登場面子を聞いた時から「これは凄いものになるぞ」とワクワクが止まらなかったわけだけれども、出てきたものはそれを遥かに超える水準の作品である。 この水準の高さは、単に短篇単品で傑作であることにとどまらない。それぞれの作家が好き放題やらかしているにも関わらず、まるでびくともせずに、尽きせぬ魅力を発揮し続ける『BLAME!』という原作の素晴らしさを再確認させてくれたことも関係している。何しろ、誰がどんなとんでもないこ

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    dododod 2017/05/16
  • 被造物が自立する時──『NieR:Automata』 - 基本読書

    ニーア オートマタ - PS4 発売日: 2017/02/23メディア: Video Gameいやーおもしろいゲームだった。アクションは爽快で、人類がとっくにいなくなった廃墟の風景は美しく壮麗。それらを彩るボーカル多めのサウンドはずっと聞いていたいと思えるほどに心地よく、ストーリーとそれが生み出すヴィジュアル、プレイヤーが想起する感情はゲームでしかありえない独特な物で、端的にいって傑作である。 www.youtube.com 世界観とか 舞台となるのは『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』から数千年後の世界。異星からの侵略者によって残された機械生命体と、月に退避した人類により地球に残されたアンドロイドの戦いが長い間繰り広げている。主人公となるのは女性型のアンドロイド2Bで、機械生命体らとの激しい戦いを経て、世界の真実へと辿り着いていく。 ストーリィとしてはPS3の前作である『ニーアレプリカ

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    dododod 2017/04/16
    オープンワールドではあるけどそれにしては狭く、だからこそ何度も往復し イベントも以上に豪華 素敵
  • 異質なものとの遭遇──『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』 - 基本読書

    誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101) 作者: 野?まど,大森望出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る書『誤解するカド』は今年の四月から放映がはじまったアニメ『正解するカド』に乗っかって編集された、ファースト・コンタクトSF短篇を集めた傑作選である。アニメのスピンオフでもなんでもない無関係な作品が集まっているので、アニメを観ている必要は特にない。 正解するカド、めちゃくちゃおもしろい 実は『正解するカド』って、キービジュアルに惹かれなかったし、あらすじからはファーストコンタクト物ってことがわかるだけで情報量もないしであんまり興味がなかった──のだけど、書について書く以上アニメも一応確認しておくか……と思って観始めたらめちゃくちゃおもしろくてドハマリしてしまった。あまりたくさんは観

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    dododod 2017/04/16
    『正解するカド』楽園追放のテレビ放送にもCM過多で全く心惹かれなかったけど 実際見てみると面白いですね
  • 筒井康隆を軽く飛び越えていった才能──『ビアンカ・オーバーステップ』 - 基本読書

    ビアンカ・オーバーステップ(上) (星海社FICTIONS) 作者:筒城 灯士郎,いとう のいぢ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/16メディア: 単行(ソフトカバー)ビアンカ・オーバーステップ(下) (星海社FICTIONS) 作者:筒城 灯士郎,いとう のいぢ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/16メディア: 単行(ソフトカバー)いやはや。 書『ビアンカ・オーバーステップ』は元々筒井康隆がはじめてライトノベルを書いたという触れ込みで発売された『ビアンカ・オーバースタディ』のあとがきで存在を明かされ、「誰か続篇を書いてくれ」と後に託された作品であった。それをデビューもしていない著者が勝手に書いて新人賞に応募してしまったものの書籍化である。 狂人かな? 読み終えて思ったのは著者は狂人なのだろうなということである。何しろあまりにおもしろい。章ごとどころか

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    dododod 2017/04/14
  • 天才が天才について描いた映画監督漫画──『映画大好きポンポさん』 - 基本読書

    www.pixiv.net 傑作である。 非常にシンプルで洗練された作品であり、何よりも"フリーで"公開されている漫画作品なので、(あと僕にあまり漫画を語るスキルがないし)長々と紹介するのはやめておこう。一度でも読み始めたら最後、最初の一コマから最後の一コマまで無駄なく洗練された台詞回しと演出にぐっと掴まれ最後まで読みきらずにはいられないだろう。 表紙の「イカちゃんかな?」みたいなデフォルメされたキャラクタからはシリアスな物語が展開するとはとても思えないが、凄腕映画プロデューサーのポンポさんを筆頭として魅力的な"天才"たち──一瞬で別人に変貌してみせる、演技に関して天性の才能を発揮する天才俳優、映画のこと以外考えられない、それ以外の能力はまったくもって存在しない目が濁っている天才映画監督、物の才能を見つけて、適切なタイミングで適切なお題を与えることができる天才プロデューサー──そのすべて

