★前回の記事はこちら。 ※本連載は第14回です。最初から読む方はこちら。 「あのタワマンは節電に協力せず、電気を浪費している。どうにかしろ」。東日本大震災のあとにも、そんな「自粛警察」が猖獗を極めていたことを憶えているだろうか。まだ10年もたってない最近のことだ。 筆者は当時、自治体のウェブサイトにある「市民の声」や「市長への手紙」などのページをよく閲覧していた。そこには、上記のようなクレームが生々しく記されており、まるで戦時下の密告をほうふつとさせたからである。非常時ムードになると、現代人もこういうことをやるのだと驚き呆れたものだった。 残念ながら、そのほとんどは現在見ることができない。古いものは削除されており、「インターネットアーカイブ」のような、過去のウェブデータを保存しているサービスでも確認がむずかしい。公文書としての保存年限もすぎているだろうから、もう完全に消えてしまったのではな