残業で終電を逃し、タクシーで帰宅することになったある日。職場の近くの駅前に、夜になるとタクシーが行列を作っているのは知っていたので、仕事で疲れた重い足取りで歩いて行くと、そこにはぴかぴかのボディーに色とりどりの灯りがずらりと並ぶ、なんだか夢の世界のような光景が広がっていました。 (萩原 雅紀) タクシーの行列がかっこいい テレビなどでは「不況の象徴」とか「眠らない都市」といった場面で使われる、夜のタクシーの行列。少し大きな駅前ならどこでも見られる、そんなありふれた光景が不意にかっこいいと思えてしまいました。 でも、それは仕事疲れでぼんやりした僕の頭が勝手にフィルターをかけて、日常の景色をきらびやかな姿に変えて脳内にインプットしただけかも知れない。 そう思って、確認の意味も込めて、いくつかの駅前のタクシープールをまわってみました。そしたら、これがかっこよかったんですよ。 白や黒、そして黄色の