村上龍に聞く、震災と希望と電子書籍の未来(前編):電子版「ラブ&ポップ」をGALAPAGOSでリリースしたその理由(1/3 ページ) 作家、村上龍氏の代表作の1つ『ラブ&ポップ』の電子書籍版がTSUTAYA GALAPAGOSに登場した。バブルの残滓が色濃く残るこの作品を、震災のダメージ、政治の混乱、経済の低迷という三重苦の中にある現代のわたしたちが振り返ることの意味はどこにあるのだろうか? 氏が考える「電子書籍の未来像」など、気鋭のジャーナリスト、まつもとあつしによる村上氏へのロングインタビューを2回にわたってお届けする。 1996年――バブル崩壊が指摘されつつも、まだその残滓が日本のあちこちに見られた時代だ。作家村上龍氏の代表作の1つ『ラブ&ポップ』もそんな日本の状況をよく反映した作品として知られる。援助交際を行う女子高生の渋谷での1日をつぶさに描いた作品は様々な反響を呼び、庵野秀明氏