「優勝より、自分の演技をほぼ完璧にできたことがうれしい」とコメントした羽生。GPファイナル2連覇で、まさに“敵は己のみ”という高みに到達した感も……。 何という強さだろう。これが五輪チャンピオンの実力というものか。唖然としたくなるほどパワフルな、羽生結弦のフリーだった。 「オペラ座の怪人」のメロディに合わせて、羽生結弦は冒頭の4回転サルコウをあっさり着氷。ひょっとすると3回転だったのだろうかと思うほど、簡単に降りた。続いて4回転のトウループも軸のぶれがまったくなく、着氷に素晴らしい流れがある。羽生が次々と降りていくジャンプは、彼がやるとまるで何の苦もなくできる、降りて当たり前のようなものに見えた。最後の3ルッツではすとんと転倒したのもご愛嬌に見えるほど、圧巻の演技であった。 復活の羽生、歴代第2位の高得点。 結局4回転を2度、3回転を合計7回降りてフリー194.08で今シーズンの世界最高ス