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  • 最後の一秒まで楽しかった──『けものフレンズ』 - 基本読書

    ようこそジャパリパークへ(初回限定盤) アーティスト: どうぶつビスケッツ×PPP出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2017/02/08メディア: CDこの商品を含むブログ (8件) を見る全12話、たいへんおもしろいアニメだった。 それだけでなく、わけがわからんぐらい物凄い話題になった。なぜこんなに物凄い話題になったのか、というのは運も絡むところであるし、「これだ!」と原因を言い切っても仕方がないが、少なくともつまらなければこの結果はなかっただろう。 全体的に予算があるとは言い難い。動くはずのところが動かない、アクションがあまりにショボい、など幾つもの要素が"安い"が、明確なコンセプト、洗練されたキャラデザ、細かな感情や空気感の伝わってくる脚/動物たちの仕草、"安く"とも"目指す志"の伝わってくる絵作り/構成などいくつものプラスの要素があった。その結果としていくつ

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    dododod 2017/04/01
  • 人工知能本読みすぎて飽きたけどその中でも記憶に残っている本を紹介する - 基本読書

    この数年人工知能バブルかってぐらい人工知能関連が出まくっていて、最初の頃は律儀に一冊一冊読んでいたもんだが、だんだん飽きてきた(そりゃ読みまくってるんだからそうだ)。やれ人工知能仕事が奪われるだとか奪われない仕事はなんだとかの話は定番だが、定番すぎてそうそう新しい解釈が出てくるわけではない。消える仕事は消えるし、残る仕事の分野もだいたい明らかになってきている。 とはいえそれでも読んでいると「おお、これは視点が良いな」と思えるものもあり、そういうのは読んでいて楽しい。その書き手はやっぱり基的には専門的な知識を持っている人たちだ。認知ロボット工学者であったり、AI研究所に勤めていたり、機械学習の専門家だったりする。最後のはまた特殊事例といえるが、稿ではそうした人工知能飽きた僕の中で記憶に残っているをいくつか紹介してみようと思う。 まずは基的なところを教えてくれる一冊 シンギュラリ

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    dododod 2017/03/19
  • 機械獣が跋扈する世界を思う存分冒険する──『Horizon Zero Dawn』 - 基本読書

    Horizon Zero Dawn 通常版 - PS4 出版社/メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント発売日: 2017/03/02メディア: Video Gameこの商品を含むブログ (1件) を見る『Horizon Zero Dawn』はこれまで『KILLZONE』などのFPSタイトルを開発してきたゲリラゲームズが新たにオープンワールドに挑んだ大作である──などという前提情報/開発会社がどうとか以前に、2015年のE3で公開された、広大な自然を機械の獣たちが歩き回り、人間の文明は矢と槍で戦うレベルまで退行してしまっているポストアポカリプスな世界観とグラフィックに一瞬で惚れ込んでしまった僕である。 www.youtube.com とはいえいきなりオープンワールドに挑戦して傑作がつくれるわけでも……と思っていたけれども、これが嬉しい誤算で大変レベルの高い一品である。サブクエ

    機械獣が跋扈する世界を思う存分冒険する──『Horizon Zero Dawn』 - 基本読書
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    dododod 2017/03/19
  • 才能との向き合い方──『りゅうおうのおしごと!』 - 基本読書

    りゅうおうのおしごと! (GA文庫) 作者: 白鳥士郎出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2015/09/25メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこの『りゅうおうのおしごと!』は農業高校の学生生活を描く『のうりん』シリーズなどで知られる白鳥士郎さんの現在進行系のシリーズである。先日5巻が出たところで第一部完ともいうべき展開をみせ、この時点までで充分にひとまとまりの作品として優れていることから一度レビューを書いておきたい気持ちが湧いてきた。 将棋物として真正面から真摯に向き合っているだけでなく、才能を持つものと持たざるものめぐる物語として、また才能を持ってしまったからこその順風満帆とは言い難い道のりを描いていく。また、『のうりん』でも農業高校や現実の農業問題への丹念な調査とその物語への落とし込み、きわどいところまで踏み込むギャグ、テンポの良さとバランス感覚の見事さ

    才能との向き合い方──『りゅうおうのおしごと!』 - 基本読書