1年間の話題のマンガを顕彰する「マンガ大賞2013」の大賞が吉田秋生氏の『海街diary』に決まった。同賞の選考委員でもあり、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が、作品に登場する鎌倉の名物料理を通じて作品世界の魅力を伝える。 * * * 「食」がその背景をともなって物語に描きこまれた作品には、例外なく人をひきつける力がある。先日発表された「マンガ大賞2013」の大賞受賞作『海街diary』(吉田秋生)もそんな作品だ。 『海街diary』は鎌倉に暮らす3姉妹のもとに、父を亡くした腹違いの4女がやってくるところからはじまる叙情的な物語だ。描かれるテーマは「家族の絆」であり、「食」が主題というわけではない。しかし随所に盛り込まれた「食」がテーマとなる「家族の絆」のモチーフとして、大切な役割を果たしている。 例えば1巻。4女・すずが3姉妹のもとに引っ越してきたとき、姉妹の間で「引っ越しってい
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