日常に写真や映像があふれる現在。「写真のはじまりとは何か?」を問うアーティスト村上華子が、写真の原点をリサーチし続けた結果生み出された作品が、ポーラ美術館で展示されている。写真を生み出したニエプスとダゲールとは? そもそも「写真」とはいったい何なのか? 村上にとっても新たな展開となる新作が、20作品以上も目にできる企画となった。展覧会が開催される3カ月前から、村上が作品を生み出す過程を追った。 「写真のはじまりに興味があります。どのような発想に基づいていたのかはもちろんのこと、目の代替物としてのイメージ(像)はどう焼きつけられるのか。網膜に写った像を他の人々とどう共有できるのか……」。そう語るのは、パリを拠点として活動するアーティスト、村上華子。世界各地の写真アーカイブを訪ね、残された写真黎明期の資料の丹念なリサーチを重ねながら、自身の作品を発表している。 今年初夏、村上はパリ郊外のビエー