全国各地の水族館に「食育」を取り入れる動きが広がっている。子供たちに魚の生態を観察させるだけでなく、釣りや調理、実際に食べる体験を通して、魚が限りある資源であり、自分たちが海の恵みに支えられて生きていることを、改めて考えてもらおうという試みだ。経済産業省の調査によると、昭和57年に約5万3千店あった鮮魚店は平成24年には1万5800店にまで激減。子供が魚を身近に感じられる機会は減っており、魚の形が分からず、スーパーで売られている切り身が海を泳いでいると誤解しているケースもある。水族館の新たな取り組みは、魚離れに歯止めをかける「切り札」として期待されている。 すし職人も常駐絶滅危惧種の繁殖などに取り組む「環境水族館宣言」を表明しているアクアマリンふくしま(福島県いわき市)。海洋資源の保護を伝える「食育」の一環として、マグロやカツオの群が回遊する大水槽の前に本格的なすしを味わえるコーナー、すし