そもそも政府は統計不正問題を解明し、体制を改革する気があるのだろうか。そんな疑問が募る。 厚生労働省の特別監察委員会はきのう、毎月勤労統計の不正調査問題に関する再調査結果を公表した。しかし組織的にも職員個人としても隠蔽(いんぺい)の意図は認められないと結論づけるなど、先月の調査とほとんど変わらない内容だった。 それ以上に看過できないのは政府の統計を統括する総務省が、非常勤の学者である西村清彦統計委員長は多忙のため国会審議に協力できない意向だとの文書を勝手に作り、与野党に提示していたことだ。 西村氏は昨年12月、毎月勤労統計の不正を指摘し、一連の問題が発覚するきっかけを作った。 今回の文書に対し、西村氏は「そのような文書提出を指示していない」と否定し、石田真敏総務相も謝罪したが、厚労省だけでなく、総務省もこれ以上の国会追及を避けたかったのではないかと見られても仕方がない。なぜ官僚側が独走した